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ここは異世界だけど異世界じゃない  作者: トミタミト
異世界生活編
16/18

16.ブラックホール無双

自分の趣味全開回、第2弾です。

今後もこういうパロディをぶっこむことが

多いと思います。

「おーっほっほっほ!これぞワタクシがパーツを漁り、数年の歳月をかけて開発した最強兵器【スパーク☆ギンカドール】ですわ!このパワードスーツによりワタクシのパワーは10倍、いえ100万倍パワー!!!覚悟しなさい、春野カオス!」


 まさかパワードスーツなんて用意しているなんて。

 その鋼鉄の塊はギンカの特徴的な金髪ドリルヘッドを模している。

 この頭の悪そうなデザインは彼女以外には乗りこなせないであろう。


「ワタクシに盾突いたことを後悔するのですわ!」


 パワードスーツの後部からミサイルが発射された。

 そのミサイルは様子を見ていたエビたちをすり抜け、僕に照準を合わせ向かってくる。


 あんなの当たったらひとたまりもない。

 僕は逃げようとするが、その後ろにはライアが座り込んでいる。

 僕が何とかしなければ彼女に当たってしまうだろう。


 ……仕方ない。


 僕は右手を前に出し、ミサイルを迎撃する。

 ミサイルの先端が僕の手に当たった瞬間、それは爆発することなく、突如発生した暗黒空間に吸い込まれた。


 ギンカは目を飛び出させて驚く。


「ど、どうしてですの!? 確かに能力は無効化したはず!?」


「僕の能力はSSSと関係ない。僕のブラックホールは常に発動している能力だ」


「何ですって!? そんなのズルですわ! インチキですわ!」


 それはネームドのスキルを無効化して物理で殴ってくる奴の言い分か?

 ギンカは操作画面を叩いて悔しがっている。


「ブラックホール能力……。もしや貴方この前の事件を起こした犯人ですわね!」


「うっ、その話はあまりしてほしくない」


 僕は一度、能力を暴走させ街を壊滅に追いやっている。今後そのような事態を起こさないようブラックホール能力の使用をなるべく控えたいのだが………この状況ではそうも言っていられないよな。


「ブラックホール……。なら吸い込めなくなるまで徹底的に叩きのめしてあげますわ!」


 ギンカはパワードスーツの剛腕を振り回し、僕に向かってきた。

 おおよそ一トントラックがぶつかってくるような衝撃。

 並の人間なら体中の骨が砕け散り、即死するレベルだろう。


 だが今の僕は人間じゃなくてブラックホールだ。

 パワードスーツの腕は僕の頭部から発生した暗黒に吸い込まれ、その動きを止めた。

 ギンカがそれを無理やり引き剥がそうとすると部品がバラバラになり、それは虚空へと消えてしまった。


「こんなの! こんなのありえませんわ!」

 

 ギンカはバチバチと漏電した機械の腕をもう片方の腕でかばっている。

 

 よし、今のところは上手く能力を扱えてるぞ。

 確かナナオ達は僕が身の危険を感じるとブラックホールが発生すると言っていたはず。

 自分で使う時ナイフで傷つける必要があるのは無意識に手加減しているからだろうが、今のように敵から殺意マシマシの攻撃を受ければ能力が僕を自動的に守ってくれるようだ。

 出力も抑えめで周りを巻き込んだりもしてない。これなら全然戦える。


「今度はこっちのターンだ」


 僕は暗黒をまき散らしながら、ギンカの方へ歩いていく。

 途中エビたちが僕に対し攻撃を仕掛けたが手を下すこともなくそれらは全て一瞬で消滅した。


「あわわわ……」

 

 未知の能力への恐怖。

 ギンカが自然と取った行動は後ずさりであった。

 

 殺される。

 

 絶対に勝てない存在。

 そんな存在がライア以外にもいるという事を知り、彼女の眼には自然と涙がこぼれていた。

 ギンカの怒りはライアへと向けられ、彼女を睨みつける形で露見された。

 

「ワタクシから……どれだけワタクシから奪えば気が済むんですのよー!」


 ギンカは残ったパワードスーツの左腕を振り上げ、僕の頭部を殴打しようとする。

 繰り出される横薙ぎの一撃。

 結果、鉄塊は僕をすり抜けることなく凄まじい引力で抑えつけられた。


「ひ、ひいいいいい!」


 操縦席にいるギンカは発生する引力に吸い込まれないよう必死で操縦桿そうじゅうかんを握っている。

 僕はパワードスーツを半分吸い込んだまま【電波ジャミング装置】の前に立ち、それを触った。


 瞬間、発生した黒い空間に包み込まれ装置はこの世界から存在を消失した。

   

「きみが人質の命を盾にする性格じゃなくて本当に良かったよ」 

 

 ジャミング装置は無くなった。


 それはつまり。


 

≪【フレイム】、【被服クロース】≫


≪【炎のフレイムアーマー】≫


≪ヒノヨージン!カンカンカーン!≫

 


 ……アグニに取り押さえていたエビたちは爆炎に包まれ、次々と炭になっていく。


「……ふん」


 アグニは自身のスキルで羽交い絞めにしていたエビたちを次々と黒焦げにしている。

 

 残ったエビやナスたちはパニック状態となり、散り散りになって逃げていく。


 僕は目の前で吸い込まれないよう必死に捕まっている悪役令嬢に声をかけた。


「どうする? まだやる?」


「わ、ワタクシが降参など……!」


 こぼれた涙が暗黒に吸い込まれた。

 ……正直少し可哀そうになってきたぞ。


 ブラックホールは徐々に引力を弱め、発生する暗黒は薄くなっていく。

 パワードスーツは重力で地面に転がり落ち、ギンカはそのまま投げ出され、身を崩し倒れた。


 勝負は決した。


「思ったより早い決着だったわねカオス君。上出来上出来、さすが私が見込んだだけの事があるわ」


 ライアは涅槃ねはんのポーズを取り、完全にリラックスモードだ。


「あのなライア。ちゃんと彼女に悪いことしたなら謝った方がいいぞ?」


「えーやだー」

 

 二人の間に何があったか知らないが、女の子同士が喧嘩しているのは見ていて忍びない。

 ここは僕が仲を取り持ってあげよう。


 ギンカは地面に倒れたまま動かない。 

 悔しさで起き上がろうとしないギンカを僕は寄り起こそうと手を差し伸べる。

 

 ……差し伸べようとしたが、行動を起こす前にアグニがギンカの襟首を掴み、叩き起こした。


「モンスターを従えて名持ち街を破壊し、ネームド達を拉致した行為は決して許されることではない。……せめてもの情けだ。ここで俺が粛清してやる」


 アグニは炎を出し、ギンカの体を焼き尽くそうとした。


「おい、待てって! そこまでしなくてもいいだろ!」


 僕はそれを止めようとアグニの肩を掴んだ。


「甘いぞ春野カオス。こいつは遅かれ早かれ今回の事件の首謀者として他のネームドに命を狙われるだろう。まともな生活はもう出来ない。……この場で殺した方が苦しまずに済む」


「だからって殺すことは無いだろ! ギンカが可哀そうだと思わないのか!?」


「どちらも余計なお世話ですわ!」


 怒りで青筋を立てたギンカはアグニに頭突きをかまし拘束を振りほどいた。

 前髪を焦がしながらギンカは叫ぶ。

 

「まともな生活ですって? 元々そんなのライアに負けたあの日からずっとしていませんわ! 全くどいつもこいつも勝手なことばかり言って! ……ワタクシはただ自分が幸せになりたいだけですのに」


 ギンカはふらつきながら屋敷の外へと歩いていく。

 

「……他のネームドは全員地下に幽閉していますわ。助けたいなら早く行ってあげることですわね」


「そんなボロボロの体でどこに行く気だ」


 アグニの問いにギンカは振り向き、人差し指を天に掲げ、叫んだ。


「もちろんワタクシが目指すのは1()()ですわ! 2番でも3番でもない! 完璧完全無欠の1番! それ以外の選択肢などありえません! ワタクシがネームドで1番になるためにいずれ貴方達を駆逐してやりますわ! それまでせいぜいくだらない余生を楽しむことね! おーっほっほっほっほ!」


 ギンカは汚れた頬を拭いながら高笑いを続けている。


 1番を目指す。

 簡単には言うが、それはどんな分野でもとても難しいことだ。

 

 ……彼女に幸せが訪れる日は来るのだろうか。 


「1番ねえ。そんなものに固執するなんてつまらない人生よね。あ、でも私の1番はいつでもカオス君だから♪助けてくれてありがとうカオス君」


 う~ん、思ってた展開とだいぶ違うけどこれで一件落着……なのか?


 ……一息付いたら頭が痛くなってきた。ブラックホール能力を使うと軽い症状だが、毎回痛む。

 やはり僕の体に負担がかかっているのだろうか。

 このスキルはチートだがやはり万能では無いな。


 イチャイチャするカップルをギンカは殺し屋のような瞳で睨みつけていた。


「…………どこかで見た顔だと思ってましたが。……なるほど、そういうことでしたのね」


 何かを思い出したギンカはこちらを振り向き遠くで叫び出した。


「春野カオス! あなたの願いが絶対叶う事はありませんわ!」


 ……どういう事だ?僕は頭を抑えながらギンカの話を聞く。


「貴方は疑問に思いませんでしたの!? 何故異世界にやってきたとき、まるでデータのバグのような能力が手に入ったか! 何故能力を発動したらそうやって頭が痛むのか! どうしてライアが貴方に必要以上に加担するのか! それは何故か!?」


 頭痛がひどくなっていく。

 記憶の蓋を無理やり引き剥がされるような痛々しい感覚。


「その答えはただひとつ!」


「それ以上言うな!」


 ライアは普段の余裕を持った態度から一変し怒りの表情を浮かべていた。

 

 ライアとアグニはギンカを制止させる為、走る。


 しかし発言を止めるには至らなかった。







「それは! 貴方は現実で既に亡くなっているライアの【父親】で! この世界初の【異世界転生者】だからですわー! おーっほっほっほっほー!!!!!」




 ………え?


 



……何を言っているんだ?



 僕がライアの……父親?



 それに僕は既に亡くなっているって?


 

 嘘だ。彼女は僕を騙そうとしている。

 


 

 頭の痛みが加速する。


 

 

 

 異世界()()()……?……僕が?



 




 現実では僕は既に死んでいるって?

 

 


 ……じゃあ、僕は一体今まで

 何のためにここまでやってきたんだ?

 





  





『蜒輔?蜷帙r諢帙@縺ヲ縺?◆荳也阜荳ュ縺ョ隱ー繧医j 繧蜒輔?蜷帙r謨代>縺溘°縺」縺溘◎繧後′蜒輔?蜚ッ 荳?縺ョ鬘倥>縺?縺」縺縺昴l縺ェ縺ョ縺ォ縺ゥ縺?@縺ヲ縺ゥ縺?@縺ヲ迴セ螳溘?谿矩?縺ェ縺ョ縺?繧阪≧蜒輔?蜻ス繧貞、ア縺」縺逾槭〒繧よが鬲斐〒繧ゆス輔〒繧ゅ>縺蜒輔↓蠖シ螂ウ繧呈舞縺?メ繝」繝ウ繧ケ繧偵♀荳弱∴縺上□縺輔>』

    

 






「うわあああああああああああああああ!」

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