影があるからこそ光がある。
ゆらゆら。キラキラ。
光が揺れる。
だ円。きれいな円。
光が形作られる。
綺麗だなぁ・・・。ずーっと見ていたい。なんで、私の名前光莉なんだろう。こんな綺麗なものと同じ名前なんて、重いだけだよ。
友達とか、先生とか、男子とか。めんどくさい。気を使いたくない。もう誰とも話したくない。
ああ、なんか最近まとわりついてくる女が近づいてきた。
話さなきゃだよね?
「ねー、ひかちゃん。私さーあいつがうちのクラスで一番イケメンだと思うんだけどー。」
どーでもいいよ。
「しかも、性格も良いらしいよぉ。めちゃくちゃ優しいって彩ちゃんが言ってた。」
どーでもいいよ。
「ひかちゃん、聞いてるー?」
全然。
「うん。翔太でしょ?かっこいいうえに、女の子の前ではどもってて可愛いって噂の。」
「そうそう!かわいいのに、イケメンときた!私、マジで狙おっかなー。」
勝手にしろ。
「玉砕だね!」
「サイテー。そーゆーこと言う?」
だって、お前じゃ無理だよ。
「ごめんって、怒らないでよ!」
「もう、そういってひかちゃんも好きなんじゃない?翔太のこと!」
どうしてすぐ色恋沙汰に走るの。
「そうだねー。でも、私はそんなに興味ないかなー。」
「嘘つけぇ。」
ウザい。興味ないどころか、今どこにいるかどうかも分かんないよ。話の渦中の彼、どんな顔してたっけ。
「興味ないってばー。」
「またまたぁ、やけに知ってたじゃん!」
全部お前が言ってたことだよ。さっさと玉砕しろ、バカ。
「しつこいなぁ、もう。」
「じゃあ私、マジ狙うからね!」
あ。そのために、何回も確認したわけね。敵の数を推し量るために。
「マジで?頑張って!」
「話しかけてくる!祈ってね~!」
失敗を?
「うん。頑張って!」
女は、やっと去って行った。
醜いなぁ、人間。きれいだなぁ、光。
私も醜い人間なのに、なんでこんな綺麗な名前を付けるの。
醜さが際立ってキモい。
その女、正直言って私よりブスだよね。たぶん。