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第1章 第8話 「幼き当主たち」

20201013公開




 僕が率いる事になる第7-L-L-L班の集合が完了したのは1千脈セク(約17分)後だった。


 班長を意味する伍長が僕、エルリング・ヴィストランド/WSR4等士(9歳)。

 班員は、エッベ・ロディーン/RDIN5等士(32歳)、ヘンリク・シーンバリ/SMBR5等士(36歳)、マッツ・ダニエルソン/DNSN5等士(18歳)、アイナ・バリエリーン/BREN5等士(9歳)の4人。

 それと班運用を円滑にする為の僕の従兵が、オーケ・C・WSR(38歳)、ヴェイセル・B・WSR(30歳)、トムス・A・WSR(9歳)の3人だ。

 合計8人で1つの班を構成する。

 班が2つと指揮を執る3等士で1個小隊になって、更に2個小隊と指揮を執る2等士で1個中隊、2個中隊と指揮を執る1等士で1つの隊になる。1つの隊の総勢は貴族階級47人に従兵が134人で合計181人になる。

 これが25隊だから、4525人が皇主様に仕える譜代の直属戦力となる。

 夢で得た知識からするとかなり少ないのだけど、『北土戦役』以降はこの数字は変動していない(ペーデル家と入れ替わりのように家格を落とされた家が有るが落とされるに足りる理由が有った)。

 魔術が使えるかどうかで戦力が大きく変わるから、対将家という内向きの有事だけを考えれば、これでも良かったのだろうけど…


 ちなみに譜代の士家とは別に、更に1代限りの補士と補兵で構成される補隊が加わる。

 こちらは、家を継げない士家や従士家や従兵家の次男三男以下が仕官している集団だ。

 俸禄は安いし貴族でもない。

 だが、それでも皇主様に仕えるという点で庶民とは一線を画す。

 譜代の隊の4倍に当たる100隊だが、従兵が居ない分1隊当たりの人数は50人とかなり少なくなっている。

 当主になってから知ったけど、その実力はかなり高い。

 なんせ、実力主義の上にみんなの出世の意欲も高いから自然と強兵になる。

 接近戦に関しては譜代の隊よりもむしろ上じゃないかな?

 それに常備軍に近いから、譜代の隊より連携も上だ。

 簡易型でも良いので『エクスカービン』を使えれば、士家隊など要らないかもしれないね。

 

 

 班の全員が揃ったので、直属の上司の所に向かう。

 と言っても、ほんの少し歩いただけで到着だ。

 僕の班と対になる第7-L-L-R班の班長はガスの父親のゲイルさんだけど、先に集合を完了して待っていてくれた。

 小隊長はブルーノ・ブロムステット/BLS3等士(22歳)だった。

 小隊全員が揃ったので、今度は中隊長の所に向かう。

 中隊長はカール・グルブランドソン/GR2等士(17歳)だった。

 更に中隊全員が揃ったところで、第7隊隊長の所に向かった。

 第7隊隊長はラッセ・ヨンセン/JN1等士(13歳)という若い隊長だった。

 JN家の若き当主は出来者という噂だったけど、第一印象はその噂が正しいと思わせるものだった。

 彼の方も「神童」と呼ばれる僕には好印象を抱いたようだ。

 最初は警戒心と探りを入れるような視線だったけど、最後の方ではその辺りの色が無くなっていたからね。



 見るともなしに見ていたが、僕と変わらない年頃の子供も結構の数が居た。

 当主が若くして死んだり、怪我や病気で参陣出来ないから仕方なく代替わりした士家も有るだろうけど、さすがに多過ぎる気がする。本当は召集に応じられるけど幼い我が子を差し出したのかもしれない。子供なら危険な部署に配置をされないだろうと考えて、だ。

 もしもそうだとすれば、この国は平和が続き過ぎて本当にボケてしまっているのだろう。

 アイナの所もそうかと疑うと、ちょっとやりきれないな。


 それに、第7隊の平均年齢が他の隊よりもかなり若い。

 敢えて若い士家当主を集めたかのようだ。

 戦力面だけでなく、経験不足や未成熟な精神に対しても不安を抱くしかない。



 いや、まあ、9歳の僕が言うセリフでは無かったな。



 

お読み頂き、誠に有難うございます。

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