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ダイヤモンド  作者: とくだ
第1章
2/7

朝だ。暗く遮光しているカーテンを開けまだ出たばかりの陽が私の体を照らしていく。

 目がジンジンする。背伸びをしてとても気持ちいい。

「んーーっんぁーー!」私、市原 遥16歳、黒髪の肩甲骨ぐらいまで伸びた髪の毛、少し小さめの身長の153cm

 体重はーって言えるわけないじゃん!ダメダメ!頭は可もなく不可もなく、運動神経も下の中、

 学校は京都府立高井高等学校の高校2年生。お父さんの転勤で12歳の時に東京からここ京都府に住んでいる。家族関係も良好。お母さんは専業主婦、お父さんはゲーム会社に働いている。とても可愛い弟に妹、そして年が6つも離れていて、今は一緒に住んでないけど兄が1人。兄が高校生になった頃に私たちの住んでいた家から野球のスポーツ推薦で神奈川の学校に行ってしまいそこから年に三回ぐらいしか会えなくなってしまった。それでも連絡は取れていた。神奈川での生活、野球のこと、家族のこと、離れていても家族みんな一緒に過ごせることを夢に見ていた。でも突然兄と連絡が取れなくなってしまった。兄が高校卒業後、京都の大学へ進学するとこが決定してまた一緒に過ごせると思って家族含め私もすごく嬉しかった。なのに兄は帰ってこない。何か事情があったのか、私には分からない。


「お兄ちゃん今何してるんだろ?いつ帰ってくるのかな?」遥は今でも一緒に家族6人で暮らせることを願っている。兄のことを考えているとふと時計を見た。えっ!こんな時間!急がなくちゃ!っと時間が大幅にすぎていた。

 パジャマから制服に着替え自分の部屋からリビングに降りていく。慌てていて階段を踏み外し聞いたこともないような声が出て心臓が飛び出そうになった。ふぅーっと一息付き階段を降りていくとリビングからほんのりと卵が焼けているいい匂い。ウインナーから出る香ばしい匂いが私のお腹から悲鳴のようにぐーっとなる。何もしていないのに涎が出てしまう。テーブルの横に学校指定のカバンを起きテーブルには味噌汁に卵焼き、ウインナー、ホカホカのご飯。朝日が入っている明るいリビング最高の朝ごはんはこれ以上にない。一目散に口の中にかきこんでいく。

 これでもかって口の中に頬張っていると「どうしたの?リスみたいよ?」お母さんが私のことを見てニコニコしている。「ちょっとお兄ちゃんのこと考えてて気づいたら時間経っちゃってて」朝あった経緯をお母さんに説明した。

 だけどお母さんがキッチンで後ろを向いたまま動かなくなってしまった。遥は不思議に思いお母さん?と呼びかける。しかしお母さんは動かない。まさかお兄ちゃんのこと何か知ってるの?「ねぇ!お母さん?どうしたの?まさかお兄ちゃんって」「ううんなんでもないわよ。早くしないと学校遅れちゃうわよ!はいこれお弁当。凛ちゃんもう来てるんじゃない?」時間を見ると既に通学時間よりも5分ほどすぎていた。「わっ!ほんとだ!お弁当ありがとう!行ってきます!」カバンに手作り弁当をそそくさと入れ玄関へと向かっていく。靴を履き玄関に置いてある鏡で身だしなみを確認し、家を出るとそこには凛が立っていた。「遅いよ!遥!」ごめーんとだらけた声で凛に言うが凛はため息をつくだけだった。

「ほんとに遥は私がいないと何も出来ないよね?」凛は早く行くよっと体を回転させ自転車に乗り先に漕いで行った。「まっまってよー!凛ってばー!」遥の家まで迎えに来た桐山 凛は幼稚園から高校までずっと一緒の幼なじみである。金髪の肩までかかった髪の毛に学校指定のスカートは織り上げてミニスカート風にしているためよく風紀委員や生徒指導の先生に怒られていたりする。髪色はいいんだって思いながらいつもいてるんだけどね。167cmの私と並ぶと頭1つ分大きくて凹凸コンビだーってみんなに言われてる。誰がチビだ生まれ持った才能よ?ちっちゃい方が可愛いもん。と思っていると信号待ちでようやく凛に追いついた。ゼーゼーと息を荒らげていると凛がクスクス笑っている。「誰のせいでこんなに息上がってると思ってるの!」「遥がゆっくりしてるからじゃない」それは確かにそうだけど。いつもは遅れているわけじゃない、多分、うん多分だよ?いつも凛待ってくれてるけど私の家すぎた所に学校があるからね、だから、うん遅れてないよダイジョブダイジョブ。

 独り言をブツブツ唱えていると「今日はどうしてこんなに遅かったの?」「遅れるつもりなかったんだけどお兄ちゃんのこと考えてたら時間経っちゃって…てあっ、ごめん」凛はお兄ちゃんといちばん仲が良かったお兄ちゃんが神奈川に行く時は泣きじゃくって離れなかった。お兄ちゃんも凛のことを私と同じみたいに可愛がっていた。そのお兄ちゃんが帰って来ないことを凛は知らない。もしお兄ちゃんが何かあったら何をするか分からないから。様子を見に神奈川まで行くかもしれない。だから凛には禁句ワードだった。「良太お兄ちゃんがどうしたの?」やばい、聞かれていた。こめかみに汗が滴る。何とかして誤魔化さなくちゃ。「ううん。なんでもないないよ。今大学で友達できてすごく楽しいって言ってたよ。その話思い出してたら時間経っちゃってた」息を吐くように嘘を吐き凛は「ほんとにお兄ちゃん好きなんだね遥は」どの口が言ってるの?と心の中で思ってる遥。



 20分したところに私たちの学校、高井高等学校が見えてきた。何とか遅刻せずに済んだ遥と凛は校門を通り駐輪場に自転車を起き学校内に入っていく。

 3限目 情報

 うーんつまんないなー。こんなこと勉強してなんの役に立つの?とボーっとしてると教壇からこらっと声が響く。

 クラスの問題児である中村 広大君が怒られている。

 先生は中村くんに近づいていき、

「中村!何堂々とゲームしてるんだ!渡しなさい!」

 長方形サイズのタブレットみたいなものにコントロールのようなものが着いているゲームパッドを使ってあるゲームをしていた。「あぁ?なんだよ?邪魔すんじゃねぇよクソ先公」教室の中が静まり返る。誰に向かって言ってるんだっと言いかけたところで中村くんは立ち上がりそのまま荷物を持って出ていってしまった。先生は後を追おうとしたが廊下から親に連絡するからな!っとそれを最後に中村くんのことに対して授業中何もなかった。よかった。私がよそ見していたからだと内心ビクビクしていた。

 でも中村くん中学まではあんな感じじゃなかったのに。

 どうしたんだろ?と思っているとまた怒号が聞こえた。

 それは私に向けてだった。市原!聞いてるのか?はい聞いてませんでした。何が?なんな話してた?と焦っていると隣の席の凛からよそ見しないのっと声をかけてもらい黒板の板書を見てようやく理解ができた。しっかり聞いとけよとお灸を先生から据えられたがこれは私が悪い。と反省していると授業が終わる。休憩時間中は中村くんのことでもちきりだった。批判する声や同情する声が教室中あちこちで話している。「ねぇ凛、中村くんっていつからあんな感じなんだっけ?」中村くんは決して悪いことをする人じゃない。それは私や凛2人とも知っている。「さぁ?でも高校1年生の夏休み明けぐらいから口調も荒くなって髪色も今みたいな赤色に染めて先生とかからも評判良かったのに今じゃ問題児呼ばわりだもんね?」そうなんだっと私は中村くんのことは知ってはいたが話をするような中ではなくよっ友ぐらいだった。学校でゲームせずに家ですればいいじゃんって思うのにっと独り言を呟いていた。「凛は中村くんと家近いじゃん?何か知らないの?」「私のママと親同士仲良しだけどあいつとはそこまで仲良くないよ。あいつの家共働きなの。だから」ガシャン!と教室のドアが開く音と同時に教室内全員の声が止む。中村くんが教室に帰ってきた。自分の机を漁りだし、どこ行ったんだよ。クソっと喋っている。なにか無くしたのかな?なんで急に帰ってきたんだろうとみんな不思議そうに見ている。

 私は気になって喋りかけてみた。「授業中にゲームはダメだよ。家まで我慢しなくちゃ。」「あぁ?今なんつった?」やばい地雷踏んだ。凛ー助けてー。「良太やめな。私の親友に何か文句あるの?」きゃー凛様ありがとうございます。「ここにあったゲーム探してんだよ。これがないとダメなんだよ。あいつを、あいつを助けるために。」

「はぁ?ない言ってんの?ただのゲームでしょ?くだらない。もっと真面目になったら?」中村くんが凛のことを睨む。うわぁー怖いよー凛、変なこと言わないでーとアニメみたいに体がキョロキョロしているとガタンと音がしてゲームパッドが出てきた。中村くんは急いでゲームパッドをカバンに入れ凛のことをまた睨んで教室から出ていってしまった。凛がその後を追いかけようとしたがチャイムがなり4限目の授業が始まる。凛の教室から廊下を見る目が何か思い当たる節があるように見えたが私はそれが一向に気になって授業に集中出来なかった。

 

 

ここから話が進んで行きそうな感じがしますね。

次回お楽しみに。


2/28今日中に5話まで掲載できるようにしますね

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