表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/160

令和三年八月より行方不明となっていた高松ちひろさん(27歳)が、令和四年十二月十一日朝五時頃、岐阜県○○市△△町のコンビニエンスストア□□店の監視カメラに映り込んだその数十分後に、山口県某所の松の木の


「生っ白い腕が巻き付いててよ

 ……うん、そうだよ。だからそうだって。大木の向こう側から誰かがピッタリ抱き着いてるみてぇにハッキリと!

 ……あの山でだよ。その例の木の所で見たんだ。八合目辺りに展望台があるだろ? 誰も来ねぇ草の伸びっぱなしになったあの展望台だよ! なーんにもねぇ町が一望出来んだよ。なんだよアンタなんにも知らねぇのかよ!


 ……だからよぉ、その展望台の所に一本の松の木があるだろ? そうだよ、そこから振り返ったらまず目に入るあの大木! そこんところに、丁度俺の胸くらいの高さに一本の生っ白い腕が巻き付いてたんだ

 ……おんなじ事何回言わせんだ。頼むよ刑事さん」




 令和三年八月より行方不明となっていた高松ちひろさん(27歳)が、令和四年十二月十一日朝五時頃、岐阜県○○市△△町のコンビニエンスストア□□店の監視カメラに映り込んだその数十分後に、山口県某所の松の木の下で変死体として発見された。この事件の第一発見者は、刑事の取り調べに対してしきりにそう繰り返し続けたと記録に残っている。



「だから、ありゃあ数ヶ月は経ってるよ、本当だって! 骨になっちまって腐った肉に虫がたかってたんだ。だから俺は三十分前にカメラに映ってたっつう、そっちの話しの方が怪しいと思うね!」



 ものの三十分程度の感覚を空けて、物理的に不可能である筈の遠く離れた某所に変死体となって被害者が移動したこの事件を、警察は怪事件として取り扱うより他が無かった。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【実話怪談を収集しています。心霊、呪い、呪物、妖怪、宇宙人、神、伝承、因習、説明の付かない不思議な体験など、お心当たりある方は「X」のDMから「渦目のらりく」までお気軽にご連絡下さい】 *採用されたお話は物語としての体裁を整えてから投稿致します。怪談師としても活動しているので、YouTubeやイベントなどでもお話させて頂く事もあるかと思います。 どうにもならない呪物なども承ります。またその際は呪物に関するエピソードをお聞かせ下さい。 尚著作権等はこちらに帰属するものとして了承出来る方のみお問い合わせよろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
[良い点] 山口県の怪談を思い出してしまいましたよ! 21世紀の森、7つの家……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ