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第二の人生はゲーム世界で  作者: 一 咲也
転生先はオンラインゲーム
19/67

第十五話

本日二話目の投稿です。

「それじゃあはりきっていくにゃ!」


話の後、三人はすぐにダンジョンへ行くことになった。

お昼ご飯は逃したが、リアはご機嫌である。

一階層は必要ないという事で、三人は飛んで移動する。


「そういえばさ、この世界って地図がないけどどうしてリアは下層への階段の場所知ってんの?やっぱ慣れ?」

「たしかに、何度も潜ってるから慣れもあるにゃ。だけどみゃーはマップっていうスキルも持ってるにゃ。それがあるから下りた階層の地形や仲間の位置は完全に把握できるし、その階層の下層への階段がある部屋を見つけたらマップに表示されるのにゃ。」

「それ反則だろ…。」


ごもっともな意見である。

基本的に、迷路のような地形を迷いながら進み攻略するこのゲームにおいて、地形も位置情報もわかるリアはどのプレイヤーよりも有利に進めることができるのだ。


「でも位置がわかるだけで敵を倒すのはみゃー自身にゃ。他の冒険者と比べて有利なのは自覚してるし、だからこそマップを無償で提供してるにゃ。」


そう。リアは自身が到達した全階層のマップを_スキルの事は伏せているが_書いて無償でギルドに提出しているのだ。


「え、じゃあ他の冒険者が使ってるマップってリアが書いたものなのか?」

「詳しくは、みゃーが書いたマップのコピー。にゃ。」

「そうだったのですね。私たちもいただきましたからとても助かります。」

「お世辞はいいにゃ。ただみゃーは貰った恩恵を独り占めするのが辛かったからその気休めにゃ。

それと、もうすぐ下層への階段がある部屋にゃ。六階層(この階層)は階層主がいるけど、今回は二人でやるにゃ。みゃーは見てるから頑張るのにゃ。」


そう言ったタイミングで階層主の部屋へと辿り着く。


「オーク…ですか、魔法が効きにくいので私は援護射撃を中心にします。強化魔法をかけますからカインは剣で攻めつつ、相手が私に気を取られた隙に死角に潜り込んで首を狙ってください!」

「わかった。」


レインの指示に頷いて、身体強化のかかったカインはオークへと切り込んだ。オークは当たり前のようにその剣を素手で受け止め、カインをはじいた。

追撃しようと歩き出すオークに、レインが物理攻撃の魔法で妨害する。その間に体勢を持ち直したカインが再び攻撃を仕掛ける。オークの攻撃を避けつつ、時間を稼ぐ。


「今です。」


レインが叫ぶころ、オークの頭上には大きな岩が完成していた。

それが見事命中し、レインの方へ向き変える。と、次の瞬間にはオークの頭と胴体が切り離され光の粒子となっていった。

見事な連携である。


「すごいにゃあ!レインの指示も的確で、カインも柔軟に対応しててナイス連携だったにゃ」


リアが褒めると、二人は嬉しそうに笑いつつ「当たり前だ」と言った。


「長い付き合いですから。慣れているんですよ。」

「そうそう。こいつとやると自然と上手くいくんだ。安定ってやつだな。」


そうかそうかと反応しつつも、二人が羨ましいとリアは思ってしまった。

明らかに開いているとわかる自分と二人との距離。一緒に過ごした時間と信頼関係という壁を感じてしまったのだ。


「リア?どうかしたのか?」

「いや、何でもないにゃ。先へ進むか今日のところは戻るか考えてたんだにゃ」

「あー、なるほどな。リアはこのあと予定とかあるのか?」

「いや、特に予定はないにゃ。だいたい暇してるかにゃ。」

「そっか。だったらもう少しつき合ってくれね?もうちょっと上げときたいんだ。もちろん、リアがよければ。だけど」

「大丈夫にゃ。それじゃあ進むかにゃ。」


そうして三人は七階層への階段を下りていった。


それから数時間潜り二人ともLv10まで上がったので今日はお開きということになった。


~~~


「それじゃあ、また一緒に潜りたい時はここの宿のおばちゃんかギルドに伝言として伝えてほしいにゃ。」

「わかった。今日もありがとな。」


リアの泊まっている宿の前で、リ彼女とは笑顔で解散する。

ギルドへ向かう道を歩くのは二人だけだ。


「なあ、話してみてどうだと思った?」


カインの質問の件は当然リアについてである。


「どうって、やっぱりNPCなんじゃないですか?確率の事も人口の割合的な理由でしたし、設定という言葉にもひっかかりませんでしたから。」

「だよなぁ…。 …ほんと人間みたいだ。」

「それはとても共感します。このゲームのNPCはクオリティーが高すぎる。」


そう会話をしながら歩いていると、気がつけばギルドへ到着したので二人は話を中断した。


「今日の報告をしたいのですが」


声をかければ、受付で別の作業をしていたミラがすぐさま対応する。


「かなり進みましたね。レベルが10になりましたのでDランクに昇格できますが、昇格試験を受けますか?」


ランクとは、依頼を受ける際の基準となるものである。

冒険者がランクを上げることで依頼の受けられる難易度を上げ、より効率的にポイントやお金を稼げるのだ。

ランク昇格基準は

SSランクはLv100~

SランクはLV90~99

AランクはLV70~89

BランクはLV50~69

CランクはLV30~49

DランクはLV10~29

EランクはLV1~9

となっており、そこへ信頼度、貢献度などが加算されて最終的に昇格試験が受けられるようになる。

カインもレインもレベルが10になったからDに上がることができるのだ。


「昇格試験の内容などはお聞きしてもよろしいですか?」

「はい。Dランクの昇格試験は五階層までの攻略となります。ギルド職員同伴のもと、安全に攻略できると判断されれば昇格できますよ。」

「なるほど、今日は時間があまりないので後日でもよろしいですか?」


既にリアと潜った後の為時間がかなり経過している。現実世界では明け方くらいの時間帯だろう。


「大丈夫ですよ。昇格試験を受ける際私にお声をおかけください。」

「わかりました。ありがとうございます。」


お礼を言うと二人は立ち去ろうとした。が、ミラが二人を引き止めた。


「あ、お待ちください。本日三十六階層のマップが配布されたのでよろしければお二人も。」


二人は足を止めると「ありがとうございます。」と言って受け取った。


「これも、リアが書いたものなんですか?」

「あ、お聞きになったのですね。」


ミラは驚いた後すぐに柔らかな笑みを浮かべた。


「すごいですよね。彼女、誰よりも最前線をソロで走って、ダンジョンでは身体と魂が分離するから確実に死ぬことは無いのに、それでも、少しでも安全に攻略できるようにと頑張ってるんですよ。

それに、マッピングをしてそれを無償で提供したりなんかもして。このマップのコピーも彼女がやってるんですよ。だから、ギルドはマップを配ること以外負担がないんです。本当に彼女は他人を思いやりすぎる癖がある。」


そこまで話すと、ミラは慌てて手を胸の前で振った。


「すみません、話過ぎましたね。念の為今の話は他言無用でお願いします。リアさんにも私が言っていたなんて言わないでくださいね。」


とても恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべた。

それから二人はギルドを出てどこに向かうわけでもなく歩き出す。


「まさかマップのコピー代もリア持ちだったなんてな」

「私達に付き合ってくれたこともそうですけど、極度のお人好しですね。彼女は」


こうしてリアの知らない所で、彼女の評価はまた少し上がるのだった。

読んでくださりありがとうございます。

よろしければブックマーク、好評化等お願いします。



なんか分の書き方が不安定すぎる…


先程ようやく「ブックマーク」の機能の使い方を知りました。

これは面白いですね。



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