ホラーハウス
私たちが他の皆が待つ、カフェテリアに行くと、コーヒーカップを手に取り、何かを飲んでいた。なんだろう、この絵カッコいい。カッコいい人たちにコーヒーカップはすごく似合っている。しかも、セレブ感が出ている。そんなことを思っていると、一之瀬さんがこちらに気づいた。
「もう終わったのか」
その言葉で全員がこちらを向く。
「はい、すごく楽しかったです」
そう言うと、皆が優しい笑顔を向けてくれた。と、心に違和感を覚える。鼓動が速くなっている。
「どうかした?」
「あ、いえ、何でもないです」
そう答えたものの、違和感は消えない。何だかドキドキする。そのドキドキの正体はよく分からないから、考えるのは後回しにする。
「次はどうする?」
「絶叫マシーンて他にありますか?」
一瞬、間が空いた。
「そうだな、ここは市営の遊園地だからないかも」
「あ、でも、絶叫できそうなところならあるんじゃない?」
シンさんがそう言うと、皆の顔つきが変わった。何かをたくらんでいる。直感で危険を察知した。
「なんか、嫌な予感がするんですけど」
「いいから、行くよ」
シンさんに手を引かれてどこかへ連れていかれる。逃げられる気はしないので、とりあえずはついていく。そして、少しあるいたところに怪しい雰囲気を漂わせている、建物があった。そこの看板には、ホラーハウス、といかにもという文字が書かれている。
「えっと、まさかここに入るなんてことは……」
シンさんはニコニコ、いやニヤニヤしている。そして、うん、とうなずく。私の顔からさっと血の気が引いた。全身全霊で叫ぶ。ここにだけは、何があっても入らないと。
「嫌ですよ、絶対。入りたいのなら、どうぞ私以外でお願いします」
「い・や・だ!」
「シンさん、なんかいつもより意地悪な顔を……」
と、シンさんは私の手をぎゅっと掴んで、建物に一歩、二歩と近づく。
「誰か、助けてください」
涙目になりながら助けをこう。でも、誰も助けてくれない。こういうときに一致団結するとか卑怯だ。手を振りほどこうにも、全然敵わない。力の差が大きすぎて。
「分かりました、皆で入りませんか? そうしたら入ります」
二人よりも、七人で入った方がまだいい。いや、むしろそうじゃなきゃ絶対に入らない。本当に。
「まあ、入ってくれるならいいよ」
「だな」
「こんな反応するとは、先が楽しみだ」
「姫ちゃんてば、可愛いんだから」
「ですね」
「じゃあ、レッツゴー!」
シンさんの合図で、建物のなかに入った。もう、絶対に叫ぶ。これは絶叫マシーンより、いや、比べられないくらい怖い。間違いない。だって、建物のすぐ前には、挑戦者求む、という道場みたいな感じの看板が立っているから。




