第二十六話(下)
前回の続きみたいなやつなので短いです。
ガルスを追わないよう、カインは少し遠回りをして帰ることにした。
向かったのは泉の方、リアが水浴びに行った方角だ。
ここ、三十階層はモンスターが出ないが迷いやすい。湖からかなり歩いたからかマップを見ても森の中では現在地すらわからなかった。
その為、高くて全体を見渡せる場所へ行って帰り道を探そうと考えたのだ。幸い場所が分からずともカインのいる場所からそこは見えるので問題ない。
歩いてすぐ、その場所には到着した。だが、
(あれはリアと…レイン?)
上へ登る道を歩いていたのは、水浴びに行っていたであろうリアと、湖で待っていたと思っていたレインだった。
何故だろうか、とても嫌な感覚だった。
二人は頂上に到達して、そして__
レインが笑った。とても自然に、微笑むように。
それを見たリアも嬉しそうに笑った。
その光景に何故かいたたまれなくなり、カインは踵を返し走り出した。
走って、走って、走って、目の前には湖の景色が広がっていた。
カイン達が泊まる場所だ。
「カイン?どうかしたのか?」
戻っていたガルスはもう平気そうで、普通に話し掛ける。
カインはすぐに平然そうに取り繕う。
「いや、何でもない。道に迷って慌ててな。」
「そうか。あ、そうだ、カイン。レインの姿が見えなくてよぉ。嬢ちゃんもまだ戻ってないみたいだし、帰る途中で見てねぇか?」
思い出されるのはあの光景。だがカインは咄嗟に嘘をついた。
「いや、見てないな。」
「見てない、だとすると泉の方か…。どうする。探しに行くか?」
「いや、しばらくしたら戻るかもしれないし、二人が戻って俺らがいない方が問題だろ。」
「それもそうだな。」
それから約20分後に、リアとレインは話しながら戻ってきたのだった。
次話は今日中に投稿出来たらいいな…!
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