我々の身辺の在り来たりなる怪談集

カレンダー

　　　９４．カレンダー

　私の部屋には何の変哲もないカレンダーが掛かっている。

　習慣的に予定が立つとその日にちに丸をつけて、この中に『１８時女子会』の様に書き込んでいる。

　ある時に、今年のクリスマスは何曜日だったかな、と思いカレンダーをパラパラとめくった事がある。

　すると、その時から半年ほど先の十月に、付けた覚えのない丸記しが書かれていた。

　大きな丸の付いたその十月九日の円の中には、私の字でこう書かれていた。

『母の死ぬ日』

　この話をしている今でもまだその日は来ていない。

　十月九日になったら一体何が起きるのか、今から不安でならない。