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気になる会話

家に帰りついたときは六時を回っていた。夕食の時間が近づいている。玲音さんと別れて急いでキッチンに向かう。結局夕食ができたのは色々あり、七時過ぎになった。その後、皆はそれぞれ仕事をすると言って部屋にこもってしまった。一体何の仕事をしているのだろうと気になる。ゲームでプレイしたはずなのに、思い出せない。考え込んでいると後ろから声がした。

「どういうことだよ」

「僕にもわからない。ただ、誰かが密告している」

何かもめてる? それに密告って聞こえた気が。気になった私は会話に耳をかたむける。

「社内に密告者がいるってことか? でも一体誰が」

「いや、社内の人間とは限らない。しかし、このまま"あれ"を発表すればうちが盗作と思われる。とにかく新しいのを考えるから、緊急会議を開く」

そこで会話が途切れた。気づかれないように急いで自分の部屋に戻る。すると体から力が抜け、地面に座り込んでしまう。

「何か聞いちゃいけないことを聞いてしまったかも」

本当に何の仕事をしているのだろうと。出てきそうなのにどうしても出てこない。密告とか盗作とか、良くない言葉が出てきて少し心配になる。それに緊急会議って。ところでこの世界にはパソコンあったっけ? それがあれば一発で分かりそうなのに。ゲームが好きな私はパソコンに強い。親からもよく、ハッカーね、と言われていた。もう本当にその通りで、コンピューターウイルスなんかも自分でどうにかできるくらいに……すると誰かがドアをたたく。落ち着いた私は立ち上がりドアを開ける。

「一之瀬さん、どうしましたか?」

「実は仕事の会議をするんだ。だからしばらく居間には近づかないでほしい」

会議、おそらくさっきの会話のことだ。ますます心配になる。皆なら大丈夫だろうけど。

「わかりました。会議、頑張ってくださいね」

気になる気持ちを押さえ込んで返事をする。一之瀬さんはうなずいて居間の方へ急いで行った。私は部屋でなにも考えずにボーッとする。でも頭のなかにはさっきのことがぐるぐるとしている。どうすれば良いのだろう。聞くに聞けないし、関係ないって言われればそれまで、聞けなくなる。せめてどんな仕事だったか思い出せたら。

「私って記憶力ないな。肝心なところでいつも」

自分で自分が嫌になる。これ以上は無理と思った私は会議が終わってから皆に聞くことにした。ちゃんと答えてくれる保証はない。それでもなにもしなければそれまでだから。何か私にできることがあるかもしれないし。ポジティブ思考でいくことにした。それから二時間ぐらい、九時半くらいに会議が終わった。

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