カヴァレッタを討伐せよ
群れの中を突き進む
群がってくるカヴァレッタ
弱い個体や小さい個体はゴーストの魔法で燃え尽きる
しかし、大きいサイズや耐久力がある個体は飛びついてくる
そんなカヴァレッタはリュゲイさんが斬り捨てていった
「しかし、きりがないな」
リュゲイさんが周りを見渡しながら言う
「こんな大量にいたら、ボスなんて見つけられないぞ!」
「いっそ、一気に焼き尽くすか!」
「私達も無事じゃないから、まだ抑えて」
「一瞬なら、いけるか?」
自分は上空の様子を確認し、ドラゴンフライを召喚して、真上に飛ばした
ドラゴンフライに大量のカヴァレッタが向かってくる
ドラゴンフライは群れの隙間を通って高く飛ぶ
そして、ある程度の高さに飛んだ後、下を見る
カヴァレッタの群れを観察し、ドラゴンフライにカヴァレッタが群がる前に戻した
ドラゴンフライが見た情報が脳内に流れてくる
「あっちです、カヴァレッタの数が特に多い」
「情報共有も出来るのか! 便利だな!」
エルメンさんがそう言うと、自分の指差す方に走り出す
自分達もついて行く
ーーーーーーーーーー
カヴァレッタの群れ
周りにも大量のカヴァレッタが飛んでいるが、目の前には更に多くのカヴァレッタが密集していた
カヴァレッタが球状に群がっている
「あの中にボスが……」
ヒュームさんがそう言うと
「一気に焼くぞ! 『閃光』!」
エルメンさんが球状の群れに剣を振るう
剣から光が飛んでいき、球を貫通する
「ちっ、あの中意外と広いみたいだな、避けやがった」
「『オルド·フリージア』」
ヒュームさんが氷魔法を放つ、フローズンとは違う魔法みたいだ
氷の槍が大量に飛んでいく
氷の槍が球を貫いていく
「手応えあり」
球状に群がっていたカヴァレッタが散る
中から赤いカヴァレッタが現れた
氷の槍に貫かれている
赤いカヴァレッタは少しもがいた後に絶命し、消滅した
群れのボスを倒した!
…………?
「おい、ボスを倒したらカヴァレッタは散るんじゃなかったのか?」
リュゲイさんが聞く
「…………多分、複数いる」
「ボスが?」
「ボスが」
ボスって1匹じゃないの!?
「こんな大規模な群れ、ボスが複数いてもおかしくない」
「また探すのか……」
「恐らく近くに居る、さっきみたいな球を探して」
走って周りを調べる
球状の群れを見つける度に蹴散らしていくが、カヴァレッタの群れが散る様子は無い
「レイ、またドラゴンフライを飛ばせるか?」
「飛ばせます!」
ドラゴンフライを召喚して、また上空へ向かわせる
ある程度の高さまで飛んだ時……
「!!」
ドラゴンフライを戻した
その瞬間に、ドラゴンフライがいた空間に、黄色のカヴァレッタが飛んでいった
「ヒュームさん、黄色のカヴァレッタって居ますか?」
「黄色? そんなの聞いたことないけど、見間違いじゃないの?」
「いや、俺様も見えたぞ」
エルメンさんが言う
エルメンさんの視線の先に、黄色のカヴァレッタが飛んでいた
こっちを見ている……睨んできている?
「なあ、あれがこの群れのボスじゃないのか?」
「黄色のが?」
「赤いのは小隊長的な」
リュゲイさんとヒュームさんがそう話していると
「おい、お前ら、警戒しろ」
『カヴァレッタが』
→『周りの様子が』
「周りの様子が」
自分達を覆うように大量に居たカヴァレッタが、居なくなっていた
周りがよく見える、振り返るとコロッコの街が見える
街に張り付いてたカヴァレッタも居なくなっている
「レイ、奴を見ろ」
リュゲイさんに言われて、黄色のカヴァレッタを見る
黄色の周りに数匹の赤いカヴァレッタが集まり
カヴァレッタ達も集まって……
巨大なカヴァレッタになった
昔見た魚の絵本を思い出した、群がって大きな生き物に見せるアレだ
「『炎舞·孤狼』」
エルメンさんが技を放つ、巨大なカヴァレッタが炎に包まれるが
すぐに炎が消えた
「成る程、生半可な火力じゃ、外側のを犠牲にして体勢を立て直すか」
「エルメン、何分だ?」
「5分稼いでくれ、奥義を放つ」
「わかった、ヒューム! レイ!」
「援護する!」
→『前に出ます!』
『自分も!』
「前に出ます!」
「気をつけろよ! 巨大な魔物だと思って戦え!」
自分とリュゲイさんが前に出る
巨大なカヴァレッタが腕を振るう
キィン!
リュゲイさんがカヴァレッタの腕を剣で受け流す
「オーク!」
自分もオークを召喚して、迫ってくる腕を受け止める
その一瞬で腕からカヴァレッタがオークに群がった
オークが殺られる前に戻す
オークが居なくなって、飛んでいた群れにスモモが魔法で仕留める
しかし、巨大なカヴァレッタは平然としている
リュゲイさんと協力してカヴァレッタの攻撃を耐える
時々ヒュームさんの魔法で、危ない所を助けられる
「溜まった! 全員俺様の後ろに下がれ!!」
「レイ!」
リュゲイさんに抱き上げられて、エルメンさんの背後まで運ばれた
「『炎月·獄炎』!!」
エルメンさんが剣を振るう
一瞬、赤く光ったと思ったら、カヴァレッタが消えていた
カヴァレッタがいた場所は草木も何も無くなっていた
所々赤いのは……マグマ?
「い、今のは?」
エルメンさんに聞いてみる
「俺様の奥義だ、カヴァレッタは燃え尽きたぞ」
周囲を見渡す、あんなにいたカヴァレッタの姿が全く見えない
『勝った?』
→『討伐成功?』
「討伐成功?」
「恐らく……ヒューム」
「気配は無いけど……レイ、ドラゴンフライとかで調べられる?」
「やってみます」
ゴーストを戻して、ドラゴンフライとウルフを召喚して周りを調べる
カヴァレッタの姿は見えないし、襲ってくる様子も無い
「姿は無いです、匂いも気配も無いですね」
ドラゴンフライとウルフを戻して、手に入れた情報を伝える
「よし! 討伐成功! クエスト完了だ! 戻るぞ!」
エルメンさんが歩き出す
自分達も一緒に歩く
ーーーーーーーーーー
コロッコに戻ると
「レイ!!」
マイヤが飛びついてきた
受け止める
『そっちはどうだった?』
→『怪我はない?』
「怪我はない?」
「ボク達は大丈夫! レイは?」
「こっちも多少の怪我くらいかな」
巨大なカヴァレッタとの戦いで、少し擦りむいた程度だ
自分達がそうしてる間に、エルメンさんがギルドマスターと話していた
「黄色のカヴァレッタか……わかった、ギルド本部に報告しておこう……今は取り敢えず休め、皆! よく戦ってくれた!! 後日報酬を渡すから、ギルドに顔を出してくれ! とにかく今は! 勝利を祝おう!!」
『うおおおおおおおおおお!!』
「レイ、大丈夫か? 顔色悪いが」
リュゲイさんが聞いてくる
『大丈夫です』
→『疲れました』
「疲れました」
「そうだな、しっかり休んで……おい! レイ!!」
················
また謎空間だ
「お疲れ様」
自称神がそう言って拍手している
→『あれが厄災?』
『虫はもう嫌だ』
「あれが厄災?」
「そうさ、暴食の厄災……それにしても炎の剣士、予想以上に働いてくれたね」
「そういえば手助けがどーとか言ってたな」
「そうそう、彼等をコロッコに来るように色々と動いたんだよ、彼等が居なかったらコロッコはカヴァレッタに食べられてたね」
「自分が居なくても良かったんじゃ?」
「それは違うよ、彼等と君が力を合わせる必要があった……それに、厄災がどれだけ脅威か、君に知ってもらう必要があった」
「…………」
「今回は何とか助っ人を用意できたけど、次からは難しいからね……次の厄災は君と仲間達だけで挑む事になる」
「次はどんな厄災か……教えられないんだろ?」
「すまないね……」
自称神は本当に申し訳なさそうだ
そういえば
『お前の名前は?』
→『本当に神なのか?』
「本当に神なのか?」
「最初から神だって言ってるじゃないか……」
「名前は?」
「…………ムクロ、私はムクロだよ」
自称神……ムクロは名乗ると微笑んだ
ムクロとの間に絆を感じた
「……へぇ、私とも絆を深められると…………そうか」
ムクロは意味深に微笑む
「まあいい、レイ、君の身体が回復した頃に新しい力を渡すよ……それまでゆっくり休んで」
意識が遠退く
·············
5月15日
目が覚める
スマホを取り出し、日付見て驚く
「4日も寝ていたのか……」
「あっ! 起きた!」
スモモが自分に気付く
『おはよう』
→『あれからどうなった?』
「あれからどうなった?」
「レイがいきなり倒れて、リュゲイが部屋まで運んで、医者にみせてって感じ」
「そっか……心配かけたな」
ベッドから起きて、身体を少し動かす
まだ少しダルいが、動けなくはない
「スモモ、レイ起き……レイ!!」
「ごふっ!?」
マイヤが部屋に来て、飛びつかれた
「レイ! もう大丈夫なの!? 具合悪くない!? もう倒れないよね!?」
→『大丈夫』
『心配かけてごめん』
「大丈夫」
マイヤの頭を撫でる
「もう無茶しないでよ! 心配したんだから!」
「無茶したつもりはないんだけど……」
「魔力切れするくらい無茶してるんだから!」
倒れた理由、魔力切れか……
「気をつける……」
泣くマイヤを落ち着かせてから部屋を一緒に出た
名前 明光 零
レベル19
HP 212/252
MP 1/120
勇気 2 なくはない
知識 2 それなり
技術 1 不器用
話術 2 つたない
器 1 心狭い
絆
イタズラ妖精 スモモ ランク3
ギルドの受付 アヤメ ランク2
冒険者の剣士 リュゲイ ランク2
宿屋の看板娘 シルク ランク3
盗人の少女 マイヤ ランク3
共に戦う仲間達 ランク1
自称神 ムクロ ランク1




