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少年編 01


「済まない。ここまでは予想できなかった。」

マックの叔父さんはマックとボクに謝った。


僕達は今、僕にしてみれば絶体絶命という情況にある。

マックも顔は真っ青だ。だが震えては居ない。僕もだ。

なぜなら、マックの叔父さんと一緒だからだ。

マックの叔父さんは海兵隊訓練所の所長だ。かなりの戦闘を経験し、今まで生き残って来たのだ。


僕達は高校時代の叔父さんとの鹿狩りからはじまり、何度か狩りに連れて行ってもらっていた。

最近は僕かマックにトップを任せられることも。叔父さんができると認めてくれたからだろう。


そんな僕達が、ここで音をあげることなぞできない。

僕達は叔父さんのように身動き一つせず、鹿の視界に入って鹿が警戒した時以上に全く動かず、風景に溶け込んでいた。


相手は”ひと”だ。



ーー



その日、僕はマックの家に行き、銃の手入れをするつもりだった。マックのコレクションを見せてもらう目的もあった。

マックは中古の銃を買うのが上手い。

いいものが安く出た時に思い切って買ってしまうのだ。


そこらはマックは叔父さんの影響を強く受けている。なので、良い銃を良い値段で買ってくるマックを褒める。

マックの両親は、マックのコレクションが増えても何も言わない。母親は何かいいたそうだけど、叔父さんの手前あまり言えないと言う。


確かに、学生には過ぎたコレクションだろう。しかし、その値段を聞くと、「買うしか無いな」と納得してしまう。


僕らは今大学生だ。

僕らが住んでいる街の大学に入った。

2人とも工学部。機械工学。今時?と思う者も多いだろう、けど、僕らはそれを選んだ。


マックは三次元測定器で買った銃を計測し、3Dプリンターで、銃のケースの内側を掘り出し、その上にスウェードを張る。外側の木箱を作り、自家製の化粧箱のできあがり。


古い銃の場合、ばらばらに分解し、各パーツを念入りに洗い、メッキをしてしまうことも。

SAAのかなり古いものを買った時は、ある程度使ったらさっさとメッキしてしまっていた。


「マック、君はこれを商売にするのがいんじゃないか?」とマックに言ったことがある。

「え?そうだなぁ、もう売れているしなー」

「・・・そうなの?売れたの?」

「ああ、かなり古いレバーアクション、ぼろったちかったのを直してメッキして化粧箱作って叔父さんに自慢したら、仲間にそういうの好きな者がいるから見せたい、ってんで貸したんだ。ソレっきり帰ってこなかった。が、お金が数倍になって帰ってきた。」


「・・・すげーな?」

「おう、叔父さんの営業力じゃね?」

そうなのか?


「営業力って、海兵隊ベテランのスキル、なのか?」

「あっはっは!かもなー!」

とマックは笑う。


「でも俺はこういうのも好きなんだ。」

「うん、わかるよ。きれいに掃除した後は使いたくないよな」

「なんだよなぁ、困るよな!」

「「あっはっはっはっは!」」


武器は、その機能を追求されればされるほど、洗練されて美しくなっていく。

でも使われると汚れ傷つきその美しさは損なわれる。

ダブルバインドもいいところの存在だろう。


マックのところは作業部屋があって、万力が据え付けられており、ライフルのレシーバーを分解するのに良いのだ。

広いし、明るいし、ごちゃごちゃしていないので作業しやすい。

そしてマックがいるから楽しく作業ができる。そしてわからない事などもマックに訊けば良い。


更にいいのは、この作業場では空薬莢にリロードもできる。リロードの仕方はマックに教わり、使える空薬莢を選別できるようにもなっている。やばそうな薬莢は廃棄する。自分の部屋に居る時に時間が在る時、リロード用の弾丸を磨く。バレル(銃身)に良いから。安物の弾の弾頭を磨くときもある。やらないよりやるほうがバレルに良い。


イワオが持っているライフルは2丁。22LRと30−06。両方ともミロク製。拳銃は22LRのスタームルガーのみ。ライフルを手に入れてからはライフルのみになってしまった。拳銃は使い方を体が忘れてしまわないために撃ちに行く、だけだ。一日中レンジにいて500発くらい撃つ。グローブをしているので手はどうにか大丈夫だ。


「撃つ時はとことん撃つのがいい。一日中撃てるだけ撃つ癖を付けると、良いぞ」

と、マックの叔父さんが言ってたことあった。だから2人共そうしている。

ただ、30−06は弾の値段が安くない。ジャンクもどきの弾を大箱で買ってもそう安いという感じにはならない。

なぜなら、22LRは箱で買うとものすごく安いからだ。

どうしてもそれが基準になってしまう。


「安い弾を使ってもいい、けど、できるだけマシな弾を使うほうがいい。そして仕上げは良い弾を使ってサイトを調整すること」

とも言われたので、最後に良い弾を1箱使って最後の最後に調整する。


30−06を一日中撃つと、肩がしぬ。パットあててもしぬ。なのでほどほどでやる。ぎりぎりやばい程度にどとめ、2−3日で回復できるくらいにしておく。

それでも、月1度はレンジにそれをやりに行く。

バイト代もほとんど弾の購入費に消えている。


そうそう、僕は大学に入ってからバイトをしている。

スクーターを使った配送のバイト。店のエリア内ならだいたいもう何がどこにあるのかくらいは知るようになった。

配送という仕事の特性上あまり他の人と話さないが、たまに店の前で休んでいると他のバイトと話すこともある。皆良いひとだ。いろいろ教えてくれる。

いい人に会うと、こっちに来て良かった、と思う。


大学の入学時、父さんが来てくれた。

そして「よく頑張ってきたな」と褒めてくれた。

嬉しかった。


先生はどうしているのかな?と、マックと雑談しているときに話に出た。

その後マックが叔父さんに聞いてくれたようだが、「作戦なので言えない。わるいな」とだけ言われたという。

「作戦で出ているということも、本来は機密なのだけど、言ってくれたんだ。」

とマック。


言われてみればそうだろうとわかった。先生の所属部隊が作戦行動をしている、ということがわかってしまうのだから。

まぁ、僕らは先生がどこに配属されたのかも知らないけど。



その日の午後、僕らが作業の合間に休憩していると、叔父さんがマックの家にやってきた。そして僕らのところに来た。


「今度、他の狩場で他の獲物を狩ってみないか?」


ーー


獲物はクマのはずだった。



僕達は地元の街からカナダのカルガリーに飛行機で飛んだ。

そこで叔父さんがレンタカーを借りて、マックと僕も乗り込んで南に向かう。

西側には遠くに山脈が走っていた。


「あその山に入るぞ。ムース(ヘラジカ)と熊が居る。ムースはのんびりしていると言ってもやはり鹿だ。群れのリーダーは警戒心は強い。1マイルとは言わないが、600−800ヤードくらいは覚悟しておけ」

と叔父さんは運転しながら言う。


僕とマックも免許を持っている。交代しますと訊くが、まだ良い、とのこと。

確かに僕らはまだあの街と、精々ロスアンジェルスくらいまでしか運転したことはない。

僕は週に一度、ロスの道場に通っている。その時位しか運転をしない。


夕方遅くには小さな町のモーテルに着いた。

こっちも自動車社会なので、余程の街中以外では宿はモーテルだ。

シャワーを浴びて宿の食堂で夕食を食べ、さっさと寝る。


翌日夕方に、叔父さんは狩場の入り口にクルマを停めた。


「ここから2日歩く。そこが狩場。獲物はデカイはずなので、2−3頭まとめ、ヘリを頼む。冬だとスノーモビルで楽なのだがな。」

スノーモビルを置いて、そこを中心に狩るそうだ。で、獲物が獲れたらスノーモビルまで戻ってモビルに乗ってきて獲物を運んでいくという。後ろにウインチを積んでいるスノーモビルだという。谷に落ちた獲物も引き上げられるとのこと。


寒そうだが、それはそれで面白そうだ。

夜寝るのは雪でイグルー作るんですか?と聞くと、人手が在るからやってもいいな、と叔父さん。

通常、雪を掘って断熱シートを敷き、カバーを掛けた寝袋で寝るだけだそうだ。あまりおもしろくなさそうである。

イグルーのが断然面白そうだ。


僕達はクルマで一泊して、翌朝から徒歩でほぼ南に向かった。

山に入って登る。日本の山のようなきつい傾斜の道ではないのが助かる。

荷物は水筒、寝袋、ポンチョ、幾分の食料、銃と弾薬。

叔父さんはソレに加えて無線と救急キット。


食料の大半は現地調達で、燃料も現地調達だとのこと。枯れ枝などだ。実戦ベテランの海兵はサバイバルもベテランなのか、狩人としてのスキルなのか。


山に入ってから2日目の夜。

僕らはうさぎ2羽を食事にして食べていた。

うさぎは30−06弾ではぶっとんでしまう。なので叔父さんが22口径の拳銃で狩った。腰だめで60−70ヤード離れたうさぎを撃つのだ。恐ろしい。


マックと「恐ろしい!」と言い合っていたら、

「何言ってるんだ?お前たちもできるようになれよ?戻ったら特訓してやる」

と、昔鬼教官だったらしいお方に言われてしまった。


うさぎはうまいけど、食事はウサギ肉か山鳥の肉だけ。

朝と昼は軽く干し肉だけ。夜は昼間に狩ったうさぎか鳥。そろそろ飽きてきた。


途中、一度だけ叔父さんが小ぶりの木の根本を掘り、根っこの先を切り取って服で拭いて土を払い、

「まず口の中で唾液で洗うんだ、1−2度できれいになる。つばは吐けよ?で、かじってると味が出てくる。」

と、僕とマックに渡してくれた。

叔父さんは根っこを加えて口の中で洗ったらしく、つばを吐いていた。

僕らも真似した。

かじりながら歩いているとあまり疲れを感じなかった。味は、ほんのりニッキみたいな香りがしたかもしれない?程度だった。



「明日からすぐ狩場だ。もう寝なさい。私は少し見てくるので気にしないように。」

僕とマックは??だったが、叔父さんの言うとおり気にしないで寝る。マットを敷いてその上に寝袋を敷いて潜り込む。

季節は秋に入っているので虫はあまりでなくなっている。




「ワオ、マック、起きろ。すぐに撤退する。寝具を畳め音を立てるな。」

という叔父さんの声に起こされ、なんだかわからないが、シュラフとマットを手早くまとめる。

銃とバックパックを背負ったときには叔父さんはもう来た道のほうに居た。


暗闇の中ライトもなしに歩く叔父さんの微かな影を追って僕とマックは急ぐ。

足を高めにあげて木の根や石に蹴躓かないように。

でもできるだけ静かに歩くことはもう身に沁みついている。獣は音に敏感で逃げてしまうから。


叔父さんが停まった。僕らも今の位置で停まる。叔父さんが手の平を下に向けて下ろす。しゃがめということ。

ゆっくりしゃがむ。早いと見つかりやすから。獲物に見つかったらもう狩りはおじゃんになる。


そして、叔父さんの手が左側を指し、行けと。

茂みの音をなるべくたてないように潜り込む。もっと奥と指示。

更に奥に入った時、叔父さんもすぐ横に来た。


叔父さんの緊張が僕達にも伝わる。石の様に動かないのがよかろう。


ほどなく後方から灯りが見えてきた。

ライトを手に持った者達5−6・・、5人だ。ライフル?M-16を抱えた者達3名。拳銃と懐中電灯を持った者が2名。


なぜこんなところに?

だが、見つかったら死ぬということはわかった。僕らがバックからライフルを出す間も無く蜂の巣だろう。

あの者達は、まず撃つ、それから誰何するタイプなのはすぐにわかった。


奴等は僕らの前を素通りして先に進んでいった。光が見えなくなった頃、叔父さんが済まないと言ってきた。

マックも僕も何も言わない。今は話している場合では無いということくらいわかる。


と思ったら、そのすぐ側でいきなりピーピーガーガーと音がし、話し出す声が。

ライト無しで、前の集団に続いている集団があったのだ。気が付かなかった。

叔父さんが動こうとしなかったのは、これだったんだ。


前のライトを持った者達は囮でもあるのか。

かなり悪どい奴等だ。

最初の者達がやられること前提で動いているのだ。


第二の集団がやはり先の方に行き、気配がなくなる。叔父さんはゆっくりかがみながら後ろのほうに向かう。

僕も叔父さんの後ろに続き、その後すぐにマックが続いた。


谷を避け、山を上り、低い稜線に出たら稜線を少し歩き、向こう側に降りる道を選んで降りていく。

その頃には東側に見える山の稜線が明るくなっていた。


昼にはクルマも通れるような山道に出る。


山肌からちょろちょろ水が流れる所があり、そこで休息になった。

やっと水が飲める。水を飲んで干し肉を噛み、水が減った水筒に水を補給する。


「ここはカナダ側だ。昨晩の場所は少し行くと米国側になる場所だった。勿論狩場としてはなかなか良い場所だったが。」

「今はマンハントに?」

僕の口が勝手にそう言っていた。


「・・すまん。これは機密なのだが、今更だ。向こう側には違法組織の拠点が在る。軍の中にもそれを良くなく思っている者も少なくない。私も許しがたいと思っている。CIAの配下の南米の組織だ。だから軍もFBIも手を出していない。上の方で話しが着いていると。」


「麻薬か、、」マック

僕達の街はアメリカの中米の入り口になる。メキシコを越えると中米。そこと、カリブ海。その2方向からそういう違法のモノが北米に入ってくる。

南米がCIAの裏庭だということは、僕らの街の者であれば常識だ。

アメリカの裏庭という言い方をされるが、「心外だ!」と憤る米国人も少なくない。「あれはCIAと多国籍企業のものだ」と。

そういう者達は心から「国境を完全に閉じてしまってもよいくらいだ」と思っている。

僕らの街は多国籍企業に依存していないのだ。

また、CIAのなんぞ軍の敵だと思っている者達も多い。上層部以外はほぼ全てではないか?と言う者もいる。


南米からそのまま北上ルートは、今は現場の警官や軍人達によってかなり警戒されており、今までのように軍の輸送機など自由に使えなくなっている。地上ルートの運び屋もほとんどだめだ。

そしてこの迂回ルートを作っていたことが最近発覚したとのこと。


海からカナダに入り、そこから裏のルートで米国のカナダ側拠点に。そこから米国内に拡散される。

昨夜の場所も、その拠点の一つだという。


「じゃ、カナダの上の方も?」マック

「カナダ現政権も承知の上だ」

「「・・・・・・・・だめじゃん」」マック、僕。


「実際に目で見たのは俺が始めてだ。なのでカナダ側の国境警備に報告しなければならない。悪いが今回の狩りは・・」

「はい。また今度でいいです」僕

「ああ、国の一大事だからな!」マック


それから叔父さんは無線でどこかを呼び出し、とるにたりないような雑談をしていた。

無線を切ると、

「さあ行こう。この先に小さい村があり、それを過ぎると森林伐採場があり、そこに小さい作業用ヘリポートがあるという。そこに迎えが来る。」


僕もマックも「?????」

叔父さんの無線の話は僕らには聞こえていた。が、そんな話を全くしていなかった。

そんな僕らの顔を見た叔父さんが

「俺達には俺達にしかわからない会話方法があるんだ」

と笑いながら言った。


ーー


カナダ国境警備隊駐屯地。


そこでブリーフィングが行われている。

もろ部外者な僕とマック。

叔父さんの知り合いの警備隊の人も、叔父さんも、僕らをここから追い出さない。居て当たり前のようなそぶりだ。


与えられたパイプイスに座って黙って聞いている。


要点は

違法に越境してカナダ側に入ってきた。

ということだった。


ひょうたんからコマ?とでも言えばいいのだろうか?

災い転じて・・かな?

とにかく今まで手を出せなかったのが、

手を出しても仕方がない場面

にできるようになった、のだ。


武装した違法越境者の集団を追いかけていったら少し国境超えてたけど、しかたないよね?米国側が全く取り締まらないんだもん!

ということで行ける!と。


カナダ側は武装ヘリも用意するが、最初からそれだと狙っていたのがモロバレなので、基本的には国境警備の地上部隊のみで行う。

敵の拠点は徹底的に潰す。

捕虜はなるべくとりたくない。

一人も取り逃すな。


ということになったようだ。


(捕虜を獲らないで、一人も取り逃がさない、ってすげーな?)マック

(うん、やる気まんまんだな。かなり鬱憤溜まっていたのかな?)僕


「ああそうだ。奴等一応合法的にこっちの街にも入ってくるんだ、しばしばな。チンピラだ。しかも俺らが気づかない所で薬もさばいていやがる。ゴキブリは一匹でも残すと大変だというだろう?」

と、一番僕達の側にいた国境警備隊の兵が教えてくれた。


ブリーフィングが終わりに近づいた時、

「お前たちは何かあるか?」と叔父さんが僕達に声を掛けてくれた。

僕とマックは顔を見合わせ、頷く。

「俺らも連れて行って欲しい」マック

「お願いします」僕


おじさんは隊長を見る。

「いいのか?」

隊長は叔父さん聞く。

「ああ、ただし最後尾のすぐ前に」

殿に守ってもらえ、ということだ。


「すみません。お世話に成ります」僕

「なるべく荷物にならないようにするから」マック



国境警備部隊でも、ここの隊長の部隊だけは常に即時対応できるようにしているそうだ。

あの拠点ができてから。

なので、今日もすぐに出発できる。


侵入は昨晩僕達が降りてきたルートを通る。

僕達が入ったルートは昨晩奴等は捜索していた。なのでそこを警戒してるだろう、とのこと。


夕方にヘリであの伐採場に入り、そのまま尾根超えして明け方近くに現場到着、夜明け前に襲撃すると決まった。


30人ほど。ヘリ2機。


「あの村から奴等の方に連絡行きませんか?」

何気に勝手に発言してしまう。


ああ、という顔の隊長。

「そう思うのも無理はない。が、それだけはない。あの村は俺の実家の村だ。全員顔見知り。裏切りそうな者もいることはいるが、監視されている。俺らがあそこに着く頃にはそいつは監禁されているだろうよ」


だから余計頭にきているのか。そうだろうとも。自分の地域に麻薬バラまかれちゃ、生かしちゃおかない、と思うのも無理はない。


駐屯地の前庭にもう2機のヘリは待っていた。


「とんぼ返りだな。」マック

「そうだね。でもなんか楽しみだ。」僕

へぇ?という顔でイワオの顔を見るマック。


僕らは自分のがケースを背負った。パックパックは持っていかない。

弾薬と水筒のみ。


ーー


そらが白んできた。

すぐ前に掘っ立て小屋の群れ。煙突がないので精製済みのものを持ってきてるのだろう、と叔父さん。

こちら側の部隊は2つに分けられ、僕らが居る北側と東側に陣取った。

装甲車両などは見えない様子。周囲は鉄条網を張った杭に取り囲まれ、人や獣の出入りを制限できればいい程度のものでしかなかった。何箇所も音もなく簡単に切断されていた。


叔父さんが腕時計を見つめ始めた。

作戦開始カウントダウンか?


こちらの指揮をとるのは国旗ょ警備隊副隊長。

彼が手を高く掲げた。

指、5,4,3,2,1,腕が振られた。


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