ちょっと!痛いでしょ……
「彼女を殺したら物語が終わっちゃうわ!」
そう言いハテ子が教室へ入ってきた。夢波はかなり息が荒く、口から血が漏れていた。ハテ子がいることに驚いた様子であり、何か察した様子の礼都はすぐに夢波から離れた
「アタシの大切な子を唆すなんて、悪い男子もいるものね。それに、何よ?この修羅場は……?」
「ハテ子、ごめん。私、殺そうとしちゃって……どうしても、萌歌を殺さないとダメな気がして……誰が為に……」
夢波は俯き、目を逸らしていた
「蝶々は完全に去ったわ」
「っ……?」
「法律はね、したら罰があるって忠告文よ。ほんとに殺したいのなら、罰を覚悟で殺せばいいわ」
殺せば……いい
「萌歌は死なれたら困るのだけれどね。それより夢波、アナタ魔法少女に着替えなさい」
「ちょ、みんなの前で!魔法少女って、もっと正体隠したり……」
夢波は女子更衣室で魔法少女に着替えた
「それで、物はどこに現れるの?」
場の視線は冷たかった。礼都は言う
「夢波、魔法少女に怒られるぞ?」
「いや、これは私がデザインしたんじゃなくて……」
少し場が止まると、ハテ子は窓の外に目を向ける
「物じゃないわ。今回はね……」
「物じゃない……?」
雨のような音が響き出した。目に映るのは、紫色のドロっとした雨
「面白いくなってきた。物語が動く」
礼都はそう言い窓辺に立つ。夢波と彩夏は自分の目を疑いつつも、窓辺から離れる
「ちなみにアレは猛毒よ。触れたら皮膚が死ぬわ」
「そうなの?!」
「なんで……知ってるんですか?」
彩夏の問いに答える
「蝶がどう成長しようと、生まれ故郷は変わらない。バタフライエフェクトってやつよ」
「バタフライ……難しい……ですね」
礼都はそれに覚えがあった。雨は酷くなっていく。礼都が外を静観していると、窓縁に手が掛かった。下から登ってくるような
「敵か」
礼都は力強く窓を閉じた
「ちょっと!痛いでしょ……」
『アレは猛毒よ。触れたら皮膚が死ぬわ』
あの手、皮膚が死んでない……
「あの手、皮膚が!」
「正解よ。自分の魔法で死ぬようなアホな子じゃないわ」
「魔法?」
その手は窓を破壊した。そして、教室へと登り切る。礼都は後ろへ飛び、距離を取った
「毒でじわじわ死なせて死なせて……」
その立ち姿は、赤い髪をミディアムまで伸ばした女であり、黒い服、タイツに黒いスカート、上は厚着をしていた
「敵は魔法少女よ」
「ええ!敵が魔法少女!?物じゃなくて?」
「魔法少女?なにそれ。私は魔法使いだよ」
「ど……どっち?」
「魔法少女よ」
なんか相手の人納得してない……
「外に鞄落ちてたよ……悪い悪いいじめっ子は、だーれ?ほら、毒で毒々しちゃうから」
「彼女は、野崎妃揺よ。妃揺は酷くいじめられてね、自殺しかけたのよ。そういった意味では、夢波に似ているわね」
「えっと……つ、辛かったよね……?」
「どこで知った!!!」
毒で作られたツタ四つがハテ子に向けられる。妃揺の上着の下から出てきている
「必殺魔法!メタネタガーディアン!」
ハテ子は鉄の盾を持ち、何度と続くツタの猛攻を全て防いでいる
「私に任せて!」
夢波は魔法を溜めている
「それはダメよ。人間に使ったら死ぬわ」
「そうなの?!でも相手魔法少女だよ?」
「魔法少女は耐性があるけどね、それは火力の桁が違うのよ。物にしか使ってはダメよ」
そんな……
「なら、なんで私が着替えたの?」
「後で必要になるからよ」
礼都は倒れた萌歌を抱え、廊下に向かう
「彩夏、お前もこっちだ」
「は、はい」




