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換気扇


 二十歳の頃の体験談なんですけど聞いてもらってもいいですか?

 そう言って私の元を訪れたのは三十代のAさんという女性だった。


 ある日Aさんは風呂に入ってシャワーをしていた。

 目を瞑って頭を洗っていると、サワサワ……と首筋にむず痒い感覚を覚えたので、自分の髪が纏わりついてるのかな、と思って何度か手で払ったという。


 さして気にする事無くそのまま頭を洗っていたそうだが、それからも首筋に感じる感覚が何度か続くので、これはおかしいな思ったAさんは、今度は虫かと思い付いて飛び上がり、流しっぱなしにしたシャワーで顔に被ったシャンプーの泡だけを流して薄目を開けたという。


 振り返ると、年季の入って薄茶色くなった頭上の換気扇の隙間から、だらりと長い黒髪が何束か垂れていたという。

 目を見張っていると、その髪は換気扇の中に戻っていった。


 Aさんの自宅は二階建ての一軒家で、母親を含めて家族にもあれ程の長髪の者はいないという。

 くわえてシャワールームは一階部分にあって、そのすぐ頭上はAさんの自室で、人が入り込める様なスペースなんかは無かったそうである。

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【実話怪談を収集しています。心霊、呪い、呪物、妖怪、宇宙人、神、伝承、因習、説明の付かない不思議な体験など、お心当たりある方は「X」のDMから「渦目のらりく」までお気軽にご連絡下さい】 *採用されたお話は物語としての体裁を整えてから投稿致します。怪談師としても活動しているので、YouTubeやイベントなどでもお話させて頂く事もあるかと思います。 どうにもならない呪物なども承ります。またその際は呪物に関するエピソードをお聞かせ下さい。 尚著作権等はこちらに帰属するものとして了承出来る方のみお問い合わせよろしくお願いします。
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