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墓場での騒動

 

 昼頃に目を覚ました

 着替えを済ませて、スモモを左肩に乗せる


 部屋を出て、マイヤの部屋を訪ねる


「どうしたの?」


 マイヤが部屋から出てきた


「夜に討伐クエストを受けるんだけど、一緒に来る?」

「夜に? 何処で?」

「墓場でスケルトン退治」

「スケルトン……ガイコツってこと?」


 →『怖いか?』

『やめとく?』


「怖いか?」

「怖くはないよ、でも準備はしとかなきゃ!」


 そんな訳で、自分がギルドで受注してる間に、マイヤが教会で聖水を買ってくることになった



「聖水って撒くのか?」

「武器にかけるんじゃないの?」


 スモモと話しながらギルドに向かう


 ギルドに入り、アヤメさんの受付に向かい


 →『こんにちは』

『二日酔いしてません?』

『張り切ってますね』


「こんにちは」

「あっレイくん、例のクエストですね?」

「はい、受けに来ました」

「わかりました」


 クエストを受注する


「レイくん、アンデッド系は初めてですよね?」

「そうですね、聖水が有効ってのは聞きましたが」

「あとは銀で出来た武器も有効ですよ」

「でも高いんですよね?」

「はい高いです」


 2人で苦笑する


「やっぱり聖水は撒くんですかね?」

「それでも効きますが、1番は武器にかけるのが確実です、聖水はアンデッドによく効きますから」


 そう話していたら


「アンデッドがどうしたんだ?」


 リュゲイさんがやって来た


 →『これから挑むんです』

『気になって』 


「これから挑むんです」

「そうなのか? 討伐依頼はきてなかったと思うが……」

「紹介クエストですので」


 アヤメさんが答える


「そうか、挑むメンバーは?」

「自分とスモモとマイヤです」

「3人か?」

「はい」

「……僕も同行していいかな?」

「いいんですか?」

「ああ」

「お願いします!」


 ーーーーーーーーーー


 夜、マイヤと合流して、4人で墓場に向かう


「不気味だね」


 マイヤが呟く


「ここでスケルトンが出てくるんだね」


 スモモが自分の頭の上で呟く


「まだ出てきてないようだな」


 リュゲイさんが剣を抜いて言う


「レイ、スケルトンっていうかアンデッド達がなぜ現れるかわかるか?」


『成仏出来てないから?』

 →『未練があるから?』

『魔力があるから?』 


「未練があるから?」

「それもあるかもしれないな、1番有力なのは魔力の影響を受けてるからだ」

「どういう意味?」


 マイヤが聞く


「魔力の多い物、例えば魔道具とか、魔力が多い魔物とか、そんなのが近くに居ると、死体が魔力に反応して動き出すんだ」

「つまり、今回も何か原因があるかもって事?」


 スモモが周りを見渡す


「おそらくな、今まで何も起きてなかったんだ、それが急にスケルトンが現れだした……何かあるって考えるべきだろ」


 リュゲイさんがそう言った時、リュゲイさんの背後の墓から、スケルトンが飛び出して、リュゲイさんに襲いかかった


 →『リュゲイさん!』

『うしろうしろ!!?』


「リュゲイさん!」

「そうそうレイ、スケルトンは個体ごとに強さが異なるって知ってるか?」


 ガキィン!!


 リュゲイさんはスケルトンを見もせずに、スケルトンの剣を剣で受け止めた


「例えば、商人とかのスケルトンは弱いが、騎士をしてた奴のスケルトンは戦闘経験が豊富だからか、良い動きをする……それに埋葬される時に愛用の武器も一緒に埋められるから、こうやって武器を持ってる」


 リュゲイさんはスケルトンを見る

 そして……


『ハイスラッシュ』


 スケルトンがバラバラになった


「まあ、筋肉が無いから、力は大した事ないんだがな」


 リュゲイさんは余裕そうだ

 しかし、周りを見るとスケルトンが大量に現れていた


「さて、やるか!」


 戦闘が始まる


 リュゲイさんは武器を持ったスケルトンを処理していく

 武器を持ってない、素手で襲ってくるスケルトンを自分とマイヤで倒し

 弓を使うスケルトンを、スモモが魔法で蹴散らした


「レイ、気付いたか?」


『何がです?』

 →『動きに規則性が!』


「動きに規則性が!」

「あぁ、つまり何者かが、スケルトンを操ってる! 周りを調べられるか?」

「やってみます!」


 ドラゴンフライを召喚して、空から周囲を調べてもらう

 ある程度調べたら消滅し、ドラゴンフライが得た情報が自分の頭に流れてくる


「ぐっ! 居ました!!」

「どこだ?」

「奥の方です!」


 ドラゴンフライは見た、墓地の奥、そこにある木に光る何かが居た


「レイ、僕が大技を放って、周りのスケルトンを蹴散らす、その間に3人で一気に行け!」

「了解!」

「いくぞ! 『ロンド·カシオ』!」


 リュゲイさんが剣を振ると、周りのスケルトン達が上空へ吹っ飛んだ


「マイヤ! スモモ!」


 自分はウルフとドラゴンフライを出し、マイヤをウルフに乗せ、自分はスモモを左手に捕まえて、右手でドラゴンフライに掴まる

 そして、一気に飛んでいく


 リュゲイさんにその場を任せて、木の側に辿り着く

 そこには、半透明の魔物が居た


「ゴースト! 聖水準備!」


 スモモが叫ぶ

 マイヤが聖水を取り出す


「レイ!」

「ああ!」


 自分はドラゴンフライを戻し、地面に着地する

 そしてスライムを召喚する

 マイヤがスライムに聖水を投げる、スライムは聖水を取り込むと……水鉄砲の様に発射した

 しかし、ゴーストは上空へ飛び、水鉄砲を回避する


「避けられた!」

「狙い通りだな!」


 その行動は予想していた、だから先に行かせていた


「えい!」


 パシャ!


『!?』


 ゴーストが飛んだ先には、スモモが居た、マイヤに叫んだ後に、自分が渡した聖水を持って飛んでいたのだ


『ギィヤァァァァァァ!!』


 叫び声が響く

 落ちてくるゴースト


「もう1本!」


 マイヤが聖水をゴーストに駆け寄ってぶっかける


『!!!!!』


 もがくゴースト

 大分効いてる


「レイ! トドメを!」


 自分は剣に聖水をかける

 そしてゴーストを斬ろうとして……


『……びたい』


「?」


『もっと遊びたい……』


 幼い子供の声が聞こえる

 周りを見渡すが子供はマイヤくらいしかいない


「レイ? どうしたの?」


 スモモが空から戻ってきた


「いや、別に……」

『遊びたいよぉ……』

「……お前か?」


 子供の声はゴーストから聞こえた


「…………」

「レイ!?」

「ちょっ!? なにしてんの!?」


 マイヤとスモモが驚く

 自分はゴーストの頭に左手を乗せていた


 すると、頭に映像が流れてくる

 病弱な子供の短い生涯、外から聞こえる楽しそうな子供の声を羨ましがる姿


「このゴースト、子供だ」

「えっ?」

「ゴーストの事がわかるの?」

「みたいだ、これも魔物使いの力か?」


 対象に触れると記憶が読めるとか?


「おーい! 終わったかー?」


 リュゲイさんが駆け寄ってきた


「リュゲイさん、スケルトンは?」

「バラバラになって動かなくなった……このゴーストが原因か……トドメをささないのか?」

「実は……」


 リュゲイさんに説明する


「……子供のゴーストだったか……だが、放置するわけにはいかない……レイがやれないなら僕がやろう」


 リュゲイさんはマイヤから聖水を受け取る

 彼の言う通り、子供とはいえゴーストを放置するわけにはいかない、またスケルトンが暴れ出すだろうし

 …………あっ


「リュゲイさん、ゴーストがここから居なくなれば解決するんですよね?」

「んっ? こいつがスケルトンを動かしてたんならな、流石に墓場から離れたら何もできないだろ」

「だったら……自分に考えがあります、少し時間をください」

「……わかった、マズイと思ったらすぐにゴーストを斬るからな」


 自分は再びゴーストに触れる

 今度は両手で


『……遊びたい』

『そんなに遊びたい?』

『だれ?』

『自分はレイ、魔物使いだ』

『まものつかい?』

『そう、君をここから連れ出せる男だ』

『ここから? でたら遊べる?』

『毎日じゃないけど、たまになら相手するよ、他の魔物も居るから、退屈しないよ』

『いっしょにいてくれる?』

『うん、一緒に居るよ、だから自分と契約してほしい』

『けいやく?』


 子供だから契約わからないか


『そうだな……たまに遊ぶ代わりに、自分の仕事を手伝ってほしいって約束』

『そうしたら遊んでくれる?』

『もちろん』

『じゃあ、けいやくする』


 ゴーストが青く光り、自分の中に消えていった

 ゴーストを手に入れた


「これで、スケルトンの問題は解決ですよね?」

「そうだな、ひとまずスケルトンがもう動かないか様子を見て、それで判断しよう…………魔物使いでしかできないやり方だな」


 ーーーーーーーー



 夜も遅いし疲れて眠ったマイヤとスモモをウルフに託して宿屋に送らせた

 その後、見廻りしたが、スケルトンは動かなかった


「どうやら、もう問題なさそうだな」

「はい、じゃあ後は……片付けですね」

「……だな」


 散らばったスケルトン達を見て、時間がかかりそうだとため息を吐いた


 ーーーーーーーーー


 リュゲイさんと片付けていたら、教会の人達も起きて来て、手伝ってくれた

 お蔭で昼には片付けも終わり、アヤメさんに報告できた


「じゃあ、僕はこれで」


 報酬を受け取ったリュゲイさんは、アヤメさんから荷物を受け取って言う


「どこに?」

「王都、今日出発だからね」

「それなのに手伝ってくれたんですか?」

「レイ達、アンデッド初めてだろ? 色々と教えとこうと思ってな」


 じゃあなーっとリュゲイさんはギルドを出ていった


「リュゲイさん、良い人ですね」

「レイくんも良い人ですよ、似たもの同士だね」


 アヤメさんはそう言って微笑んだ


 宿屋に戻り、水浴びしてから、ベッドに入る

 まだ昼過ぎだけど、徹夜したから凄く眠い



 ーーーーーーーーーー


「やあ零」


 →『うわ出た』

『やあ痛い人』

『自称神』


「うわ出た」

「失礼だな、忠告しようと出たのに」

「忠告?」


 自称神は真剣な顔をする


「5月11日に最初の厄災がやって来る」

「? 何でいつ来るかわかってるんだ?」

「私は未来を見れるからね」


 →『どんな厄災?』

『対処法は?』

『自分達は生き残れる?』


「どんな厄災?」

「それはちょっと言えない、言いたくても上手く言えないんだ」

「どういうことだ?」

「邪魔が入るんだ……#$%$#@@!」

「どこの言葉?」

「ほら、こんな風に伝えられないんだ」

「……なんで?」

「厄災の主、元凶が邪魔してる……奴は私と同等かそれ以上の力を持ってるからね」

「…………」


 そんなのを相手しろって言ってんの?


「あっ、でも少しの手助けは出来るから! てかもう手助けしたから! だから君も今まで通り過ごして、厄災に備えてくれ」

「今まで通り? 皆と過ごしたり鍛えたり?」

「そうそう、絆が君を強くする……今ならわかるだろ?」

「……まあ」

「そんな訳で、もう時間か……厄災を乗り越えたらまた来るよ」


 そう言って自称神は消えていった


 ーーーーーーーー


 5月5日


 飛び起きる


「……一方的だな」


 11日まであと6日

 それまで、出来る限りの事をしよう……どんな厄災かわからないけど……絶対に生き延びてやる
















名前 明光 零

レベル17


HP 212/212

MP 100/100


勇気 2 なくはない

知識 2 それなり

技術 1 不器用

話術 1 コミュ障

器  1 心狭い


イタズラ妖精 スモモ ランク3

ギルドの受付 アヤメ ランク2

冒険者の剣士 リュゲイ ランク2

宿屋の看板娘 シルク ランク2

盗人の少女  マイヤ ランク2

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