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勝利の宴

 

 食堂でシルクさんに心配かけた事を怒られた


「でも、生きて帰って良かったよ」


 そう言って抱きしめられて、頭を撫でられた

 最近、色んな人に子供扱いされてる気がする



 ーーーーーーーーー


 スモモを胸ポケットに入れて、マイヤと一緒にギルドに顔を出す

 カヴァレッタ討伐からどうなったか、それを確認する為だ

 あと、目が覚めた事の報告だ


「おぉ! レイ! 目が覚めたか!」


 リュゲイさんが自分に気付く


「リュゲイさん」


 リュゲイさんに駆け寄る


「お前が倒れた時は肝が冷えたぞ!」


 リュゲイさんがそう言って微笑む


『自分が倒れてからどうなりました?』

 →『あれからどうなりました?』


「あれからどうなりました?」

「レイが倒れた後か? あの後ギルドにレイを運んで、ヒュームやエルメル、他にも数人の医者が診て、魔力切れだからって魔力薬を飲ませて部屋で寝かせたんだ」


 自分はそうやって処置されたのか


「それで、ギルドマスターに報告して、この数日間はカヴァレッタが再び現れないか警戒してる感じだな、エルメン達は街の外を見廻ってるよ」

「気絶してるレイに、エルメルの魔力薬を何本も無理矢理飲ませたりしてね」


 モーリンさんがやって来た


「あ〜やってた」


 スモモが反応する


「飲んだから回復したんだろ、飲まなかったら口移しで飲ませるところだった」

「口移し……」


 自分のファーストキスは無事なようだ

 周りを見渡す

 ギルドは通常営業に戻ってるようだ


「レイくん! 目が覚めたんですね!」


 アヤメさんが駆け寄ってきた


 →『心配かけました』

『ご迷惑をおかけしました』


「心配かけました」

「身体はもう大丈夫です?」

「まだ怠いですけど、それぐらいですね」


 明日には、この怠さも治ってるんじゃないかな?


 皆で話していると


「戻ったぞ〜って、おお! レイ起きたか!」


 エルメンさん達が帰ってきた

 ギルドマスターも一緒だったみたいだ


 →『お帰りなさい』

『起きました』


「お帰りなさい」

「おうただいま!」

「どうだった?」


 リュゲイさんが聞く


「ああ、カヴァレッタの巣を見つけた、かなり遠かったが、卵もあったからな、全て処理した」

「じゃあ……」

「ああ! カヴァレッタ討伐完了だ!」


 エルメンさんがそう言うと、周りに居た冒険者達から歓声があがった


「よっしゃあ! お前ら! 酒場に行くぞ! 宴だ! 金は俺様とオッサンで出す!」

『うおおおおおおお!!』


 なんか盛り上がってる


「良いんですか?」

「構わん!」


 エルメルさんがギルドマスターに聞いていた


「レイ! お前も行くぞ!」


 →『酒飲めないんですど』

『ご飯あります?』


「酒飲めないんですけど」

「なら飯食え!」


 抱きかかえられて、無理矢理連行された


 ーーーーーーーーーーーー


 その後は、酒場で色んな人が集まり、飲んだり食べたり

 いつの間にか、街中がお祭り騒ぎになっていた


 夜になっても、この騒ぎは続いた


 ある程度飲み食いした自分は、酒場の2階のベランダ(?)でひと休みしていた

 スモモとマイヤは1階でモーリンさんに捕まっている


「よう、ここに居たか」


 エルメンさんがやって来る


『少し疲れたので』

 →『酒臭くて』


「酒臭くて」

「酒場はそんなもんだ!」


 エルメンさんはそう言うと、自分の隣に立つ


「そうだ、明日ぐらいにギルドマスターに会ってくれ、今回の件でお前に特別な報酬をくれるそうだ」


『特別な報酬?』

 →『良いんですか?』


「良いんですか?」


 正直、自分が役に立てたとは思えてない、カヴァレッタを殆んど倒したのはエルメンさんだ


「なんだその顔、レイ、お前自分がどれだけ活躍したのかわかってないのか?」

「…………?」

「ゴーストで視界を確保したし、ドラゴンフライでカヴァレッタのボスの位置を把握したし、時間稼ぎもした、正直お前が居なかったら、全滅してたな」


 そう言って、エルメンさんは自分の背中をポンと叩く


「見てみろ、この活気を! お前が守ったんだ」


 外を見る、街の人達が楽しそうにしてる姿が見える

 皆が笑顔だった


「…………」


 守れたんだ……


「よし、飲み直すぞ! 皆待ってる!」

「いちいち、抱きかかえないでほしい」


 自分で歩ける


 1階に戻り、皆で飲み食いして盛り上がった



 ーーーーーーーーー


 5月16日


 身体の調子は問題ない

 今日からクエストをまた受けていこう


 そういえばギルドマスターに会う必要があるんだったな……


 ギルドに行き、アヤメさんに話をしたら、ギルドマスターの部屋に案内された


「来たかレイ」


 ギルドマスターが大きな椅子に座って微笑む


「特別な報酬が貰えるって聞きましたが」

「ああ、これを受け取ってくれ」

「……手紙ですか?」


 封筒を渡された


「それを王都に行った時に、王都のギルドで受付に渡してくれ、それで報酬が何なのかわかる」

「王都に……」

「俺の話は以上だ、カヴァレッタ討伐の報酬はアヤメから受け取ってくれ…………どうした? これだと不満だったか?」

「いえ、報酬の方は何とも……聞きたいんですが、いいですか?」

「? どうした?」

「やっぱり、王都とかに行った方が良いんですかね?」

「……んっ? 普通に暮らすだけなら、リュゲイみたいにここを拠点にしても問題ないだろ?」


 普通に暮らすだけなら……

 でも、自分は厄災に挑まないといけない


「では、今回のカヴァレッタみたいな事が起きた時、コロッコに居て問題の解決に協力できますか?」

「それは、正直難しいだろうな……カヴァレッタはたまたまコロッコ付近で起きたからだが、似たような異常が起きたら、コロッコを拠点にしてたら対応できないだろう……情報も遅いだろうしな」

「…………」

「もし、レイが他の異常事態にも対応したいなら、王都を拠点にして、実力をつけて、有名になるべきだ」

「有名に……」

「エルメン達は王都を拠点にしたAランクだから、カヴァレッタの討伐に対応できた……王都はこの大陸の中心だ、人も物も情報も集まる」

「…………」


 やっぱりこれからの事を考えると、王都に行くべきなんだろう

 でも、正直コロッコを離れたくない、ここで出会った人達と離れたくない


「まあ、焦る必要はない、行こうと思った時に行けばいい」


 ギルドマスターはそう言うと引き出しから何か取り出す


「クッキー?」

「皆には内緒だぞ?」


 ギルドマスターがくれた1枚のクッキーを半分に割り、スモモにあげて、一緒に食べる


「レイ、君がどんな事を想い、どんな事で悩んでるのかは、俺にはわからん……だが君はまだ若い、時間が解決するかもしれないし、実力を伸ばして自力で解決するかもしれない……だが、周りを頼れ……これは歳をとっても忘れてはいけないことだ」


 そう言うとギルドマスターはクッキーを豪快に食べた



 ーーーーーーーーー


 宿に戻って、暫く考えた

 悩んで悩んで迷って迷って


「周りに頼る……か」


 スモモとマイヤに相談してみた


「別に遠くないし、行けば良くない? 拠点にするかはその時決めればいいじゃん」


 とスモモが言う


「ボクは一緒に行くよ! 王都を拠点にするなら、ボクもそうする! コロッコに戻るなら今まで通り過ごせばいいし!」


 マイヤはそう言った


 そうか、王都に行ったからってすぐに決めなくて良いんだ



 ーーーーーーーー


 5月17日


 朝、起きて、スッキリした頭で決めた


「王都に行こう」


















名前 明光 零

レベル20


HP 260/260

MP 130/130


勇気 2 なくはない

知識 2 それなり

技術 1 不器用

話術 2 つたない

器  1 心狭い


イタズラ妖精 スモモ ランク3

ギルドの受付 アヤメ ランク2

冒険者の剣士 リュゲイ ランク2

宿屋の看板娘 シルク ランク3

盗人の少女  マイヤ ランク3

共に戦う仲間達    ランク1

自称神    ムクロ ランク1

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