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第二の人生はゲーム世界で  作者: 一 咲也
転生先はオンラインゲーム
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第四十一話

本日二話目の投稿です。

「という事だから、よろしくにゃ。」


説明が終わったリアは二人へニヤッと笑いかけた。

これでリアの懸念することは全て払拭出来たと言っていいだろう。何かイレギュラーが起こっても、対処は二人がしたことにしてしまえばいいのだ。


「まあ、つまり周りの目を引き受けときゃいいんだろ?楽勝だろ。で、これからどうすればいい?一気に三十階層まで連れていけばいいか?」

「時間的に、そっちの方がありがたいにゃ。」


時刻はもうすぐ6時。現実世界でも同じ時間だろうし、リアも少し寝たとはいえまだ眠い。皆休息が必要なのだ。攻略組のリアルでの朝ご飯の方も、リアの睡眠の方も。

これからの方針が決定し、カインが黒羽に三十階層へ拠点を移すよう提案して、それから出発することになった。


~~~


三十階層への道のりは、一言で言えば呆気なかった。

運搬組でも着いてこれるスピードで、敵に近づかせる事無く進んでいった。今までの苦労はなんだったのかと皆が思うほどだ。


そこで攻略組は、朝食をとるためスリープモードになった?リアもデータの処理を促すために瞼閉じて意識をシャットダウンさせるのだった。


周りが騒がしくなり、リアの意識は浮上する。

どうやら少しずつ起き始めたようだ。


「起きたか?」

「カインはもう起きてたのかにゃ?」


まだぼんやりした脳を働かせて、リアはカインの方へ振り返った。


「話し方戻ってるぞ…。」

「あ、忘れてた。」


ハッとして口を指先で抑える。


「気をつけろよ?」

「わかってるよ…」


そんな他愛のない会話が久々に思え、リアはふふっと微笑んだ。リアにつられカインも自然と笑顔になる。


「そうだ、リアはこれからどうするんだ?俺らは攻略組?の付き添いで上の階層へレベリングに行くんだが、リアは運搬組だから仕事終わりだろ?」

「…リオだよ。間違えないでよね。」

「あ、」


人に注意しつつ、カイン自身も抜けている。カインは「癖だ」と言って目を逸らした。


「運搬組の仕事はこの階層の食料採取だから、ささっと回収してからこっそり潜ろうかなー?とは思ってるよ。」

「わかった。一応、気をつけろよ。あと、夕方までには戻れよ。」

「わかってるよ。」


そう話していると、攻略組が集まっている所からカインに声がかかる。

そろそろ出発のようだ。


「ほら、呼ばれてるから行ってらっしゃい。」


リアはカインの背中をトンっと押して向かうように促した。


「気をつけてね。」


そう言って手を振るリアへ、カインは笑って「行ってくる」と言い、手を振り返して攻略組の方へ歩いていった。

それを見送ったリアは自身の行動を開始する。

と言っても、ただ果物をとるだけだ。リアは階層のどこに果物があるか把握しているのですぐに目標量を取り終えてしまった。それを自身のアイテムボックスに入れ階層を後にする。

今回の目的は三十八階層のモンスターが何か、モンスターレベルはいくつかを確認することだ。

それに、三十七階層でモンスターを取られてしまったことも、階層主の事も根に持っていた。今度こそリアが戦いたいのだ。

パーティ登録をしていないためスキルは無し。同レベルの戦いができると踏んでいた。


「よし、久々のソロに行くかにゃぁ」


口角を上げ、浮足立って歩き出す。

その時リアは、遠くでリアを見ていた狐の存在に気づいていなかった。


○○○


攻略組の出発を見送った後、狐は三十階層の探索を始めた。レベリングも大事だが、三十階層を見たいと思ったからだ。

三十階層はほかの階層よりもかなり広い。

階層の端は全て崖になっており、まるで巨大な落とし穴の中のようである。木々が生い茂っており、大きな湖もあった。狐は、そのダンジョンと思えないのどかな景色にフッと口角を緩ませた。

戦い続けるのもいいがたまには休息してもいいだろう。ゲーム内でまで必死に働く必要はないのだから。

狐がこのゲームを知ったのは先行プレイヤー募集がされている時だ。その時、とあるゲームで問題ごとが起きてしまい、ログインする気がおきず暇を持て余していた。そんな時、偶然先行プレイヤーの募集を見つけて応募したのだ。


後日、当選が知らされてゲームがインストールされたサングラス型のVR装置が狐のもとへ届いた。

それから、狐はその世界に取り込まれたのかもしれない。取り込まれたというのは比喩で実際に取り込まれてしまったわけではないのだが、そのゲームの魅力にとらわれた。暇を無理矢理作ってゲームをプレイする程に、そのゲームには魅力があった。ありすぎた。

今までどのゲームでも見たことがない程の完璧なグラフィック。NPCが流暢に喋ったり動いたりしていてプレイヤーかと思ってしまったほどだ。

先行プレイできるのはたったの二日、ゲーム内での六日間だけだった。それでも十分すぎるほどに魅力があったのだ。そのゲームを非難する先行プレイヤーは誰一人としていなかった。しかもゲームタブは無料提供でレベルもそのままだと言う。狐はこのゲームを心待ちにしていた。

配信当日。周りがチュートリアルをこなしている中、狐はレベリングに時間を費やしていた。

どれだけ潜っても三位のまま。その事実がいつの間にか狐をダンジョンに縛り付けた。

仕事を辞め、全ての時間をゲームに費やしレベルを上げた。

三十階層へたどり着いた時。そんな狐は姿を消した。初心を思い出したと言うべきか、今まで見たことがないと思えるほど、狐の目には三十階層がとてつもなく綺麗に映った。

もうレベルに固執するのはやめよう。他にもこんな景色があるはずだ。ほかの世界を見たい。

そう思えたのだ。だから、狐はレベルを上げる気にならず階層の探索をすることにしたのだ。


そう。それはただの偶然。

三十階層をのんびりと探索している時、下層への階段がある方向へ歩いて行くリオを見かけたのだ。

リオはそのまま階段を下っていく。


(おいおい、危ないやろ…)


そう思った狐はリアの後を慌てて追うのだった。

少し長くなりました。


読んでくださりありがとうございます。

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