第二十二話
翌朝。
そろそろかと思い、宿に入ってすぐの所で二人を待ち構えていると、案の定、すぐに二人は入ってきた。
二人はこちらに気づくと、申し訳なさそうに近づいてくる。
「すみません。お待たせしてしまいましたか?」
「いや、ちょうどいいくらいにゃ。これ以上早くてもみゃーが急かされるだけで迷惑にゃ。
それで、一緒に行けそうかにゃ?」
「はい。大丈夫ですよ。」
そう言葉を交わして、三人はギルドへと向かう。
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ギルドへ入ると、ガルスは既に食事スペースに座っていた。
「ガルス~!!」
名前を呼びながらリアはガルスのもとへと駆け寄った。
呼ばれたガルスは、リアを見て片手を上げる。
「よう嬢ちゃん。ナイスタイミングだな。」
「にゃにゃ?となるとガルスも丁度今来たところかにゃ?」
「まぁな。ところで、そこにいる二人が例の二人か?」
ガルスに言われ、リアは二人に前へと出るよう促す。
「こっちの竜人族がカインで、妖精族がレインにゃ。」
「おう。俺はガルス。嬢ちゃんとは俺がこっちに来た時に一緒に潜ってるんだ。よろしくな。」
そう言ってガルスと二人は握手を交わす。
ガルスの自己紹介が気になったのか、レインは口を開いた。
「先程『こっちに来た時に』とおっしゃっていましたが、ガルスさんは元々こちらにお住みではないのですか?」
「あぁ、俺の家は王都の方にあってよ、たまにこっちにレベル上げついでに遊びに来てんだ。」
なるほどと頷いてレインがそれ以外何も聞く気配がないと判断したリアは、これからの予定の提案を口にした。
「それじゃあ、10階層まではみゃーとガルスは援護にまわって、カインとレインがモンスターを狩るにゃ。
11階層からはみゃー達が数を減らして、残した2,3体をカインとレインの二人で協力して倒すのにゃ。
それでもいいかにゃ?」
リアの意見に反対は無いようで、三人は頷いて、
「かまわねぇぜ。」
「いいんじゃねーか?」
「異論はありません。」
それぞれそう返事をした。
「それじゃ、張りきっていくにゃ!」
「「おう!」」「行きましょう!」
そうして打ち合わせを終えた四人はギルドを後にした。
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そして現在、リア達四人は7階層を爆進していた。
「ガルスはレイン、みゃーはカインを見るのにゃ!最低限出だしはせずに、危ないときだけ手助けするにゃ!」
「おうよ!」
七階層の丁度中間位を過ぎた頃、モンスターの群れが増えてきて、二人の負担を考えたリアは、そうガルスに指示を出した。
「なあ、はぁ…リア達は、…いつもこの…スピード、なの、か?…はぁ…正直、きちぃ。」
息を切らしながらカインは顔だけ振り返り辛さをうったえた。
だが、リアはそれをよしとしない。
「二人の時はもっと早いにゃ。これでもゆっくりだから頑張るのにゃ。」
「……嘘だろ、、」
絶望で肩を落とすカインに、リアは風魔法で空気の抵抗を減らし、体を軽くさせた。
「うぉっ、……ありがとう。」
突然軽くなった体に追い付けず、一瞬足をもつれさせたカインは、体勢を立て直してお礼を言った。
「レインは自分で魔法を操ってみるといいにゃ。風魔法で正面からの風を減らして、逆に後ろから自分に風を当てるにゃ。」
「わか、り、ました。」
レインは言われた通りに実行して見せる。
それにはガルスも驚いたようで、
「へぇ、すげぇな。珍しくむえいしょうで出来るやつなんだとは思っていたが、その応用も出来るのか。」
と感心していた。
それを聞いたリアは抗議する。
「ガルス、みゃーだってむえいしょうで操れるにゃ。忘れないでほしいにゃ。」
「いやいや、嬢ちゃんは例外だろ?勝手に魔法を作るし、威力も半端ない。それで戦闘スタイルは体術なんだから、常識がずれそうだ。まだ、氷の魔女って言われた方が納得できるぜ。」
「うるさいにゃあ。」
言い返されたリアはふてくされるそぶりをした後、プッと噴き出した。
そうして笑いあうリア達二人を寂しそうにそうに見ていたカインにレインが声をかける。
「どうしたんですか?らしくありませんね。」
心配そうに尋ねるレインから顔をそらしてカインは言った。
「あ、いや、楽しそうだなって思ってさ。もしもリアが俺らと家が近くて一緒にいたとしたら楽しいだろうなって。」
「あー。確かに面白そうではありますね。きっと、何一つ違和感なくはなせる。」
「あぁ、それにきっと今より楽しい。」
そう言ってうつむいたカインは微笑んだ。
最近中途半端がすぎる。
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