妙な胸騒ぎ
家の中はいつも通りで少し安心する。でも、胸騒ぎは消えなくて……
「姫華さん、どうしましたか?元気がないような気がしますけど」
部屋に戻る途中、雪川さんにそう言われた。やっぱり、顔にすぐ出るんだと思う。
「少し胸騒ぎがして。根拠はないんですけど」
まあ、胸騒ぎはそういうものだけど、と言いながら思う。それを聞いた雪川さんは少し考え込む。
「あなたがそういうなら、何か起こるかもしれませんね」
「そんなわけは、て言いたいですけど、こんなのは初めてなので否定はできないです」
雪川さんはうん、とうなずき
「気にとめておきます」
そう言って、どこかへ行ってしまった。私は急いで部屋に戻る。時間が経てば治まるだろうと思い、気を紛らわせるためにパソコンを起動させる。そして、ちょっと気になった月野さんのことを調べる。今思えば、彼がどんな仕事をしているのか知らない。
「月野……あれ、したの名前何だっけ」
いつも月野さんと呼んでいるからしたの名前が思い出せない。諦めて、名字で調べる。大手会社の上の人だから出てくると思う。検索結果を見ていく。すると、検索結果の中に"財閥の消滅の真実"というのがあった。文章が出てきたので読み始める。
「財閥を破滅に追いこんだのは、裏にマフィアが関係している。しかし、マフィアは直接手を下しただけで、裏には別の人物が据えている。財閥を恨む者の犯行であると考えられる」
そこには皆や月野さんが教えてくれたことが事細かに書いてある。読み進めていくと、最後の一文が目に入ってきた。それを見て目を見張る。驚きすぎて体が動かなくなった。さらに胸騒ぎがする。
「まさか……!」
すると、ドアのノック音が聞こえた。ノートパソコンを閉じてドアを開ける。
「一之瀬さん? どうかしましたか」
「悪いが居間に来てくれないか。皆待っている」
一之瀬さんに言われて 居間に向かう。
「体調が良くないのか!? 胸を押さえて……まさか苦しいのか?」
彼にそう言われて気づく。私はいつの間にか自分の胸に手を当てていた。無意識にそうするほど私は……
「すみません胸騒ぎがするだけです。大丈夫です」
「胸騒ぎ、か。お前がそう言うなら、何か起こるかもしれないな」
一之瀬さんも雪川さんと同じことを言った。二人の人にそう言われると不安になる。本当に何かが起こるかもしれない、と。時が経つにつれて胸騒ぎはひどくなる。
「大丈夫、ですよね」
「何があってもお前は俺たちが守る」
そう言ってくれるのは嬉しいけど、今は皆の身を案じていた。なにも起こらなければそれでいい。私はそう思いながら居間へ向かう。居間には皆がすでに揃っていた。一之瀬さんは自分の席につく。私も席についた。




