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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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12/18

12話

眠いです

古びた木造アパートの前で足を止める。二階建て。外壁は色褪せ、ところどころ塗装が剥げている。夜の冷気が肌に張り付く。


階段を上るたびに、ぎし、と乾いた音が鳴った。金属の手すりは冷たく、指先の体温を奪っていく。


響の手は小さく震えていた。


玄関のドアを開けた瞬間、鼻を刺すアルコールの匂いが流れ出る。むせ返るほど濃い。


視界に飛び込んできたのは、積み上げられた段ボール。生活用品、開封もされていない箱、潰れたペットボトル。足の踏み場がほとんどない。


奥のリビングからテレビの音が漏れている。バラエティ番組の笑い声が、やけに空虚に響く。


男が一人、酒瓶を片手に座っていた。


「……誰だ」


低い、濁った声。


「東海林です」


喉が渇くのを感じながら答える。


響が一歩前に出た。


「……この人の家で住む」


その一言で、空気が凍った。


男の目が細くなる。

ゆっくりと立ち上がる。

椅子が倒れ、床にぶつかる音が響いた。


「ふざけんな」


怒鳴り声と同時に、男の体が一直線に突っ込んでくる。


速い。


酔っているはずなのに、勢いだけは異様だった。


俺は反射的に響の腕を掴み、横へ引く。

拳が頬の横をかすめる。風圧だけで分かる。

そのまま男は壁に激突した。鈍い衝撃音。

だが止まらない。振り向きざま、今度は体当たりのように突進してくる。


狭い廊下。後ろは壁。逃げ場がない。

再び体を捻ってかわす。

男はキッチンへ倒れ込み、食器が床に散った。割れる音が連続する。


その音が止んだ瞬間、異様な静寂が落ちた。


嫌な予感。


男がゆらりと立ち上がる。


その手に、光るもの。包丁。

刃先がテレビの光を反射する。


響の指が、俺の服を強く掴む。震えている。

距離は三メートルもない。


「死にてぇのか」


低い声。足音。踏み込み。

床を蹴る音が近づく。

狭い。避けきれない。


俺は響を背後へ押しやる。

振り下ろされる刃。体を傾け、紙一重でかわす。切っ先が壁を削り、石膏が散る。


二撃目。横薙ぎ。速い。

響の位置が悪い。この軌道は当たる。


考えるより先に体が動いた。

響を抱き寄せ、覆い被さる。


衝撃。鈍い感触と同時に、肩の奥へ焼けるような熱が走る。


「っ……!」


刃が食い込む感覚。肉を裂く感触が、生々しく伝わる。


呼吸が止まる。包丁が引き抜かれた瞬間、血が一気に溢れ出すのが分かった。


温かい液体が背中を伝う。


男は舌打ちし、後退する。


そのまま玄関へ走り、ドアを乱暴に開ける音。閉まる音がやけに遠い。


静寂。耳鳴りが響く。


視界の端で、床に赤が広がっていくのが見えた。


二回目だ。


妙に冷静な自分がいる。

だが、出血量が違う。足に力が入らない。

膝が崩れ落ちる。


響が必死に支えようとするが、体格差がありすぎる。


「東海林さん……!」


声が遠い。


涙で滲んだ顔。


そんな顔するな。

俺は震える手で、響の頭を撫でた。


「……大丈夫」


自分でも分かる。嘘だ。


視界が白くなる。天井が歪む。


遠くでサイレンが鳴っている気がする。


誰が呼んだのか、分からない。

最後に見えたのは、泣きながら必死に何かを叫ぶ響の姿。


そのまま、意識が落ちた。


男の娘は可愛いしついてるからお得

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