味噌汁
翌日、安心した私はぐっすりと眠ることができた。昨日は色々あったが皆との絆が深められた気がする。
「そろそろ朝食の準備しなきゃ」
家事を手伝うことになっているので早速、キッチンに向かう。キッチンにはすでに雪川さんがいた。
「おはようございます」
「姫華さんおはようございます。眠れましたか?」
「はい、お陰さまで。あ、今日は何を作りますか?」
雪川さんいわく、今日の朝食は和食。白米、味噌汁、お魚、ほうれん草のお浸しを作る。私は味噌汁担当になった。料理には自信があるから、腕によりをかけて調理し始める。久しぶりの料理に少しだけテンションが高くなるのを感じた。私が丁寧に味付けをしていく中、雪川さんは自分の担当する料理を作り終わっていた。
「雪川さんは本当に料理が上手いですね。ちょっと羨ましいです。私もそんな風になりたいです」
「姫華さんだってお上手ですよ。それにこういうのは慣れです。いつも三食作っていればできるようになりますよ」
そのあと、味噌汁も完成し時間が少し余ったので、料理について語りあっていた。雪川さんの話はとても為になる話で、短い時間だったにも関わらずいろんなことを得た気がする。本当に上達するかもしれない、そう思った。昼食の時間が待ち遠しくてならない。その前に朝食をとらないといけないのに。
「おはよう、姫ちゃん」
「玲音さん、おはようございます」
「元気だね、おはよう」
「佐々木さん、あ、シンさんもおはようございます」
次々に来る皆に挨拶をする。昨日のことがあったせいか、あるいは気のせいかは分からないが皆の態度が変わった気がする。本当に家族みたいと言うか……
皆はすぐに揃い、朝食を食べ始める。少しドキドキしながら皆の顔をチラチラと見ていく。
「あ、この味噌汁味が違う」
「!」
どうしよう、すごくドキドキし始めた。感想を聞きたい、けどちょっと怖い気もする。
「確かに違うわね。なんと言うか、美味しいわ!」
「え、本当ですか!」
思わず身を乗り出してしまう。皆、驚く。しまった、と思い、すぐに席につく。
「これ姫ちゃんが作ったのね。すごく美味しいわ」
「ああ、確かに旨い。俺好みの味付けだ」
「一之瀬さんも、ありがとうございます。すごく嬉しいです。作った甲斐があります!」
今の私にとって一番の言葉だ。美味しいと言われると嬉しいから、料理はやめられない。クセになる感じ。朝食が終わってからも味噌汁を褒めてくれた。ただただ嬉しかった。昼食はもっと腕によりをかけて作ろうと思いながら、家の掃除を始める。もっとも、この家は元々きれいなのでどこを掃除するべきか迷った。皆がよく通る廊下を掃除することにする。掃除が終わってから改めて思う。汚れがこの家からは出てこない。きれいすぎる、そう思った。




