異世界へ行く魔王様
なろう初投稿になります
史上最強の魔王が現れた。
魔王を倒さなければ、人類に未来はない。
天に選ばれし勇者たち、今こそ集い、この世界を救い給え。
「ハデスよ。魔王とは何だ?」
そう玉座に座り目の前の手下に問う
「魔王様が今、回想した通りですが?」
「そうその通り!それなのにどういうことだ!」
回想シーンの通り、物語が始まり、魔王を倒すために、勇者たちは集まった。なのに
「勇者と主人公が仲間割れし、パーティは瓦解。勇者は四天王に倒され、主人公はお前にやられた。何で、わざわざ別れるかな?選ばれしって言ってるじゃん。単純に戦力低下に決まってる。まあ神も神出し?人選ミスとかするかもしれないけどさぁ、それにしてもこの酷いよ。」と勇者や主人公だけではなく、神にもダメ出しする。
「ソウデスネ。」めんどくさそうにハデスは言う。
「では、俺の出番は?あんなにラスボス感出してたのに、最初の1ページで終わったんだけど?」
ハデスはこうなることは分かっていたが、それでも魔王の右腕として、戦わない選択はなかった。ただ、順番を守って、不運なことに主人公が弱かっただけだ。
決して、自分が悪いわけではないが、それでも魔王ディザイア様の愚痴に付き合う
「勇者、主人公に対面した時用にセリフまで練習したのに、『ここまで、よく来た!だがお前たちの物語もここまでだ!死ぬがよい!』ってさぁ。それなのに、その努力も今は悲しい思い出だ。」魔王様は腕を目にやり泣く
ハデスはため息をつき「それで、どうするんですか?」と尋ねる
魔王様は顔上げ、口元を緩めて言う
「悲しいことに、昨今の魔王は俺のように、物語に登場しなかったり、途中でチート主人公に2ページぐらいで殺されてたりと昔のような威厳が無くなり始めている『はいはい、魔王ワロスワロス』なんて巷で言われもする。」
どこの巷ですかとツッコミをいつも通り入れずそのまま次の言葉を待つ
「そんな悲しき魔王を生まれさせないために、俺は旅立ち、そして救おうと思う!と言う訳で、異世界転移するから、お前も付き合え。」
そう当たり前の用に言う。
普通に神様御用達の異世界転移を使える、バグキャラの魔王様の前に、仮に主人公が来たとしても秒殺されていたことだろう。それはそれで、時間を戻しやり直すとかめんどうな展開が待っていただろう。
魔王様は呪文を唱えると、そこに転移魔法陣が現れる
「じゃあ、ハデスよ準備はいいか?」とまだ何をする時間も取らせて貰えず言われる。
「魔王様、少々お待ち下さい。」とハデスは、魔王の間から出て、扉を閉め言う
「皆さま、こんにちは、魔王様の右腕、冥王ハデスと申します。これから始まる物語は魔王様が異世界で主人公や魔王と会いたい物語に介入する、メタメタな話です。よろしければ、少しの間お付き合いください。」
そして、彼は魔王様と異世界に行くのであった。