葵の花は羞恥に萎れる
葵花という少女は、死ぬ為に生かされてきた。
それが彼女の存在理由だ。
だから、葵花の犠牲で繁栄する筈だった村が滅んだ時、葵花は自分の存在理由を失った。
『どうして--』
今日も、彼等は葵花を苛む。
『どうして、あんたが生きてるのよ! この、死に損ないっ』
悪鬼の形相で葵花を罵り、首を締め付ける美しい神。
村が滅んでからずっと、葵花は夢の中で村神達に責められ、そして殺され--。
「……」
葵花は、寝床からむくりと起き上がる。
そして自分が先程まで寝ていた場所をペチペチと触った。
独特の湿り気。
「……」
青空の下、白いシーツが風にたなびく。
数刻前まで、そこには立派な黄色い大陸が描かれていた。
葵花は、そのシーツの前に俯きながら佇んでいた。
「葵、葵花、もう綺麗になったからね」
「そうです、こんなの誰にでもある事ですから」
小梅と涼雪は、シーツの前で項垂れる彼女を必死に慰めた。
年下とはいえ、自分達とそう年齢は変わらない葵花。しかし、長年の過酷で劣悪で不潔な環境の中で生かされてきた彼女は、十一歳という年齢にそぐわない幼い体付きをしていた。どう多く見積もっても、六、七歳の少女だ。
六、七歳でおねしょをするかと言われれば、絶対にしないとも言えないが、する神達の方が多いとも言えない。
が、葵花の場合は身体つきがそうであって、実際の年齢は十を超えている。
項垂れ、終いには地面に座り込んで落ち込む葵花に小梅と涼雪は顔を見合わせた。
一方、葵花は自分の失敗に完全にへこんでいた。
同年代の子で、こんなおねしょをする子なんて居ない。それこそ、十を超えた子達なんて。
にも関わらず、葵花は度々この様な失敗を繰り返していた。
今回は小梅と涼雪だが、葵花のおねしょしたシーツを洗ってくれる他のメンバー達も、「気にしなくていいから」と優しく言ってくれる。
特に、葵花を拾ってくれた茨戯は何も言わずに葵花のおねしょシーツを洗ってくれた。
あんな美しい神におねしょシーツを洗って貰うなんてっ!!
長年の劣悪な環境で、獣同然に育った葵花だが、彼女は早くも羞恥という感情を覚えていた。茨戯の側に長く居ることがその感情を育てる大きな要因の一つになったとも言えるが、とにかく葵花はおねしょをした事に言いようもない恥ずかしさを覚えていた。
しかも、葵花は茨戯の側で寝るのが日課となっている。つまり、毎回茨戯におねしょしている事を知られてしまっているという事だ。
今日は茨戯が仕事で、葵花は小梅と涼雪と一緒に寝た為、彼女達がおねしょシーツを洗ってくれたが−−きっと、すぐに茨戯の耳に入るだろう。
「う、うぇ……」
葵花は恥ずかしさの余り泣きじゃくる。そんな妹分に、小梅と涼雪は慌てた。
「な、泣かなくて良いんだって!」
「こんな失敗、誰にでもありますっ」
あると言われても、現にこうやっておねしょシーツを洗って乾かしているのは葵花の分だけだ。
因みに、別の大陸が描かれたシーツは毎日のように洗って乾かされているが、それは葵花にはあずかり知らぬ事。小梅も涼雪も知らない。絶対に、明睡達が教えないからだ。
とりあえず、小梅と涼雪は葵花を気分転換させようとこの場から連れ出す事にした。
「あ、葵花、ここに居たの?」
間が悪い事に、茨戯がやってきた。しかも、朱詩と明睡も一緒だ。たいていこの三神は一緒にいる事が多く、戦いの場でも同様だ。
軍の中では、敬意を表して『三卿』と呼ばれるが、戦場その他彼等を狙う者達からは『三姫』と呼ばれる。
それに相応しい美貌の三神の登場に、小梅はつい口走ってしまった。
「きっついわぁ〜」
異性はおろか、同性すらその美貌と色香の前にはただただ言葉を無くし−−を通りこし、拉致監禁し、自分の良い所だけしか見せないようにする。 彼等には綺麗なものだけが、完璧で素晴らしいものだけが相応しい。
そんな彼等の目に、葵花は自分のおねしょシーツを晒す羽目となってしまったのだ。
まあ--彼等は葵花のおねしょシーツなど、嫌という程今までにも見てきてはいるが。
「--天気良いし、シーツ洗ったの? なら、他のシーツも洗ってもらおうかなぁ?? そしたら小梅、少しやせるかもよ?」
少しぽっちゃり目の小梅に、朱詩はにやにやしながら軽口を叩く。
「この天気なら布団も干せるな。朱詩、あとで手伝え」
「え~? 僕、か弱いのにぃ」
問答無用で手伝わせようとする明睡に、朱詩はそう言った。しかし、次には「やれやれ、神使い荒いなぁ」と頭の後ろで腕を組みながら行動に移ろうとしていた。
小梅は朱詩の軽口に頬を膨らませつつ、彼等の気遣いに感謝した。彼等はその口一つで相手の心を再起不能までに抉るのは簡単に出来る。しかし、彼等は葵花にその手腕ならぬ口芸を披露した事は一度も無い。
「葵花、朝ご飯まだでしょ? 今日は葵花の好きな料理が出るって話よ」
茨戯は髪の毛を耳にかけながら、俯く葵花に目線を合わせるように屈み込む。あの鬼畜オカマと名高い茨戯とは思えない所作だ。だが、それだけ茨戯にとって葵花は大事な存在なのだろう。
直接それを指摘すれば本神は絶対に認めない。
しかし、葵花は俯いたままだ。
「葵花?」
「……」
葵花の耳に、茨戯の声は聞こえていなかった。ただ、羞恥だけが彼女の頭の中をぐるぐると回る。
ああ、自分はどうしてこうなのか?
この美しい神に恥ずかしい所ばかり見せている。
葵花はずっと閉じ込められていた。
けれど、生け贄の儀式の供物として生かされてきた彼女の所に来た者達は意外と多かった。生きてさえいれば良いと、彼女に暴行と暴言の数々を行い、憂さ晴らしという楽しみの為に。
平凡な容姿の者も居た。
目を見張るほど美しい者も居た。
村神も居れば、その儀式に協力する身分ある者、財のある者も居た。
男も居れば女もいたし、子供も居れば若者も中年も老神も居た。
そんな中で、葵花は自分の前に現れた茨戯が一番美しいと思った。もちろん、明睡や朱詩、その他に沢山の美しい男達は居たし、萩波なんて彼等すら及ばない美しさを有していた。女達だって美少女、美女と呼ばれる者達は、葵花が村で見た事がない位、それこそ絶世級が揃っていた。
けれど、男女関係なく、葵花は茨戯が一番綺麗だと思っている。
憧れている--いや、崇拝していると言ってもよい。
女神様--。
自分も神なのに、思わず彼女はそう思ってしまった。いや、彼女は自分が神だという事も理解していなかった。彼女は『儀式の生け贄』、『哀れな供物』でしかなく、村の繁栄の為に産まれ、そして死ぬだけの存在だった。
彼女は死ぬ為に生きていた。
それが彼女の存在理由だったから。
なのに、彼女は村が滅びても生きている。
存在理由も生きる理由も何もかもが無くなったと言うのに。
彼女は儀式の生け贄となる為に生きている、生かされている。そうでなければ彼女は生きていてはいけないのだと言うのに。
しかも、この美しい神まで煩わせてしまっている。
「……」
「葵花?」
茨戯が葵花の肩に手を置こうとした、その時だ。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
それは嬉しそうな声だった。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「ひぃぃぃぃぃっ」
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
この世の全てに絶望し、今にも命の危機に瀕しているかの様な哀れな悲鳴だった。
「ば、化け物!」
「く、来るなっ」
それでも生きる事に執着し、必死に逃げ惑う悲鳴も聞こえてきた。
茨戯は葵花の腕を掴み、自分の後ろへと下がらせる。
そんな彼等の目に映ったのは。
先が二つに分かれ、その白くほっそりした短足で一生懸命走る大根。
と
傾国の美女も真っ青な素晴らしいムチムチの太股、ほっそりとした足を網タイツに包み、更にピンヒールをはいた林檎。
そう……大きな林檎からにょきんと肌色の太股から爪先までの足が生えた、素晴らしい美脚林檎だった。
「きゃあぁぁぁっ! 可愛い~っ」
短めのふっくらとした大根。
その足先が二つに分かれ、まるで短い足の様にしてちょこまかと地面を走り、なおかつ小さな手もちょこんと生えている大根。
頭のふさふさとした緑の葉っぱがまるで髪の毛の様に靡いている。そのふさふさっぷりは、薄毛で悩む世の男性達に多大なる嫉妬心を抱かせるだろう。
その大根をガシッと捕獲し、地面に座り込んで抱き締める果竪。見た目だけは、ペットの犬を抱き締めているかの様にも見えるが。
「……」
明睡は無言で果竪に向かって歩き出した。
「め、明睡、落ち着いてよ!」
朱詩が慌てて明睡に縋り付く。
見た目美女に見た目美少女が縋り付く光景は、どちらも絶世級という事で、それだけで絶景だった。絶景過ぎて、思わず魂があの世に旅だってしまいそうな位だが。
「果竪……」
朱詩に縋り付かれた為、足の歩みは遅くなったものの、明睡の歩きは止まらない。
果竪は不穏な気配に気付いて、振り返った。
「にゃっ?!」
猫よりも猫らしい声を上げ、果竪が飛び上がる。
後ろに黒い物を引き連れた明睡がこちらに歩いてくる様は、まるで怪獣の様に大地をズシンズシンと震わせる--果竪にはそう見えた。見た目は美女なのに。
「俺は、術を使うなって言っただろ?」
「む、ムキムキ大根は作ってないもんっ!」
果竪はガタガタと明睡の怒気に震えた。その様は、まるで小動物のようだった。
「そうだよ、明睡! 果竪が作ったのは美脚林檎だけじゃんっ」
「お前は林檎に怨みでもあるのかっ!」
と、林檎で生物兵器を造る果竪に明睡は顔を真っ赤にして怒った。端から見れば、美女が涙目で相手を誘っているようにしか見えない。
「私、林檎好き」
「好きな相手にする仕打ちかっ! お前のせいで、軍の奴らが林檎嫌いになったらどうするんだっ」
「くっ! お前ら、ここで踏みとどまれ! ここで踏みとどまらなかったら男じゃないっ!」
「そうだ! 迫り来る危機を退けてこそ男だっ!」
「むしろこれは好機と捉えようよ! トラウマ克服だっ」
なんか、もの凄く前向きな発言が聞こえてきた。しかも、男の娘達を中心に、自分達を鼓舞する声が聞こえてくる。
「ほら、みんな大丈夫だって」
朱詩が勝ち誇ったように言う。なんでだ。
「そのトラウマを植え付けたのは果竪だけどな」
「使いようによっては精神攪乱系の攻撃よねぇ」
茨戯が艶っぽい溜息をつく。
「じゃあ、この次の戦いで使」
「やめろ」
あんなものが戦場を走り回ったら、それこそ悪夢である。しかも、出所がうちとなったら大恥だ。
「でも、私が出来るのは『マッスル林檎』、『美脚林檎』、『触手林檎』、『スライム林檎』ぐらいしか作れないし」
「待て! 先の二つはまだしも、後の二つはいつ作った! しかも、何だその不穏すぎる名前はっ」
「作ったのは昨日。『触手林檎』はね、こうにょろにょろと」
果竪が触手の動きを再現しようとするが、惜しい。身体が硬すぎる。いや、忠実に再現されても困るが。
「『スライム林檎』も凄かったですよね」
「涼雪っ?!」
涼雪が柔らかく微笑むのを見ながら、明睡は唖然とした。
「知ってるのか?!」
「はい、その場に居ましたから」
止めろよ--と、思わず叫びそうになった明睡だが、涼雪の笑顔を見ているとどうでも良くなってくる自分が居る。
「でも果竪、術の使用は危険も伴うんだから、軽々しく使ったらダメだよ」
「むぅ……はい」
果竪は朱詩の言葉に素直に頷いた。
「まあでも、果竪の術って無害なものばかりじゃん」
小梅が果竪をフォローするように言う。
「風の術ではせいぜい『下衣の裾をめくる』程度だし、光の術では『ハゲオヤジの頭部で増幅』しないと役に立たないもの」
「お前、表現最悪」
「どこがよ!」
ハゲオヤジの頭部で増幅……。
明睡は果竪を見た。
えへへへへと照れる彼女に一言物申したい。
褒めてないから。
「果竪」
「何?」
「お前、術の練習をやめろ、本気で頼むから」
「なんで」
んなもん、頭髪の少ない者達の心に傷を--いやいや、多くの者達に迷惑をかけるからだ。
「では、術以外の戦い方を学べば良いかと思います」
熊狩りなら出来ます--そう言い切る涼雪に突っ込みを入れるのも忘れない。
「だからお前は熊を狩らなくて良いし、戦いに出なくても良いんだっ」
もう、何度目かになる言葉を果竪に告げる。しかし、いつもは項垂れたり泣きながら立ち去る果竪は、今回は立ち去らなかった。
「敵によっては私だって役に立てるもん」
「そうよ! 美脚林檎の前にはどんな敵だってひれ伏するわっ!」
「その前に全力で逃げるわっ!」
明睡の叫びに、小梅はツンとそっぽを向いた。
「やっぱり小梅は馬鹿だね」
「うるっさいわね! 失礼男っ」
失礼男--そう言われて、朱詩は少しだけ嬉しそうに笑う。朱詩を見て男と思うのはまず居ない。例え、男だと判明してからでも。
しかし、小梅はいとも簡単に朱詩を男扱いする。
「というか、どんな敵なら役に立てるって言うんだ?」
明睡は腕を組み、果竪を見下ろした。
「美形と男の娘にしか興味が無い敵!」
思わず、「あ、はい」と答えてしまったのは明睡だけでは無いだろう。
「私にはまず興味を持たないし、怒り狂って絶対に冷静さを失うものっ!」
十一歳とは思えぬ--もう少しで十二歳だが--観察眼だった。いや、誰が見ても分かる事かもしれないが、意外と気付かない者達は多い。
「だから、私もいつでも戦えるようにしとくのっ」
「果竪……」
だが、その戦いの手段として、あの生物兵器を使うのはいささか頂けない。
「百歩譲って、その大根なら」
まだ愛らしさがあるし。
「酷い! 明睡はこんなに可愛くて愛らしくて艶かしい大根に何をさせる気なのっ?!」
「大根はダメで林檎は良いのか」
「だって林檎、強そうだし」
確かに強そうな林檎が出来た。しかも戦闘力も凄まじく、古参メンバーの男の娘達数神が蹴り飛ばされている。
しかし、その生物兵器に果敢に挑んでいく男の娘達の様子は、彼等の一部に多大なる幸運をもたらした。彼等の思い神にその光景を目撃されたのだ。
「なんて頼もしい」
「逞しいわ」
「やっぱり殿方は違うのね」
男として認識された。
しかも、男として褒められた。
彼等は後に、果竪を抱き締めてお礼を言う事になり、余計に明睡を苛立たせる事となる。まあ、仲間が意中の相手と仲を深めた事は嬉しいが。
「もっと、もっと生物兵器を作ってくれ!」
この言葉だけは許容出来ない。果竪を奪取し、その相手に蹴りを入れて沈めた。
「あ、葵花ちゃん」
果竪は茨戯の後ろに居る葵花に気付いた。
「葵花ちゃん、これ約束してた私の愛しい大根だよ!」
ずいっと果竪が葵花に大根を差し出す。それは、足をじたばたとさせていた。すると、葵花がようやく顔を上げた。
「葵花ちゃん?」
何かに堪えようとする葵花が、ガバリと果竪に抱きついた。
「え? え? え?」
果竪と葵花の間で、大根がジタバタと暴れている。
なんて羨ましい大根なんだ。
果竪と葵花の胸に挟まれてもがく大根に、朱詩は何の躊躇いもなくそう思った。と、その大根が二神の間から脱出する。そのまま走りだそうとして。
「ちょっと待て!」
ガシッと小梅が大根を捕まえる。それを、自分の胸に押しつけるようにして抱き上げ。
「この尻軽女! 浮気者っ! 小梅の男好きっ!」
「誰がだっ!」
小梅は大根を放り投げて、朱詩と取っ組み合いの喧嘩をする。その大根を、今度は涼雪が抱き留めた。その大根は、ぽすんと涼雪の胸に顔を埋める形となった。まだ、殆ど膨らみのない胸だったが、ふわりと良い香りがした。
ブチンっ!と何かが切れる音がした。それは、唖然と葵花を見ていた茨戯の耳にも届いた。
「え? め、明睡っ?!」
「このっ! たかだか一有機物の分際がぁぁぁあああっ!」
怒り狂った明睡は、手の中に圧縮した水の玉を生み出す。何トンもの水が圧縮されたそれは、ぶつけられれば確実に相手は水圧で圧死する。いや、その衝撃で全身を強打されて死ぬだろう。それどころか、破裂した水が辺り一帯を覆い尽くす、または周囲に居る自分達も危ない。中でも一番危険なのは涼雪で。
「あらあら、どうしたんですか?」
腕と足をバタバタさせる大根の額部分に、涼雪は軽く口づける。困った子に対する様なそれは、明睡を地獄の底へと叩き込んだ。
次の瞬間、明睡から放たれた水の塊は大根めがけて打ち出された。もちろん、明睡は同時に涼雪やその場に居た者達に結界を張る。
そうして、涼雪の唇を奪った不届き大根は見事に藻屑と化す--事は無かった。
大根き軽やかな跳躍で涼雪の手から抜け出ると、そのまま走りさる。まるで明睡を翻弄するかの如く走る姿は、完璧な走りのフォームだった。
「死ねっ!」
次々と打ち出される水の玉。それは、葵花のシーツを先に藻屑と化した。あと、地面に沢山のクレーターを作った。
後に、冷静沈着な宰相と謳われる彼も、この時はまだ恋する未熟な一少年にしか過ぎなかった。
その後、騒ぎを起こして怒られた明睡だが、そもそも最初の原因を作り出したのが果竪だという事で。
「おい、知ってるか?」
「ああ、なんて卑劣なんだ天帝軍」
また天帝軍に騒ぎの責任を押しつけた。
悪辣非道で、長年の腐敗で世界を腐らせ、様々な悪行に手を染めた末に世界を崩壊へと向かわせた天帝軍。
しかし、彼等の悪行と業の一部は冤罪だったかもしれない。