僕の呪い
2年生になって早くも一ヵ月と数日が過ぎた。
相変わらず後ろの席のやつがうるさいほどに話しかけてきていて正直めんどくさい。
そのことを彼女に何度も伝えたのだが(もちろん紙に書いて)そのたびにあまり論理的でない言葉、もはや暴論の域で僕に話しかけては一人でペラペラと喋っている。
最初はほとんど無視していたがそれでもずっとしゃべりかけてくるので仕方なく会話(?)してやっている。
そんな感じで毎日、時間の川の流れに乗っているようにただ過ごしていた
こんな毎日も悪くはないかなぁなんて一瞬思ったりもしたが、やはりあの出来事が頭からこびりついてはがれない。
後ろの少女が喋ってきていてもゲームしていても漫画を読んでいても、すべての行動にそれがついて回っている。
それは僕が僕に与えた呪いで一生ついて回るだろう、どうしようもないものだった。
ある時学校の休み時間の時に少女に聞かれた。
「ねぇねぇ、少し前に聞いたんだけど幽斗君が喋れなくなった事件って何なの?」
プツッ
僕の中で何かが切れた。
「好奇心でそんなこと聞いてくんなよ!!」
僕は自制心がきかずに思いっきり彼女の机をたたきつけ叫んでいた。
僕はハッとし席に座り直すとうつむきながらただ時間が過ぎるのを待った。