信号無視
信号待ち。
左右の信号が青から黄色、そして赤へ。
右側から来ていた車が停車線を越えて止まる。
左から来ていた車はこのチャンスに何台も右折していった。
勢いよく、こちらへと車体を迫らせられると恐怖が湧く。
右折用の信号がないため分からなくはないが、何とかならないものか。
信号機の付いている電柱に身を寄せながら、思う。
進行方向の信号が赤から青へと切り替わる。
左右の一台目の車が止まっていることを確認して、横断歩道へと足を踏み出す。
右側のは横断歩道まで来ているため、邪魔だな、と思いながらふと、その後ろから勢いよく車が迫るのが見える。
目の端に映ってはいたが、まさかと気にしていなかった。
私は横断歩道の半分を越えて進んでいた。
―― ドンッ ――
まさか、追い越してまで信号無視をするバカがいるとは思っていなかった。
結末以外実際に存在しました。
私はバックステップで逃げました。自分の正しさよりも命が大事ですから。
交差点に進入したバカはクラクションの嵐に晒されても気にせず、直進していきました。
油断しました。まさか追い越しして信号無視する強者がいるとは。