今日でデットオーバーだから!
翌朝になると、夢波は学校へと向かっていた
『今日は登校するのよ』
『無理だよ……それに、私には魔法少女って使命があるし……』
『それはデッドよ。魔法少女では食っていけないわ。現状の学歴社会にしっかり対応しなさい。でないと、アナタ死ぬわよ?』
死ぬって……大袈裟な
『でも学校は行かない!』
『ならマニュアルを渡すわ』
ハテ子は一冊の薄い本を夢波へ渡した
『これは……』
『マニュアルよ。しっかり読んでおくといいわ。それと、例の教師は懲戒処分されるそうよ』
『懲戒処分ってことは……いつかは戻ってくるの?』
『そうならないよう、アタシが裏から動くのよ。アイツのことは心配しなくていいわ』
教室の前へ立ち止まる
相手は髙梨萌歌……でも恐れることはない。私にはハテ子って後盾もあるし、何よりマニュアルがある……
教室の扉を開くと、教室には萌歌しかいなかった。一人座っている、その美しい容姿をした長く金髪でポニーテールの女。鋭い目つきは、その美しさを後押ししていた。萌歌は夢波に気づいており、目が合った
大丈夫、マニュアルは負けない!
「萌歌、今日でデットオーバーだから!」
そう指を差し言うが、萌歌は全く動じず、退屈そうに机に肘をついていた
マニュアルが……負けた……
そう沈黙が続くと、夢波は後ろから肩を叩かれる
「ひっ……はい、誰ですか?」
勢いよく振り向くと、岡崎彩夏が立っていた。黒い髪をポニーテールにした小柄で可愛らしい女の子であり、彩夏もまた萌歌の標的の中の一人だった
「彩夏、私より早く来なかったらダメって言ったよね?」
「ごめん……」
『マニュアルA、とにかく変人アピールよ』
これはハテ子の真似でいいんだよね?
萌歌は彩夏の下へ行くと、その鞄を取り上げた
「や……めて……」
「それでやめる奴は、最初からやってないから」
萌歌は軽く走ると、その鞄を窓から思い切り投げ捨てた
「あ……私のっ……」
萌歌はそう笑い声を荒げる。そんな中、夢波はその美しい肌にデコピンをした
「いたっ……夢波……お前、自分が何したか分かってるのか?」
まずい……怒らせた……やりすぎた。でも、マニュアルがあれば勝てるはず。萌歌は私が対象するわ!
「あら、何よ……怒り?イカリング?それとも船の錨?金偏に猫の右側で錨になるわ!」
ハテ子こんなこと言わなそうー!さすがにやりすぎた?もしかしてネタ抜きで殺される?
夢波の心臓の鼓動は激しくなっていた。それを表に出ないよう、呼吸を抑え我慢していた
『マニュアルB、やり返しなさい』
夢波は声をかける
「ね!彩夏」
「え……なに?」
「これがハテ子のやり方だよ!」
夢波は走ると、走る勢いを殺さず萌歌の鞄をロッカーから取り出した
「ちょ、待っ……」
「こんな物は捨ててやる!」
萌歌の鞄を思い切り投げ捨てた
「それとこれも」
続いて自分の鞄も投げ捨てた
「……お前、ほんとに何してるの?」
「優しさエキス、やさいせいかつ!」
そう親指を立てグー!をした。その場はしばらく固まり、夢波はその後何かされるのではないかと、そんなことを考えるのを忘れていた




