同棲
「行くとこないんでしょ」
私は今後のことについて6人と話し合っていた。異世界から来た私にはもちろんのこと、行く宛などない。ゲームのようになるのかすら分からない、そんな世界だ。皆、私のためにちゃんと考えてくれた。
「やっぱり、ここに一緒に住むってことでいいんじゃないの?」
「うーん、そうだね。こんな女の子一人、放り出すなんてできないしね」
「じゃあ、決まりね! 姫ちゃん、今日からここがあなたの家よ」
「相川さん……あの、本当にいいんですか? お邪魔になるんじゃ……」
すると、佐々木さんは私の頭を優しく撫でた。
「初めに言っただろう? 子供は大人に頼ってもいいって」
「あ……」
初めて彼らに会った、この世界に来たときのことを思い出す。確かに、そう言われた。でも、本当にいいんだろうか。彼らと同棲するのは嬉しい。しかし、迷惑になるのは嫌だ。どうするか考えを巡らせていると
「ああ、面倒くせぇ。いいじゃん、ここにいれば」
「城之崎さん……でも」
「でももだってもなしだ。俺たちがいいって言ってるんだ。そうだろ皆」
皆、それぞれにうなずいている。ここで断ることの方が迷惑かもしれない、そう思った私は遠慮がちにうなずいた。皆は笑顔で私を見ている。
「では、これからよろしくお願いします。姫華さん」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
そうして私はこのイケメンたちと同棲することとなった。男性の中に私一人だけというのは心配ないと言ったら嘘になるが、なんとかなる、そう割りきることにした。やっぱり、皆は優しいのだと思いながらこれからのことについて話し合った。