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釣り

   83.釣り




 よく近所の湖で、小舟を借りて釣りをしていた。


 その大きな湖は自殺の名所となっていて、高い橋の上にはよく警察を見掛けた。


 しかしそんな事など気にせずに俺はそこで釣りを続けていた。するとある日、糸に変なものがかかった。丁度大きな橋の下での事だ。


 釣糸にぐるぐる巻きになった髪の毛の束だった。


 気持ち悪くてすぐ棄てた。けれどその次も、またその次も、俺はその湖での釣りに興じた。


 ある時、小舟の上で立ち上がって竿を投げていると、足元を引っ張られて座り込んだ。


 目線の先で、小舟に半身を乗り上げたずぶ濡れで長髪の女が、俺の足首を腐乱した手で掴んでいた。


 声を上げるとその女は瞬く間にいなくなった。


 頭上を見上げると、今自分が居るのは丁度大きな橋の下の様だった。



 人の飛び降りるあの橋の下にはもう近寄らない様にして、俺は今もその湖で釣りに興じている。

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【実話怪談を収集しています。心霊、呪い、呪物、妖怪、宇宙人、神、伝承、因習、説明の付かない不思議な体験など、お心当たりある方は「X」のDMから「渦目のらりく」までお気軽にご連絡下さい】 *採用されたお話は物語としての体裁を整えてから投稿致します。怪談師としても活動しているので、YouTubeやイベントなどでもお話させて頂く事もあるかと思います。 どうにもならない呪物なども承ります。またその際は呪物に関するエピソードをお聞かせ下さい。 尚著作権等はこちらに帰属するものとして了承出来る方のみお問い合わせよろしくお願いします。
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