閑話 episode狐
一人称苦手だ(泣)
読みにくくてすみません。後でかなり文章直すかもです。内容は変わりません。
本日二話目の投稿です。
俺は生まれた時からそこそこエリートの部類やった。
学校での成績はいつも上位。そこそこいいとこの大学に進学してそこそこいいとこの会社へ就職した。
だからこそ、普通というものを知ってみたかったのかもしれない。
入社1年目、仕事帰りに見かけたフルダイブ型オンラインゲームという世間を騒がせているゲームになぜか惹かれ、その場で購入した。
お世辞にも安いとは言えなかったが、それでも、やっていて面白いと思えた。やけど、それは最初だけやった。
プレイヤーのほとんどは無職やバイトの落ちこぼれ。ただ作業をこなすだけで、戦術を考える者がほとんどいなかった。そのゲームを前々からずっとプレイしていたであろうプレイヤー達も、始めたばかりの俺でも倒せるような奴らばっかやった。
何も考えず、レベルだけで強さを図るから初心者に負けるんや。
俺のプレイヤーを見る目は、相当冷たかったと思う。
それでも、くだらなくとも時間を潰すのにはちょうどよかった。
そんなある時や。いつも通りプレイしていると、とあるプレイヤーに声をかけられた。そいつは将来、悪い意味で俺の人生を変えるやつやった。
俺は興味本位で、そのプレイヤーの経営するギルドに入り、いつしかギルドの頭脳と呼ばれるようになっていた。俺が作戦を考え、ギルドメンバーが実行するようになってから、ギルドは1度も負ける事がなく、トップギルドにまで上り詰めた。
トップになってしまったから、性格が変わってしまったのだろうか。
メンバーは自分達は失敗しないと思い込んでいた。失敗しなかったのは、俺の入念に練った作戦があったからのはずなのに。そいつらはいつしかリアルでも会うようになったらしく、色々やらかしては周りに迷惑をかけていた。
本当に気持ち悪い。頭脳が無いくせにあると勘違いしてイキっている奴らが俺は生理的に受け入れられなかった。
そんなある時や。ハイレベルのクエストがギルドへ舞い込んだ。俺は完璧に作戦を考えて渡したんに、あいつらは受け取らんかった。
そして、クエストは失敗に終わった。
犠牲者はクエストに挑んだメンバー全員。
そのゲームは一度死んだら二度と復活が不可能。俺の作戦を聞かんかったから失敗したんや。自業自得。そう思っていたら、残ったメンバーの口からとんでもないセリフが発せられた。
「お前のせいで負けたのに、なんでお前だけ残ってるんだ」
正直、そいつが何を言っているのか理解が出来なかった。成功したら自分の実力。失敗したら他人のせい。
馬鹿な奴らには付き合っていられない。
そう思った俺はその場でギルドをやめた。
荷物をまとめ、拠点を去った。
その夜。あのギルドがクエストに失敗し壊滅したという情報が流れたのか、ライバルギルドが一斉に押し寄せ、ギルドは解体された。
俺は全く関係ない。関わりたくもなかった。
なのに、周りの奴らは違ったんや。昨日まで仲間だった奴らが、俺が情報を売った裏切り者だと責め立てた。
その噂は一瞬で広まり、プレイヤー全員が俺を裏切り者と罵った。
つまらないゲームで、つまらない奴らに断罪される。
俺はそのゲームを開きたくなくて、押し入れの奥へしまった。
そんな時に見つけたのがこのゲームや。
あれから俺は仕事をやめてこのゲームに熱中した。あの時の事件を知っているプレイヤーも多くいたが、そんなもん気にならんほどに面白かった。
それに、やっていてよかったと思える奴らに出会った。黒羽は、噂など所詮噂なのだから気にするなと俺に言ったんや。俺は、黒羽とならパーティーを組んでもいいと思えた。
攻略組の遠征当日。
面白い奴がいた。リオと名乗った少女は、パーティー登録をしたくないっていったんや。普通ならついて行くだけで経験値が貰えるんなら喜んで登録するはずや。
ほとんどの参加者が経験値目的で参加している中、リオは自力で強くなりたいのだと言った。
あとから名前がバレないようにするためだとわかったんやが、そん時は注目するんには充分すぎた。
二十階層ではぐれたと知らされた時、俺はどうかしていたんやと思う。冷静に判断せずに、助けに向かうことを選んだ。見捨てるのが正しいと分かっていたはずなのに、適当な理由をつけてむかったんや。
あの時、無事合流出来たのはリアのおかげや。
そして、三十一階層で俺の秘密を明かした時、歯車は回り始めたんやと思う。
リアは自分の秘密を明かしてイタズラをしたように笑った。
あれから何時間が経っただろうか。
今、リアは俺の膝を枕に眠っている。無防備すぎて不安や。
_他の奴らにも、こんな姿を見せてるんやろか?
俺は、それがどうしても嫌だと思ってしまった。
妹が出来たら、こんな感覚になるのかもしれない。無防備に眠る存在が愛おしく思えて、俺はそっとリアの頬を撫でた。
読んでくださりありがとうございます。




