家族会議
家に帰ってからは城之崎さんの提案で家族会議があった。今日の公園での件だ。
「それで、分かったことって?」
佐々木さんが初めに口を開く。
「狙われているのは姫華で間違いない」
その言葉に慌てる様子はなく、皆、すごく冷静だった。特に雪川さんは顔色一つ変えない。
「やはりそうですか」
雪川さんの言葉に一斉に彼をみる。彼の物言いからして、分かっていたのだろう。そして、彼は続けた。
「実はですね、数日前なのですが、黒ずくめの人たちを家の前で見かけたんです。すぐにいなくなったのでその時は軽くながしましたが」
まさか、私を狙ってここまで、と少し怖くなる。それにしても、ここまで来たということは、私の居場所がバレたということになる。最近は外出もしていないし、どうしてバレたかは分からない。とにかく、分からないことだらけで不安がたまる。
「雪川さんはその人たちが彼らだと分かったんですか?」
「私自身ではありません。あまりに怪しかったので月野さんに写真で確認してもらったんです」
軽くながしたとはいっても、さすがは雪川さん。しっかりしている。すると、城之崎さんが口を開く。
「じゃあ、何でこいつに言わなかったんだ?」
あ、と気づく。確かに知っていたのならば言った方が危険に敏感になっていたかもしれないのに。私も理由が気になって雪川さんを見る。彼は申し訳なさそうに言う。
「言い訳させてもらうと、あなた方二人が出かけたあとに分かったんです。それまで月野さんと連絡がとれなかったので」
「そうか、それなら仕方ない、か」
そこで城之崎さんは引き下がった。次の瞬間、皆の視線は一気に私に集中した。
「あの、何ですか……」
皆がほぼ同時だったので、オロオロしてしまう。なんだろう、皆、何も言わない。ある意味怖くなる。うつむいて誰かが口を開くのを待つ。最初に開いたのは城之崎さんだった。
「姫華、外出は控えるって言ったな」
「はい、言いましたよ」
「こいつはそう言ってる。それなら大丈夫だろ?」
彼の言葉に皆はうなずく。
「家のなかにいれば安心だな。姫華、何かあったら遠慮なく俺たちを頼れ」
一之瀬さんの言葉に胸が温かくなる。
「はい。皆さん、ありがとうございます」
「うん、じゃあこれでおしまいだ。何か分かったら各自報告する事。以上」
そして、家族会議は終わった。丸く収まったのかは謎だけど、とりあえずよしとしてこの話は終了した。




