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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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2/16

2話

内容はないようです

後輩が来た日から数日。


ついに俺は退院した。


右手には教科書が詰まった袋。

左手には、同室のじいちゃんからもらった退院祝いの大師巻き。


そして目の前には

病院の花壇に頭を突っ込んで寝ているおっさん。


……何これ。


駅前でもたまに見るが、最近あたまお花畑(物理)でも流行っているのか?

本当にここは治安という概念が迷子になっている。


さっさと駅ビルの本屋にでも寄って帰るか。


数分歩くと、道の途中に神社がある。

祭りのとき以外、まともに見たこともなかったが


思ったより、広い。


だから何だと言われれば、何も得はしていない。


そのとき。


「……」


境内の奥から、小柄な人影がこっちに向かって手を振りながら走ってくる。


……無視して帰ったら面白いかな。


「東海林君、久しぶり〜」


「ああ、秋山か」


結局、捕まった。


秋山。

同じ高校に進学した、俺の数少ない友人。

中学時代、スマホを持っていなかった絶滅危惧種だ。


「ここで何してるんだ?」


「それは東海林君こそ、学校にも来ないで何してるんだい?」


「二週間くらい入院してた」


「え?……大丈夫?」


「足がちょっと痛いくらい。死にはしない」


「それなら良かった」


秋山は、ほっとしたように息を吐く。


こういう素直な反応を見ると、少しだけ罪悪感が湧く。


「そういえば、僕スマホ買ったんだよ」


「文明開化か」


「失礼だなぁ」


「じゃあ連絡先交換しとくか」


「LINEと電話番号、どっちにする?」


「両方」


スマホを借りて登録する。


秋山の連絡先欄をちらっと見ると登録件数、ほぼゼロ。


親しか入ってなさそうだ。


……こいつ、友達いないのか?


中学時代を思い返しても、秋山が俺以外と一緒にいる姿をあまり見たことがない。


女子とも男子とも、一定距離。

近いようで、遠い。


何年も一緒にいるのに、未だによく分からない奴だ。


「それで東海林君、これからどこ行くの?」


「駅ビルの本屋に寄って帰る」


「なら僕も一緒に行っていいかな?」


「別にいいぞ」


「やった」


少しだけ、嬉しそうに見えた。


役所通りを二人で歩く。

……こんなに人、多かったか?


二週間外に出てないだけで、町が別物に見える。


「秋山、神社で何してたんだ?」


「おみくじを引いてきただけだよ」


「結果は?」


「大吉」


どや顔。


……腹立つな。


今の俺が引いたら、末吉すら怪しい気がする。

いや、「凶:交通事故に注意」とか出そう。


前を通る人が、ちらっと秋山を見る。


小柄で中性的な見た目。

整った顔立ち。

可愛いは正義、ってやつか。


「アゼリア経由で駅ビル行くか」


「地上でも地下でも、どちらでもいいよ」


「地下。風ないし」


「パチ屋の方から入る?」


「そのルートしかないだろ」


階段を降りると、まずパチンコ屋。

少し歩けばゲーセン。

その上にまたパチンコ屋。


ギャンブラー育成施設か何かか?


そんなことを考えていると、秋山がじっと俺を見ながら歩いている。


前向け。


「何だよ」


「東海林君、何か考え事してそうだったから」


「くだらないことだ」


「それはそれで気になる」


「気にするほどじゃない」


「逆に気になるよ」


面倒くさいな、こいつ。


「本屋行った後どうする?」


「東海林君の家でゲームしよう」


「退院初日に人ん家上がる気か」


「ダメ?」


少し上目遣い。


……ずるい。


「どうせ暇だし、いいけど」


「やった」


また、ほんの少し嬉しそうな顔。


秋山は昔から俺の家によく泊まりに来ていた。

そのたびに親が向こうの家に連絡していたが

今考えると、あいつの家の事情、俺ほとんど知らないな。


……まあいいか。


俺に害があるわけじゃない。


分からないままでも、問題が起きてないならそれでいい。


多分

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