表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代魔法の研究マニア(仮名)  作者: エオガノ
2/2

1話

かけ足で書いてきます

 魔法は結局のところ幻想だった。あのニュース以来魔法は僕たちの期待を裏切り続け新たな発表がある度に肩を落とす。ネット上でしかまだ魔法を僕は見たことがない。

 それが高校二年の春の世界だった。


 端末で動画サイトを見れば魔法系投稿者が様々な事を語っているもこの目で見るまで使えないのだから魔法を見たことがない僕にとっては夢物語だ。

 山奥や秘境という訳でもないし周りが緑に囲まれてるでもないけど都会に比べれば比較的田舎な僕の街では魔法をお目にかかるなんて事は滅多にない。有名な芸能人だって年に一、二回来るくらいで、魔法なんて僕らは一生見ることは無いんだろうなぁと思っていた。

 そんなある日、最近僕の学校に転任してきた美術の先生が授業の合間に魔法を披露してくれたのだ。

 産まれて初めて魔法をこの目で見た僕はその光景を目に焼き付けるようにじっと見ていた。クラスのみんなが騒ぐ中ただただ心を奪われ心臓の鼓動が強くなるのを感じながら噛みしめていた。

 魔法は電子指導操作器という小さなものをほんの数秒間数センチ宙に浮かせるものだったが、魔法なんて一度も見たことがない僕らの学校ではその日から学校中が大騒ぎになるには十分すぎる。瞬く間にその話は広まり学校集会になるまでの騒ぎにまで発展し挙句には魔法を披露した先生はこっぴどく怒られてしまった。最終的には後日改めて学校の全員に魔法を披露するという形で話は収まった。これは学校に直接来ていない生徒への配慮だ。


 それから1ヶ月後、もちろん学校では魔法が流行ったが既に落ち着き始めている。

 魔法習得の難しさはみんな十分知識としては入っていたが実際にやると絶望的な難易度を体感し、ほとんどが挫折してしまっている。僕も必死に練習してみたが魔法の発動すらできずさっぱりだ。

 魔法を使える人はクラスの人気者になっていてそれぞれが教え合っているようだ。そして魔法を使えるグールプなるものができていた。

 当然というのも悲しいが友達の少ない僕はそれを遠巻きに見ていることしかできなかった。できる人とできない人、才能の有無……そんな現実を目の当たりにして呆然としていた。例えそれが将来役に立たないものであったとしても幼い頃からの夢だった魔法をできる人を前にして簡単に諦め切れるものではなかった。

 それから必死に動画サイトや掲示板、SNS、ブログ、などあらゆるところを調べて情報を集め魔法の練習をした。でも、あまり成果は得られなかった。


 さらに1ヶ月後、ようやく魔法を使えるようにはなったが電子情報的破片を少しピクピクさせることしかできない。もともと重さなんて無いようなものだから空気や磁界の流れで揺れてるのと違いがほとんどなく使えているの怪しいくらいだ。クラスの魔法が使える彼らと比べると月とスッポン以上の差はあるものの僕はそれでも嬉しかった。ようやく魔法というものを使えるという事実が嬉しくてたまらなかった。体調管理からの忠告音が端末から出るほど魔法を使ったりもした。

 色々調べたところ科学的に証明できないものの魔法の脈のような役割をするものが体内に複数あるらしい。魔法を使える人々がほぼ全員そのようなものがあると証言していてそれをどうにかして魔法を使うと言うが、みんなそれぞれバラバラの意見でまとまりがない。共通しているのはその脈的な部分に力を集中させ上半身へ向けて流し手から魔法を放つというところ。

 魔法の天才たちの目がうっすらと光ることから頭部、つまり上半身へ意識を集中させる事が良いという推測と実際に魔法がそれで使えるようになったという証言が多い事からそれが魔法の基本となっているらしい。が、その上半身の中でもどこに流すかという意見もバラバラでまた複雑だ。これは僕らの学校でも同じように意見が割れている。

 現状僕は脈というものを感じ取れるくらいのもので力を入れたりとか操作するとかはあまりわからずこれ以上の事はよくわからなかった。

まだプロローグ的な所です

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ