鍵を持つ少女
新学期が始まって1週間
クラスが早く仲良くなるようにと席替えをさせられた。
僕の狙いだった窓際一番後ろの席にはなれなかったものの
窓際の後ろから2番目の席を運よくとることができた。
「ねぇねぇ!」
近くで誰かが誰かに話をかけている
朝から元気だな。
「ねぇってば!幽斗君!」
話かけられてるのは僕だった
「黒羽幽斗くんってば!」
仕方なく僕は振り向く。
『何?名前言った覚えないんだけど』
紙に書いて対応する。
「そんなのクラス名簿見ればすぐわかるよ♪」
・・・
それもそうだが僕が言いたいのはそういうことじゃない。
『で?なんの用?できれば話しかけてほしくないんだけど』
「ん?特に用はないよ?ただ私が話しかけたかっただけだよ?」
『・・・』
何なんだこいつは
「ねぇ、幽斗君はどこに住んでるの?どこ中出身なの?好きな歌手は?
好きな食べ物は?」
怒涛に質問を重ねまくってきやがった
「ちなみに私はねぇ…」
『ウザい。君のことに興味ないし、逆に君に教えることもないから』
僕は半場彼女の机に叩きつけるように紙を置いた。
「君がどう思っていようと私は君とお話がしたいのっ!
だから幽斗君も私とお話するのです!(キリッ」
僕はそのあまりの暴虐っぷりにしばらく固まってしまった。