和解
「姫華さんの気持ちは分かった。まさか、君に改心させられるとはね」
驚いて、いつの間にか涙が止まっていた。
「皆もごめん。勝手な理由で苦しめて」
「今の話を聞いたら、もう怒る気もなくなったぜ」
「そうね。うちの両親も悪かったみたいだし」
皆、口々に気持ちを言っていく。皆が怒っている様子もなくて安心した。そして、
「どうして、私に相談しなかったんですか? 私が気づかなかったのは悪いと思います。でも仮にも幼なじみで、相談なんていつでもできたはず」
雪川さんは月野さんと幼なじみで、しかもかなりの付き合いだ。私以上に辛いはずだ。苦しんでいることに、気づいてあげられなかったこと。
「相談してほしかったです。あのときは子供だったけど、少なくとも私は、力になりたかった」
雪川さんの悔しさが伝わってくる。多分、月野さんにも伝わったと思う。月野さんも悔しそうだったから。こういうのが本当の友情だと、そう思った。やっぱり月野さんには恨みだけじゃない。だって、こんなにも強い絆があるから。
「雪川さん、ごめん。俺は罪を償ってからまた、一からやり直す。何かあれば相談する。力になってくれるか?」
「もちろんです。私たちは幼なじみの前に友達です」
何もかもが解決した。色々あったけど、うまくいった気がする。ずっと皆と一緒にいたい。それが私の一番の願いだった。たとえ、叶わないことだとしても願わずにはいられなかった。
無事に和解したあと、月野さんと別れて家に戻った。皆、すごく疲れているみたいだった。家に帰るなり、自分の部屋に直行だったから。私は、日頃のお礼も込めて一人で夕食を作ることにした。先に昼食があるのだけれど。
「昼食、作りましょうか」
「雪川さん、大丈夫なんですか?」
一番疲れているように見える雪川さんを心配せずにはいられなかった。
「夕食をお願いしたんです。せめて昼食は一緒に作りますよ」
「分かりました。じゃあ、一緒に作りましょう!」
私と雪川さんは昼食を作った。ここまで色々ありすぎて、料理が久しぶりに感じた。一日も経っていないというのに。私たちは楽しく昼食を作った。




