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第二の人生はゲーム世界で  作者: 一 咲也
転生先はオンラインゲーム
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第三十八話

「詮索をしないのが冒険者同士のルールだったはずだが?」


問い詰める狐を睨みつけてカインは言った。

それをレインが慌てて諌める。


「まあまあ落ち着いてください。私達は三十階層まで行ってましてね、今はその帰りだったのですよ。あなた方は?」

「俺らは、攻略階層を増やすのと、レベリング目的出来ててな。レベルが足りない奴等を二十五階層に待機させて進んでたんや。そんで、後でそいつ等を連れてとりあえずは三十階層に拠点を置いて、少しずつ上げていく予定やったんやが…このありさまやな。」


狐は自嘲するように肩をすくめた。


「そうだなぁ。確かにモンスターのいない三十階層はいいかもしれないが…まずそこへ辿り着ける位の実力がないと無理だろ。レベルが低いメンバーもいるようだし、尚更な。無謀すぎる。

別にセーフティーポイントでなくとも手分けして監視すれば、危ない事にはそうそうならない。そこで実力をつけるべきだ。」


腕うを組んで言うカインに、狐は「同感や」と言った。

それは、三人が身をもって感じていた事である。どういうプログラムなのか、実際に死なないとわかっていても死への恐怖があったのだ


「わかってんなら仲間のもとへ戻ってやり直すんだな。」


三人は黙って頷く。


「……。(返事がなくて会話を繋げにくい…)」


そんなカインの内心を察したのか、苦笑を隠してレインが三人に話しかけた。


「私達は戻りますが、あなた方はどうされますか?」

「俺らも戻るかな。ここはまだ潜るには早すぎるし、言われた通り出直すよ」

「でしたら、ご一緒にいかがですか?向かう方向が同じなのに別行動というのも違和感がありますし。」


レインの提案に三人はホッとして、瀬人が「ありがとう」と言った。

狐たちにカインとレインが加わった計五人は、二十七階層の入り口へ足を進めた。


「そういえば、今回はどこまで潜る予定なんだ?」


ふと気になったカインは、黒羽に声を掛けた。

黒羽は自分に振られるとは思わなかったのか少し固まる。


「あーっと…。一応目標はマップ未実装階層の攻略だな。今は無理だろうが、」


恥ずかしそうに頭を掻きながら言うのは、己の力の至らなさを自覚したからだろうか。


「三十九階層か…?あそこまでは俺らも行ったことねぇからなぁ。」

「そうか…」


行きたいと言えばリアは連れて行ってくれることだろう。リアはそういう性格だ。しかし、カインもレインもそれを伝えようとは思わなかった。人に連れて行って貰っては実力ではないしプライドもあるだろうと考えたのだ。だが、方法があるのに教えないのもそれはそれでそれを渋っているように思えたカインは、一応リアの存在を教えることにした。


「今、あそこ以上に行けるのは恐らくリアくらいだろ。リアに頼めば連れて行ってはくれるんじゃねぇか?まぁ、そういうのは思えらが望まないと思うが…」

「そうだな。連れて行ってもらったでは意味が無い。…その、リアってやつはそんなにも強いのか?」


カインとレインは頷く。


「圧倒的だな。文字通り、レベルが違いすぎる。」

「そんなにか…」


黒羽が呆けたように呟いた。

当たり前だ。カインもレインも気づいていないが、プレイヤーの中で最前線と言われていた攻略組よりも強い人物が突然二人も現れ、その二人をも圧倒する者がいると聞かされたのだ。当たり前の反応と言えるだろう。

実際は、パーティーを組んでいないリアに比べ、現在のカインのステータスは勝っているのだが、それを本人は気づいていないし気づいてもそれを認めないだろう。


「鍛えてもらう事はできないだろうか…それか、戦闘を見せてもらうだけでも…」

「と言うと?」

「実は、今回食料の運搬組の中にリオって子がいてな?そいつが言ったんだよ『自力で強くなりたいから最前線で戦う人の戦い方を見て覚えたい。』ってな。だから俺もそいつを見習おうかなって思ってよ。」


それはどこか二人に覚えのあるセリフだった。

無理もない。リアがカインのセリフをまねしたのだから。


「なるほどな、聞いてみるよ。」

「ありがとう。」


そう言ってからカインはリアのチャットを開いた。


ーーーーーー

『突然悪い。リアに戦い方を教わりたいって奴がいたんだが、頼めないか?』04:37


『今忙しいから無理。ごめん。(´・ω・`)』04:37

ーーーーーー


「ふっっw」


忙しいわりに返信が早く、カインは思わず噴き出した。

怪訝に思ったレインが眉をひそめる。


「どうかしたんですか?」

「いや、なんでもない。申し訳ないが、リアは今忙しくて来れないらしい。」

「リアと連絡先交換してたんですか…」


フレンド機能のチャットは、チャットと言ってもどちらかと言えばタイムラインのようなもので、呟いたものがフレンドに見える機能である。しかし、レインが確認してもチャットには1文字も書かれていなかった。


「ん?なんか言ったか?」


レインの声が聞き取れなかったカインは首を傾げ、もう一度言うように促した。


「いや、忙しいのに返信がはやいのかと思っただけです。」

「そう。それで吹いたんだよ。」


共感し合い笑っている二人と対象的に、狐達三人は話についていけずにただ黙って二人の後を追うしかなかった。


余談だが、雑談しながらもカイン達は息をするようにモンスターを倒していて三人はただ圧倒されていた。

投稿遅くなりました!すみません!


明日は休みなのでゆっくり書いて投稿できたらいいなぁ。

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