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誰だって魔法少女になれるわ

ハテ子と妃揺の戦いは続いていた


「もっと痛い攻撃で縫ってあげる!」


妃揺は毒の矢を何十本と飛ばす


「やな子。必殺の大盾よ!」


ハテ子は折りたたみ傘を素早く開き、その毒を防いだ。夢波はハテ子の後ろにおり、守られている。礼都が教室へと戻ってきた。扉は閉じてあり、密閉となる


「ハテ子すごい!」


「トロイ、アナタは魔法をチャージしてちょうだい。そろそろ……だわね」


「それ撃ってよ?私を倒すなんて無理だよ?それくらいの魔法じゃないとね」


妃揺は笑いながら、自分の腕を爪で引き裂いた


「ねえ、そうやって現状を抑えることしかできないの?私を殺す気で撃ってみてよ!びびってんの?」


妃揺は笑い、荒れ狂っていた


「アタシたちは人間相手に攻撃をしないわ。アナタが死んだら、アタシは悲しいわよ?」


「私が死んでもパパもママも何も言わない。それに、お前に悲しまれても嬉しくないから」


巨大な毒の針がハテ子に迫る


「やだ辛辣ね……トロイ、今よ!」


「イエス!オーケー!」


夢波はその魔法を放つ


「行け!デストロイ!!」


その毒を押し切り、その魔法が妃揺が当たる直前、ハテ子が妃揺を片手に運び、当たらない範囲へと移動させた


「なにしてるの……敵だよ?」


ハテ子は妃揺の頭を撫でていた


「傷ついた子は、自分を大切にすることを忘れるのよ。自分を大切にしている余裕すらもないのよ」


「……ねえ、そんな無防備でいいの?今なら殺せるよ」


「したいならしなさい。アタシが死んでしまうけれど」


妃揺はハテ子の膝に頭を置いた


「なんか、力が入らない。それに、紗刻(しゃっこく)の人たちになんて説明したら……」


妃揺は泣いていた


「マノイセさんになんて言えば……何を言えばいいのか……」


力が抜けたよう、ハテ子の膝で意識を失った


「魔力が切れたのよ……そう、奴らに縋ってる哀れな子よ。この子はね」


夢波はその妃揺の顔を見ていた。目を瞑っていても、何かに怯えているような……


「ハテ子……紗刻ってのは?それに、マノイセさん?って人も、ハテ子は知ってるんだよね?」


「ええ、べーリグよ。紗刻には大切なものを貸したままなのよ。ほんと、早く返してもらわないと困るのだけれどね」


ハテ子は妃揺を横抱きし、立ち上がる


「あら、夢波がいたから楽に勝てたわ。ほんとは一人で倒す予定だったのよ?」


「一人って……私をもっと頼ってよ!」


夢波は少し誇らしげに言う


「あらあら、頼もしいわ。なら、妃揺を住処まで運んでちょうだい。アタシは萌歌を運ぶわ」


「え、住処に萌歌も連れてくの……?」


嫌そうにしていた


「形は違えど、萌歌は死との境に立った。そうなった女の子は、誰だって魔法少女になれるわ」


夢波は引っ掛かった


「死との境って?」


「この血よ。ここまで酷いものなら、死の境に立っているはずよ」


当たりどころが悪かったんだ……

もし迷わず殺してたら、ハテ子怒ったかな?


家へ戻ると、里奈がこたつで横になっていた。完全に身体がとろけており、まるで正月に戻ったような景色だった


「あらあらあら、帰ったわよ」


「ハテ子さん……申し訳ないのですが、私は一歩も動きたくありません。この快感を知ってしまって、その……気持ちいい……」


「家じゃこたつにも入れないものね。ここでしか味わえない暮らしを堪能するといいわ。けど、ちょっと魔法を貸してくれるかしら?怪我人が多いのよ」


「え、はい……もちろんです」

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