表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/14

これは残酷なゲームよ

こたつを囲んで三人は座っていた。妃揺と萌歌はまだ眠っており、上には布団を掛けてある


「それでハテ子……なんで萌歌まで?魔法少女なら私と里奈がいれば大丈夫だし、妃揺も味方か分からないじゃん」


不安そうな夢波はそう言う


「主要の面面(つらづら)が集ってきたわ」


ハテ子はオレンジジュースを口にした


「唐突の告白。アタシはね、簡単に言うとゲームをしてるのよ。何度も何度も同じ箇所(じかん)を繰り返して、失敗したらコンテニューをしてね……」


「どゆこと?同じ……?繰り返してる?」


「それって、ほんとですか?ほんとならば、ほんとにゲームみたいですね……でもそんなことが……」


ハテ子の目には蝶が見えた。そんな気がした


「鵜呑みにしなさい。これは残酷なゲームよ。そして、クリアには多くの戦力が必要……アタシはアタシの目的の為に、アナタたち魔法少女を利用するつもりよ」


ハテ子は立ち上がる。それと同時に、手に持つみかん剥くと、それを一粒口にした


「公園の物との戦い……アタシは大きいミスをしたわ。それにより、アタシの知ってる流れとは変わってきたのよ。夢波が萌歌を倒した。その変化が、きっと大きな分岐点になるわ」


「分岐点……」


「萌歌には夢波に負けたという記憶が残り、夢波は倒したという記憶が残る。それにより考えや認識も変わり、少しずつ本来の世界と異なっていくのよ。バタフライエフェクト……これの崩壊により、この世界線は、もうアタシの知らない域に入りかけている」


「ハテ子……ごめん、難しくて理解できない」


「あらあら……」


里奈も立ち上がる


「私たちにそれを話して良かったのですか?ここでその話をするのは前例のないはずです」


「ええ、前例がないわ。アタシも何回もコンテニューできるわけじゃないの。この執念が少しでも疲れを見せたら、もう戻れなくなるわ。これは賭けなのよ。知らない世界になるのなら、多くの情報をアナタたちに託す……そう言った意味では、アナタたちを深く頼ってる……言い換えれば利用してることになるわ」


夢波も勢いよく立ち上がる


「なんか複雑な話は分からないけど、私を利用してよ!ご利用のお客様には特別にサービスだってするから!」


「あら、夢波……」


「私もです。ハテ子さんに利用されるのは嫌ではありませんし、私は……帰る場所もありません。結論私にはハテ子さんしかいません!」


「帰る場所……そうよね。なら一つ、紗刻(しゃっこく)という組織があるわ。裏社会の組織だけれど……里奈は知ってるわね」


「里奈が?」


ノックが掛かる


「このイベントね……」


「イベントってそんなゲームみたいな……」


ハテ子は里奈の胸元に手を置いた


「ひっ!なん……ですか?その……ハテ子さん……えっと、そんな急に……」


里奈の服の中に小さな包みを落とした


「ひっ!なんか変な……」


「服の中に入れておくタイプのプレゼント。出したら福が逃げるわよ……服だけに」


ハテ子は手をどける。ハテ子の表情からは少し余裕が消えており、余裕の表情を作っているようだった


「この後、アタシは警察に逮捕され、里奈はコールドスリープさせられるわ。つまり、夢波と妃揺、そして萌歌との、ちょっと不安な三人旅になる」


「待って、ハテ子が逮捕されるって?それに里奈がコールドスリープ?全く話が見えない……それに、ハテ子がいなくなったら、私何をすればいいのか……」


「話を見せてないのよ。このイベントはアタシの手が無くとも上手くいくわ。蝶がしっかり飛んでくれればね。ヒントを出すのなら、妃揺より萌歌を信じなさい。萌歌の脆弱な箇所は大腿(だいたい)よ」


「大腿……?」


再びノックが鳴る


「警察だ。永久乃果子(とわのはてこ)、いることは分かってる!出てこい!!」


変わった名前ぇ……


「夢波のすることは簡単。こたつの中に萌歌と妃揺を隠した後、警察が去るまで自分もこたつに隠れておく。アタシと里奈さえ見つかれば、奴らはすぐに去ってくわ」


ここから先は……ハテ子なしで、それも萌歌とやってくの?やっていけるの?


「でもハテ子……なんで警察に逮捕されるの?もし冤罪なら警察に説明すればいいし……」


「話して解決する冤罪でないわ」


「そう……なんだ……」


少し間が開く


「時間は余ってないわ。夢波、早く隠れなさい。それと、里奈は何も反抗せず、素直に捕まりなさい。必ず助けに行くわ」


「は……はい」


夢波は二人と共にこたつへと隠れた


「夢波にもプレゼントよ」


こたつから顔を出す夢波の背中と服の間に一枚の紙を入れた


「冷た!」


「シャツ着てる癖に大袈裟よ」


「いや、シャツの下に入れてるから!」


ハテ子は夢波の頭に手を置いた


「それはマニュアルMよ。ここから先は少し大変だけど頑張るのよ。アナタはね、萌歌にも負けないくらいの自信を持ちなさい。いじめられる子は、いじめれそうって思われちゃう子なのよ」


そう言い、こたつの布団を閉じた


「里奈、アナタが開くのよ、その扉を。まるでハテ子という誘拐犯に捕虜(ほりょ)られてた可哀想なアシカの子のように」


「いえす!ハテ子さんの指示なら、全て鵜呑みにします」


里奈は扉を開いた


「開いたぞ……って、里奈ちゃんだ……それに……後ろにいるのは、永久乃果子か!」


「おっと、サツは困るわよ」


ハテ子は窓を開き、外へと逃げる


「逃げたぞ!」


「俺は奴を追う!お前は里奈ちゃんを」


「はい!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ