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嬉しさ

「これを私に?」

「はい、これは私個人からです」

玲音さんは驚いた顔で私を見る。

「開けてもいい?」

そう聞かれてうなずくと玲音さんは丁寧に包みを開ける。そして箱を開けたとたん、ぱあっと顔が明るくなる。

「このネックレス、本当に私がもらってもいいの?」

念押しして聞いてくる。もちろんと答えるとものすごく笑顔になる。その顔を見たら私まで笑顔になった。

「ありがとう、姫ちゃん。嬉しいわ! 一番嬉しい」

まさかこんなに喜んでもらえるとは思っていなかった私は胸がいっぱいになる。しかも一番嬉しいと言ってくれた。これ以上ない感想だった。

「喜んでもらえて嬉しいです。実はこっそり買ったんです。見つかるとからかわれそうで……!」

「ありがとう」

言い終わると玲音さんは力いっぱい私を抱きしめていた。いつもと違う雰囲気の玲音さんだった。男の人っていうのだろうか。そんな雰囲気に驚いてなにも言えなかった。それに、こうやって抱きしめられると安心するからじっとしていた。でも、力いっぱい抱きしめるもんだから苦しい、かも。そろそろ、限界が……

「あの、玲音さん、苦しい、です……」

すると、パッと力を緩めてくれたが、離してはくれない。この状況を他の人に見られたらまずいのでは、と思いながらも離すようには言えなくて……しばらくされるがままになっていた。

どれくらい経っただろうか。分からないくらい経ってから解放してくれた。実際に離れると名残惜しいと思った。

「ごめんね。姫ちゃんがあまりにも可愛いから、つい抱きしめちゃった!」

そう言ってウインクする。いつも通りの玲音さんだ。さっきとは別人のような雰囲気だった。やっぱり本当の玲音さんがどっちなのかは分からない。あるいは両方か。

「そうだ! これ、つけてみてもいいかしら?」

「もちろんです! よければ私がつけましょうか?」

玲音さんに頼まれてネックレスをつける。男の人とは思えないきれいなうなじだ。こんなきれいって羨ましい。

「できました。すごく似合ってます!」

「そう? それは嬉しいわ。姫ちゃんのセンスがいいのね。一生の宝物よ。大切にするわ」

ただのネックレスにそこまで言ってもらえるなんて、嬉しい通り越して正直、驚いた。とにもかくにも喜んでもらえたから、それはそれで良かった。それから少し話をして別れた。

「喜んでもらえてよかった」

その後、疲れと眠気に襲われてまぶたを閉じる。楽しい一日になってよかった。そう思いながら眠りにおちた。



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