まちがえて短編でなく連載設定にしてしまったので、このまま詩集にしてしまえ！ よって、タイトルまだ未定

殻

　逆説的ですが。

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　かたい殻(から)にとじこめられてるから

　エビはエビでしかいられないし

　カニはカニでしかいられないって

　きみはそう ぼやいてる

　だからって

　かたい殻(から)を裂いて ときはなたれれば

　エビやカニの背から翼がはえてきたり

　大輪の薔薇が咲き乱れたりするってわけでもないよね

　むしろ殻(から)を失ったら

　エビはエビであるかたちを

　カニがカニであるかたちを

　輪郭のないあやふやにしてしまって

　翼をはやしたり薔薇を咲かせた

　本来のじぶんとおぼしきすがたになる以前に

　そもそもからして

　エビやカニですらもなくなってしまうことだろう

　そんな輪郭のないあやふやが

　翼をはやしたり薔薇を咲かせたものなんかより

　かたい殻(から)にとじこめられつつも

　めいっぱい腕脚(てあし)を動かしてるほうが

　ずっときみらしいし

　自分の纏(まと)った殻(から)のかたちだって

　りっぱな自分らしさのひとつだよって

　ぼくはそう思うんだ

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　カニは食べにくいので、エビ派！