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第2話 岩場でのサバイバル

三郎「……さて」

 海を見ながら、小さく息を吐く。

 異世界だとか、女神だとか。

 正直、まだ実感は薄い。

 だが——

 三郎「釣れるし、金にもなる、と」

 それだけは事実だった。

 足元に目を落とす。

 岩場。

 波が打ち寄せ、泡が弾けている。

三郎「……いかにもだな」

 こういう場所は、魚がいる。

 それも、岩場に着くやつが。

 三郎は竹竿を握る。

 餌は、さっきと同じくその辺で拾った虫だ。

三郎「まぁ、まずは生活だな」

 針に餌をつける。

 軽く振り、海へ落とす。

 ぽちゃん。

 波に揺れる仕掛け。

 少し待つ。

 ——コツン。

三郎「……来た」

 軽く合わせる。

 ぐっと重みが乗る。

三郎「お、さっきよりいいな」

 引き上げる。

 上がってきたのは、小さな魚。

三郎「……ネバリか」

 見た目は地味だが、岩場ではよく釣れるやつだ。

 次の瞬間——魚が消える。

『120円を獲得しました』

三郎「……細かいな」

 だが、ちゃんと金になる。

三郎「まぁ、悪くない」

 そのまま、もう一度仕掛けを落とす。

 ——コツン。

三郎「早いな」

 また釣れる。

 今度もネバリ。

『110円を獲得しました』

三郎「微妙に違うのか」

 何度か繰り返す。

 三匹、四匹、五匹。

 三郎「……結構いけるな」

 気づけば、魚は十匹近く釣れていた。

 三郎は手を止める。

三郎「……半分は食うか」

 全部金にするのはもったいない。

 せっかくなら、食えるものは食う。

 五匹をそのまま換金する。

『合計 560円を獲得しました』

 三郎「……こんなもんか」

 残りの魚を見る。

三郎「で、問題はここからだな」

 火がない。

 ナイフもない。

三郎「石で火起こしは……無理だな」

 しばらく考える。

三郎「……買うか」

 意識を向ける。

 すると、視界の端に“リスト”のようなものが浮かぶ。

三郎「……ほんとに通販だな」

 スクロールする。

 三郎「……あった」

 ライター。

 安い。

三郎「これでいいか」

『100円を消費しました』

 手の中に、小さなライターが現れる。

三郎「便利すぎるだろ……」

 続けて探す。

三郎「……ナイフもいるな」

 簡易ナイフを選ぶ。

『300円を消費しました』

 三郎の手に、ナイフが現れる。

三郎「よし」

 岩場の少し乾いた場所へ移動する。

 拾った木片や枯れ草を集める。

 三郎はライターを使う。

 カチッ。

 火がつく。

三郎「……文明の力だな」

 火が広がる。

 小さな焚き火になる。

 三郎は魚を手に取る。

三郎「とりあえず、内臓だけ出すか」

 ナイフを入れる。

 手際はそこまで良くないが、なんとか処理する。

 串代わりに細い枝を使い、魚を刺す。

 火にかざす。

 じゅう、と音がする。

 脂が落ちる。

 いい匂いが広がる。

三郎「……腹減ったな」

 しばらく待つ。

 焼き上がる。

 三郎は魚を口に運ぶ。

三郎「……うまっ」

 思わず声が出る。

 塩も何もない。

 だが、十分にうまい。

三郎「……これで生きていけるな」

 火を見ながら、呟く。

 波の音。

 風の音。

 そして、焚き火。

 静かな時間が流れる。

三郎「……悪くない」

 空を見上げる。

 この世界で、どう生きるか。

 三郎は、ゆっくりと息を吐いた。

三郎「……釣るか」

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