狙われた命
初投稿です。
お手柔らかにお願いします。
「ーーーレイル様っ、逃げてくださいっ!ここは私がっ!!」
僕は鬱蒼とした森を、右も左もわからず、ひたすら必死に走った。
高い草木を手で掻き分けながら、一心不乱に走った。
顔や腕に傷が付いていくが、そんなことは気にしていられない。
後ろからは自分の命を狙った何者かが迫っているのだから。
前日の雨で足元がぬかるみ、思うように走れない。
やっと高い草木の視界が晴れたと思えば、そこは崖になっており、雨水で水嵩が増した川が、ごうごうと音をたてて激しい勢いで流れていた。
護衛は無事だろうか。
先程、自分を逃がしてくれた彼はかなりの手練れだが、さすがに複数人の相手をして無事とは考えられない。
それに追手の中には、魔導師も含まれていた。
だからといって、この先には進めないし引き返す事も出来ない。
手首にある腕輪を外そうとするが、ピッタリとはまったそれはびくともしない。
「くそっ。」
ガサガサッ
後ろの茂みが大きく揺れる。
すると、人相の悪い大柄の男達が、厭らしい笑みを浮かべながら肩に大振りな剣を担ぎ迫ってきていた。
「さぁ、追いかけっこは終いだ。お前に恨みはないが、ここで死んでもらうぜ。」
「こんなガキ一匹始末するだけで、明日には大金持ちだ。こんな楽な仕事はないぜ。」
「恨むならお前の親を恨みなっ。」
今の自分に、この追手達を退けることも、撒くことも不可能であろう。
ジリジリと迫る追手に、一歩後退りをした。
すると、雨で地盤が弛んでいたせいで、足元が崩れ落ち、体が宙に浮く。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ。」
真っ逆さまに崖から滑り落ち、茶色く濁った濁流に飲み込まれた。
「しまった!おい、お前飛び込め。」
「無理だって。こんな濁流に飛び込んだら、自分の命もあぶねぇだろうが!」
「始末した証拠を持っていかなきゃ、報酬はもらえないぞ!」
「まぁ、この流れで生きられるはずがねぇ。証拠はないが、始末した事にはかわりないだろう。」