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決心

恥ずかしいという感情を感じないくらい私は思い切り泣いた。泣いている間、玲音さんはずっと慰めてくれた。

「落ち着いた?」

「はい、本当にすみませんでした」

「謝るのはもう、なし。私もごめんなさいね」

玲音さんが謝る理由はどこにもないのに、なぜ謝ったのだろう。悪いのは私で、玲音さんは被害者のようなものなのに。

「皆にもこの事を言いましょう。皆、分かってくれるから大丈夫」

そう言われても不安は消えない。でも、玲音さんに言われると、なぜか大丈夫な気がして……私はしっかりとうなずき、皆にも話す決心をする。

「まずは顔を洗いましょう。そんな顔で行ったら皆、驚いちゃうから」

そうだ、今まで泣いていたのだからすぐにその事がバレる。私は急いで洗面所へ行き、顔を洗う。その間に玲音さんが皆を居間へ集めてくれている。居間の方へ歩きながら心臓のドキドキが速くなる。まるで持久走を走った後のようで。居間のドアに手をかけると中から声がしていた。中に皆がいる、そう思うだけで鼓動が速くなる。今にも飛び出そうなくらい。怖いような緊張のようなよく分からない気持ちがごちゃ混ぜになっている。そんな気持ちを押さえながら一つ、深呼吸する。

「大丈夫、玲音さんもそう言っていたから」

自分自身に言い聞かせる。そして部屋の中に入った。中には皆が座って待っていた。私は皆の前に立って頭を下げる。

「すみませんでした!」

皆の表情は見えないけど、多分驚いている。いきなり謝っているのだから。でも、謝らずにはいられなかった。

「先に謝ります。私は、皆さんの仕事のことを知りました。というかとある人物に聞きました」

声が震える。顔をあげると皆の表情は以外にも険しいものじゃなく、落ち着いていた。それに安心して話を続ける。

「隠していたことを詮索して、すみませんでした。話を聞いて、隠す理由を知りました。危険だって……私のわがままで皆さんの心遣いを裏切ってしまいました。本当にごめんなさい!」

もう一度深く頭を下げる。何を言われても仕方がない。それだけのことを私はしてしまったから。

「姫華さん、謝らなくてもいい。いずれはバレること。それが早かっただけです」

「そうだな、あの社長のことだから仕方ねぇな」

佐々木さんと城之崎さんは言う。まさか、聞いた人物まで当てるとは……それなら一之瀬さんも気づいていたのだろうか。気になって一之瀬さんを見る。

「やっぱりそういう話をしていると思った。部屋から出てきたお前は浮かない顔をしていたからな」

え、明るく振る舞ったつもりなのにバレてる。一之瀬さんには出てきた瞬間に勘づかれていたみたいだ。

「そうだね、君ってすぐ顔に出るからね」

シンさんまで。隠し事は冗談抜きで向いていないらしい。それならさっき話損ねたあの日の怪しい人たちについて話した方がいいかもしれない。そう思って口を開きかけたその時、雪川さんがそれを遮った。

「それで、月野さんと出掛けたあの日に何があったのですか? この際、すべて話してください」

こっちもバレてる。私ってどんだけ顔に出やすいのだろうか。ここまで来ると、ショックに思う。今後、隠し事をしないと心に決めた瞬間だった。


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