夏から秋の俳句(2022)
マイルドな表現にしていますが、食事時、ご注意。
『人酔いの 祭り嫌いも 百までか』
小学生の頃、バス遠足に行きたくないと泣いて懇願したことがありました。
どんな大変な課題を出されても良いから、頑張るから、遠足を休ませて欲しいと。
バスに酔う。人混みに酔う。粗相をして周囲に迷惑をかける。
なんとも難儀な子供でした。
「気の持ちよう」「おしゃべりをしていれば酔わない」「大人になれば自然と治る」「甘ったれてるだけ」
「お願いだから、これ以上困らせないで」
親と先生に説き伏せられ、結局、遠足を休むことはできませんでした。
大人になり、自動車の運転をするようになって、本当に車やバスには酔い難くなりました。
嬉しかったけれど、あの時の苦しかった自分が否定されたようで、なんだか悔しいとも思いました。
人混みに酔う方も、成長とともに改善してきましたが……。
こちらは車酔いよりももっと、他人から白い目で見られました。
「お前の見た目で繊細ぶってもなぁ」「(具合の悪いふりをするほど)来たくなかったなら、そう言ってくれれば良かったのに」
物理的、状況的に、長時間逃げられない人混みが、今でも一番怖いです。
子供は祭りにはしゃぐもの。
子供は遠足が待ち遠しいもの。
そんなあたりまえに苦しんだ子供時代。
私の中には今も、難儀な子供がいるのです。
『田凪ぐ朝 微睡む稲と コンバイン』
朝、風がピタリと止みました。
時間が止まったように、いつもは風に波打つ田んぼの稲穂がソヨリともしません。
時々こんな日があります。
まるで海辺の朝凪のよう。
朝凪とは、海風と陸風が変わる時間に、ピタリと風が止む現象のこと。
夕方だと夕凪ですね。
重そうに垂れた稲穂が静かに並んでいる様子は、遊び疲れた子どもたちが頭を寄せ合って居眠りしているようにも見えました。
広い田んぼにズラリと並ぶ稲穂が全部居眠り中の子供達だったら──と想像すると、思わず笑っちゃうくらいの壮観(?)だなぁ。
機械を入れる準備は、もう済んでいます。あとは、コンバインを乗り入れるだけ。
もう少し日が高くなったら、大きくリズミカルな機械音とともに稲達が次々に起こされ、雀も飛び交う、にぎやかな1日が始まります。