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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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14/18

14話

感情は重けりゃ重いほど可愛い

そして入院してから何日かが過ぎ、ようやく俺は退院を許可された。


二度目の退院。


嬉しいはずなのに、妙に現実味がない。

現在、俺と響は病院一階のロビーで秋山を待っていた。


平日の昼間。テレビでは昼のバラエティが流れている。ちょうど『笑っていいとも!』がやっている時間帯だ。

……いや、普通に学校ある時間だよな?


俺は隣を見る。

響は当然のように俺の膝の上に座っている。


「響、いつまで膝に乗ってるの?」


「……ダメ?」


上目遣い。


「まぁ、良いけど」


周囲の視線が少し痛いが、今さらだ。


それより問題は金だ。


今年の入院費、やばくないか?

スマホで見た請求予定額を思い出し、胃がきゅっとなる。

貯金が音を立てて消えていく未来しか見えない。


……命が助かった代償にしては高すぎないか?



……東海林さんの膝、あったかい。


病室のベッドより、ここが落ち着く。

本当は後ろから抱きしめてほしい。

でも、ここはロビー。人もいる。


……じゃあ、私から後ろ向いて抱きつこうかな。

でもそんなことしたら、嫌われるかもしれない。嫌われるのは、怖い。


「響、どうしたの?」


「……うん?」


「さっきから同じ方向ずっと見てる」


……そんなに見てたかな。

今なら言えるかな。抱きしめてって。

でも


「……なんでも、ない」


その瞬間、頭に温もりが落ちる。

撫でられている。もっと撫でてほしい。


でも、そろそろ来る。



自動ドアが開き、見慣れた金髪が入ってくる。


秋山だ。


「東海林君、歩けるの?」


開口一番それか。


「歩くのは問題ない」


「なら良かった。それじゃあ帰ろうか」


普通に学校サボってるよな、こいつ。


「てか、俺いない間ご飯どうしてた?」


「レンチンって最強だよね」


即答。

安心したような、してないような。

秋山は料理が壊滅的だ。レンジの方が安全なのは事実だ。


「じゃ、帰るか」


「……うん」


響がようやく膝から降りる。

立ち上がると、背中が少しだけ引きつる。

まだ完治ではない。


俺の右に響、左に秋山。

横三列。廊下いっぱいだな。


「秋山、明日から学校行った方がいいと思う?」


「行った方がいいと思うよ。響君も含めて」


「……東海林さんが行くなら行く」


即答。


この子、俺がいなかったらどうなるんだろう。少しだけ、不安になる。


自動ドアを抜け、外の空気を吸う。

久しぶりの外。


そのまま、俺たちは神社の方へ歩き出した。


「東海林君、また神社?」


「御神籤まだ引いてない」


二度も入院しておいて、運勢を確認しないのも怖い。


「……私も、引いてない」


「じゃあ響も引くか?」


「……うん」


石段をゆっくり上る。


傷口がじわりと主張してくる。

賽銭を投げ、鈴を鳴らし、引いた御神籤。


俺は吉。、響は大吉。


「……大吉」


小さく、でも少しだけ嬉しそうに言う。


「俺が吉で、響が大吉か」


俺の人生、本当に吉止まりなんじゃないか?


死にかけて、生き延びて、また日常に戻る。

それが吉なのかもしれないけど。


神社を出て、スーパーに寄る。

カゴを持つのは秋山。俺はまだ荷物の持つのはダメらしい。


響は俺の袖を掴んだまま離さない。


「……東海林さん?」


「ん?」


「……おかえり、だね」


「ありがとう響、秋山はここに暮らそうとしるよね」


「勿論だよ」


これは親にあとで怒られるだろうが、今は今を噛み締めようかな。


ヤンデレ男の娘にする気はないです

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