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第二の人生はゲーム世界で  作者: 一 咲也
転生先はオンラインゲーム
59/67

第五十二話

本日四話目の投稿です。

二時間後。

解散した場所でリアは狐が戻るのを待っていた。

だが、三十分経っても狐が戻る気配はない。


(探しに行く…?いや、でも、行き違いになったら面倒だし…)


もしかすると時間を忘れているだけなのかもしれない。そう考えたリアは、フレンドのチャットにメッセージを入れてもう少し待ってみることにした。

しかし、さらに三十分経っても狐が現れることは無かった。


おかしい。


どう考えてもおかしいのだ。さすがに一時間待ってもなんの音沙汰もなく来ないなど流石にあるわけがない。

なにかあったのかもしれない。

そう判断したリアは、念の為、移動することをチャットに書き込んでから行動を始めた。

近くにいた人や店の人に聞き込みをしつつ狐を探す。


狐は案外近くにいたようで、そこまで時間をかけることなく見つけ出すことができた。

だが、狐の目撃情報の現場に向かったが狐の姿は見当たらない。人が多すぎるのだ。広場の中心では騒ぎがおきており野次馬のような人だかりが多く進めない。


(あーもう!)


イラついたリアは羽衣に風魔法を通し飛翔すると、騒ぎの中心へと降り立つ。

案の定そこに狐がおり、治安兵よりも少し豪華な鎧に身を包んだ兵士と対峙していた。


「だから俺は関係ないやろ。護衛で居合わせただけやし、盗賊なんてしとらん。」

「だがあれは、かなり手強い盗賊で騎士団ですら手こずっていたんだ。裏で取引をして報酬を山分けしようとしていたようにしか思えん。」


どうやら盗賊の事で揉めているようで、リアは頭痛を覚えて頭を押さえた。


(めんどくさいにゃあ…)


そう思ってもリアが出るしかないのは変わらない。なぜなら全てリアが捕らえたのであって狐は見ていただけなのだから。


「狐。何してるのにゃ?」


愚問であるが、割って入るには丁度いい。

狐はリアの方へ振り向くと、待ち合わせ時間になっても行けなかった事を申し訳なさそうに謝った。


「で、誰にゃ?コイツら。」


少々苛立って口調が崩れる。

すると、リアの疑問に先程受け渡しをした治安兵が口を開いた。


「コイツもです!コイツも盗賊を連れてきた際同行しておりました!」


その言葉にリアの表情が怒りで陰る。

あまりいい雰囲気とは言い難い。


「俺は王国騎士団のヨシュアだ。正直に話せば罪は軽くしてやる。お前もコイツと同じで盗賊の仲間なんだろ!」

「言ってる意味が分からないにゃ。どうしてみゃー達が盗賊の仲間にならなくては行けないのに?盗賊を捕まえて突き出したらお前も仲間かって、頭のネジがおかしいと思うにゃ。」

「ふざけたことを抜かすな!騎士団でも捕まえれねぇ盗賊を、どうして商人の護衛ごときが捕まえられんだよ。」


本当に訳の分からない主張に、リアはさらに声を荒らげる。


「ふざけたことはどっちが言ってるのにゃ!?騎士団が捕まえられないのはそっちが弱すぎるからにゃ!みゃーにケチ付ける暇があったら1分でも長く剣を振ればいいのにゃ!」


本当は、盗賊が弱そうな荷馬車しか襲わないため尻尾を掴めなかっただけなのだが、わざわざ教える筋合いもない。

だいたい騎士の癖にこの態度はおかしすぎる。普通何があっても丁寧に対応すべきなのだ。


「まあいい。かなり前に副団長を呼んだからそろそろ来るだろう。副団長の前では誰も嘘はつけない。見抜かれるからな。」


勝ち誇った笑みでヨシュアはそう告げた。

だが問題ない。嘘が見破られるのであれば尚更無実と証明できるのだ。

問題はその副団長とやらが嘘も本当も関係なく決めつけるような輩だった場合だが、もしそうなってもリアが力を示せばなんの問題もない。

しばらくして、野次馬や治安兵を掻き分けて副団長と呼ばれる男がやってきた。


「副団長。先程お伝えした通り、こちらに盗賊の仲間がいるのですが、本人達は一向に否認を続けておりまして…」


騎士団の中ではリア達は盗賊確定のようで、リアはさらに顔を歪ませた。

しかし、男の顔を見た次の瞬間。リアはこの上なく嬉しそうな笑顔に変わり副団長と呼ばれた男の名前を呼んだ。


「ガルス!!!!」


喜びが収まらずに軽い足取りでガルスの元へと近ずいていく。

リアの存在にガルスも気がついたようで、おお!と一瞬で笑顔になった。


「嬢ちゃんじゃねぇか!」

「久しぶりだにゃ!元気にしてたかにゃ?」

「おうよ。スキルのおかげかどんどん昇格しちまってよ、今じゃ王国騎士団の副団長よ。」

「凄いにゃあ。でもガルスならそうなると思ってたにゃ。」


そう和気藹々と話す二人の会話を遮って、困惑しつつも質問する者がいた。


「あの、副団長。お知り合い、ですか?」

「ああ。嬢ちゃんはリア。知り合いの冒険者だよ。」

「ですが、この少女は盗賊の仲間では…」


ヨシュアのリアの呼び方がコイツから少女に変わったのは、無意識にコイツと呼んではいけないと判断したためだろう。

だが盗賊の仲間という妄想はどうしても取り除くことが出来ないようで、抗議を続ける。

それに対しガルスは呆けた顔をした後笑い始めた。


読んでくださりありがとうございます。


次話の投稿は未定です。多分明日には…投稿できる…かな?

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