林間学校
79.林間学校
中学の頃の林間学校での話です。
春頃に、とある田舎の山間部に宿泊しました。
昼間は山をハイキングして、夜は飯ごうを使ってカレーライスを作り、そのままキャンプファイヤーをしたりしてそれなりに楽しかったです。
そしてその後はみんなで温泉に入ってから、それぞれ割り当てられた四人部屋で休む事になっていました。
夜更かしをして色々と遊ぼうと思っていた僕らですが、普段の街中での生活とのギャップに疲れ果ててしまい、早めに就寝する事にしたのです。
二段ベッドが2つ左右にあって、僕は右の上のベッドで眠りました。
足を向けた方にはベランダに続く大きな窓があり、広大な山の木々が映っていました。
電気を消して程無くすると、部屋は静まり返った。みんな相当に疲れてしまって直ぐに眠ってしまったらしい。
僕は使い慣れない枕が気になって、何度も寝返りをうってソワソワしていた。
何度めかの寝返りをうつと、足元の大きな窓が少し気になってそちらに目をやった。
すると大きな窓の左上の辺りに、大きな、とても大きな白い顔が半分見切れてこちらを覗いていたのです。
ハッと思い反対を向いて掛布を頭から被って丸まった。
しばらくガタガタと震えていたが、気付いたら眠っていた。
翌日、目が覚めると昨日の晩の大きな白い顔を思い出した。しかし夢かもしれないと思って、怖がらせてもいけないなと思ってみんなには言わない事にしていた。
しかし起きてきたみんなは、何故だか一様に浮かない表情で口数が少ないのです。
どうしたのか聞いてもみんなはぐらかすばかりで、何でもないと答えるのです。
僕はどうしようか迷いながら、昨日の大きな白い顔の話しを切り出した。するとみんなは目を見開いて、俺も見た! 窓の半分を覆う位のでかい顔だった! と口々に話し出した。
やはり夢ではなかったのかとゾッとしていると、一人だけ青ざめた表情でこんな事を言っていた。
「え……全身赤い女がこっちを指差して笑ってただろ? ベランダに立って」
これと何か関係があるのかはわからないが、その赤い女を見たという友人は、その後交通事故で亡くなった。
それ以来、眠るときは必ずカーテンを締める様にしている。




