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厄災までの準備期間

 5月9日


 朝、スモモと話していたら、マイヤが部屋にやって来た


「ボクも参加する」


 カヴァレッタ討伐にマイヤも参加を受付てもらったそうだ


 下に降りると、シルクさんが冒険者に食事を配っていた

 自分を見ると、近寄ってきて


「レイくん達も参加するの?」

「シルクさんは?」

「私は参加しない、そのかわり参加する人達に食事や傷薬配るから」


 シルクさんは裏方にまわるって事か


「3人は今からどうするの?」

「武器の整備でもしようかと……」


 だいぶボロボロになってきた武器を新調するか手入れするかだ


「それじゃあ、これ親方に渡してくれる?」

「お弁当?」

「多分、忙しくてマトモに食べてないと思うから……あっ、こっちはレイくん達の分ね」


 お弁当を受け取って、鍛冶屋に向かう


 鍛冶屋の親方にお弁当を渡し、武器の手入れをしてもらった

 休憩の時に皆で一緒にお弁当を食べて、武器の手入れが終わったので、鍛冶屋を後にした


「おっ、レイじゃないか」


 →『エルメンさん?』

『エルメルさん?』


「エルメンさん?」

「俺様の名前、ちゃんと覚えてたか」


 エルメンさんは笑う


「そっちのちっちゃい嬢ちゃんは?」

「……マイヤ」


 マイヤは自分の後ろでボソッと呟く


「なんだ? 人見知りか? まあいいや、レイ、ちょうどお前に用があったんだ」

「自分に?」

「お前の魔物使いの力を少し見せてほしくてな、街の外に行くぞ」


 エルメンさんについて行く


 コロッコから少し離れた場所で向かい合う


「ここらへんでいっか、レイ、お前の力を見せてくれ」


 →『スモモ、マイヤ、離れてて』

『2人も一緒で?』


「スモモ、マイヤ、離れてて」

「一緒に戦うよ?」

「ボク達の力も見せてやる」

「いやいや、俺様は魔物使いの力をみたいんだ、悪いが嬢ちゃん達は見物しててくれ」

「でも!」

「遊びじゃねえんだ……下がれ」

「っ!!」


 エルメンさんが言う、とんでくる殺気……身体が震えた


「2人とも離れてて」


 マイヤの頭にスモモが乗って、2人が離れる


「さあ、全力でこいよ!」


 エルメンさんが剣を抜く

 そして、一瞬で距離を詰めてきた


「!!」


 自分は右に跳ぶ

 エルメンさんの剣が、さっきまで自分の居た空間を斬った


「ウルフ!」


 ウルフを自分の背後に出す

 そして、自分が右に跳び、ウルフを左に跳ばす


「挟み撃ちか?」


 エルメンさんが自分を見ながら言う


「ゴブリン!」


 ゴブリンを自分の隣に召喚し、矢を射たせる

 エルメンさんは矢を剣で叩き落とす

 その背後からウルフが飛び掛かる


「甘いな!」

「っ!?」


 エルメンさんは、一切ウルフを見ずに蹴り飛ばした


 ウルフのダメージが大きい


「そんな隙だらけでいいのか?」

「っ!!」


 また目の前に跳んできた

 ウルフとゴブリンを戻し、自分は前に出て、エルメンさんの懐に潜り込む


「おっ! 剣を振らせないか! だがその程度じゃ駄目だな」

「ゴフッ!」


 エルメンさんの膝が自分の腹に入る

 コレでいい、エルメンさんの視線が下に向いた


「オーク!」

「へぇ! やるな!」


 ドゴォ!


 頭上でそんな音がした

 顔を上げると、エルメンさんが吹っ飛んでいた

 しかし


「〜〜!!」

「オークの方がダメージ受けてる!?」


 オークの右腕が折れていた

 オークを戻す


「判断力は良しと……次は対応力だ!」


 着地したエルメンさんが剣を振るう

 すると、炎が自分に迫ってきた


「!! ゴースト!!」


 ゴーストを召喚する

 ゴーストが口を開き炎を吸い込む


「へぇ〜炎耐性の高いのも連れてたか」


 ゴーストが炎を全て吸い込み、エルメンさんに向けて吐き出す

 エルメンさんは、吐かれた炎を剣を振って消し飛ばした


「リュゲイに言う通り、期待の新人だな……次で最後だ! 行くぞ!」


 また突っ込んでくる


「スライム!」

「うお!?」


 自分の目の前の足元にスライムを召喚する

 エルメンさんは召喚されたスライムを踏んで滑った


「スパイダー!!」


 スパイダーを召喚して、糸を吐かせる

 足元を糸まみれにするが


「スライムを踏む直前に、それやっとけばよかったな!」


 エルメンさんは左手で地面を叩き、身体を弾ませて、自分の頭上を飛び越える

 そして、自分の背後に立ち


「終わり」

「っ!」


 後ろから羽交い締めにされ、剣を首元に当てられた

 これがAランク……手加減されてるのに、歯が立たない


「まあ、ある程度の実力はわかったな」

「…………」


 拘束を解かれる

 普通に悔しい……もっと戦えると思った


「…………よし! レイ、お前、俺様と一緒にカヴァレッタのボスを討伐しに行くぞ!」

「……はい?」


 スモモとマイヤが駆け寄ってきた


「今回のカヴァレッタ討伐、俺様とリュゲイ、それとヒュームは決まってたが、あと1人決めてなくてな」

「それを自分に?」

「4人で行くの? もっと大勢で行けばいいのに」


 スモモが言う


「姉貴の結界だと、デカいの1つと小さいの4つが限界でな、定員は4人で決まりだ」

「ボクは?」

「嬢ちゃんはまだ力不足だな、他の連中と一緒に戦ってくれ」

「わたしは?」

「妖精の嬢ちゃんは……まあ、レイから離れないならいけるんじゃねえか?」


 エルメンさんは、自分の左肩に乗るスモモを見て言う


「自分で役に立てます?」

「ああ、レイなら臨機応変に対応できそうだからな、安心しろ、何かあっても俺様達が守るし助ける」


 こうして、カヴァレッタ討伐チームに、自分も加わる事になった


 ーーーーーーーー


 5月10日


 翌日にカヴァレッタ討伐を控えた……

 皆から、明日の為に今日はしっかり休むように言われたけど……


 →『落ち着かない』

『腕立てでも……』


「落ち着かない」

「仕方ないよ、厄災に挑むんだし」


 スモモが野イチゴを食べながら言う


「レイや私は、厄災だって知ってるけど、他の連中は異常事態しか思ってないし、Aランクが居ればどうにかなるって皆思ってるんでしょ」

「それでも、皆真剣だよ」


 そう答えて、改めて明日の事を考える

 カヴァレッタ討伐……エルメンさん達と一緒にカヴァレッタのボスを倒す

 責任重大だ……胃が痛い


 そんな風に落ち着かない状態で1日を過ごした



 ーーー夜ーーー


「レイ、起きてる?」


 →『起きてる』

『眠れない』


「起きてる」

「入るね」


 マイヤが部屋にやって来た

 自分はベッドから起き上がり、椅子に座ったマイヤと向かい合う


「どうした?」

「今日の……ううん、ここ最近のレイの様子がおかしいから、何か悩みがあるなら聞かせてほしいなって」

「別に悩みなんて……」

「ボク……頼りない? ボクはレイの助けになりたい、支えたいんだよ」


 マイヤの目は真剣だ

 スモモに助けを求める


「話したら? それとも、マイヤの事信用出来ない?」

「…………」


 そんな事言われたら……

 自分はマイヤを見る

 長い付き合いがあるわけでもない

 出会いもスリから始まった偶然だ

 でも、仲間になってから、彼女は頑張っていた

 そして、自分も彼女に救われてる所があるのを自覚している

 マイヤの事を信用出来ない訳がない



「マイヤ、今から話すことをふざけてると思うかもしれない、でも信じてほしい」

「うん、レイの言う事なら信じるよ」


 自分はマイヤに話した

 自分が異世界から来た事

 夢の中で自称神に魔物使いの力を貰ったこと

 7つの厄災の事


「う〜ん、スモモが言ってたら信じなかったかも」

「何それ!?」


 スモモとマイヤが笑う

 マイヤが自分の手を握って、微笑む


「信じるよ、レイはボクに嘘なんて言わないし、話してる時のレイ、真剣だったもん」


 まっすぐに答えてくれた


「レイ、ボクも一緒に戦う……今回だけじゃないよ、これからも一緒に戦う! 他の厄災だって倒しちゃうんだから!」

「でも今回は後方だよね〜」

「心は一緒に居るから!!」


 スモモの茶化しに真面目に返すマイヤ

 気が付けば、自分の心が落ち着いてるの実感した

 マイヤに話した事で、心が軽くなった


 この世界に来て1ヶ月くらいだが……自分は絆に恵まれてる

 そう実感した……


 仲間達との間に絆を感じる

 自分の中から力を感じた



 ーーーーーーーーー


 5月11日


 カヴァレッタ討伐の当日を迎えた


 準備を終え、部屋を出ると、マイヤも丁度部屋から出てきた


 食堂で食事を済ませ、宿屋をシルクさんと店主に見送られながら出る


 そして、ギルドに向かった



名前 明光 零

レベル18


HP 235/235

MP 110/110


勇気 2 なくはない

知識 2 それなり

技術 1 不器用

話術 2 つたない

器  1 心狭い


イタズラ妖精 スモモ ランク3

ギルドの受付 アヤメ ランク2

冒険者の剣士 リュゲイ ランク2

宿屋の看板娘 シルク ランク3

盗人の少女  マイヤ ランク3

共に戦う仲間達    ランク1

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