序章
初めて小説を書きました。
まだまだ分からない部分などございますが楽しんでいただければ嬉しいです。
ここはどこだ、私は今何をしているんだろう。「うっ!」頭が痛い。どこかで頭を打ったのか頭からジンジンと脈がうっている感覚がする。
「えっとー、私何してたんだっけ・・・凛!凛はどこ行ったの!」大きい声を出しても私の声が反響して聞こえるだけだった。
どうして私はここで倒れてたの?今何してたの?ここまで何できたの?今何時?何日?それすらも分からない状態だった。
「とりあえずここから離れよう」頭がズキンズキンとなりながらとにかくここから移動することにした。
「りーーーん!!どこーーーー!」声がかすれるぐらいになるまで凛のことを呼んでみた。でも凛からの問いかけがなかった。とても寒い、手がブルブルしていて吐息から白い息が暗くても分かる。
「きっと凛もおんなじ状況のはず!早く見つけないと!」
ガサッっと茂みから音が聞こえた。「っ!なに!」
どんどん茂みの音がこちらに近づいてくる。
「凛!凛なの!そうだったら返事して!」そよ風と共に茂みの音がまたさらに強くなる。ガサガサガサ!茂みから落ち葉がひらりひらりと落ちていく。遥は息を飲みながら茂みに近付くと茂みから出てきた。
「くーん」……「え?」そこには小さい子犬が茂みから出てきた。
なんでこんなところで子犬が。でも犬はいてるか、そんなこともあるか、と近づいて子犬を見ていると遥はふと足を見た「この子、足怪我してる」前右足から血が流れていた。茂みを通ってきたからかどこかでぶつけてしまったのか足を怪我していた。「大丈夫?あっちょっと待ってね」遥はポケットに入っていたハンカチをちぎって子犬に巻いてあげた。「よし!これで大丈夫。どう?歩ける?」子犬にハンカチの一部を怪我している部分にまいてあげる。
「きゃん!きゃん!」「ふふっどういたしまして」子犬はすごく喜んでいた。いまさっきあったばかりだけどやっぱり喜んでくれると嬉しいな。と思っていたがやはり子犬は足を引きずっていた。しょうがないなと子犬を担いで一緒に行こうかそのまま放って行こうか悩んでいた「うーんどうしよう。このまま放って行けないしな…よし!一緒にママのとこまで一緒にいこうっか!寒いしね!」子犬がこんなところで放って行けないお淑やかな性格が裏目に出てしまう。子犬を持ち上げパーカーの中に入れてあげるときゃんきゃんと嬉しそうに鳴いている。「嬉しそう。そうだよね寂しかったんだよね」子犬は遥の温もりと遥の着ているパーカーの温かさでウトウトしていた。
「とりあえずここから移動して凛がいてそうなところに移動しよう。必ず近くにいるはず!君のママも探さなくちゃだしね!」
遥は歩き出した。五分、十分、三十分、一時間と歩いた
、元々いてた場所が分からなくなるまでに歩き続けた。一本道の道を歩いていても街灯も街中の明るさも見えない。唯一分かるのは綺麗な星空とまんまるな満月しかない。「もーー!いつまで歩かなくちゃいけないの!どうなってるのーーー!」
頭を打ったところは既に引いていて少したんこぶになっていて触るととポコンと膨らんでいた。いたたーっとたまには思い出しながらここに来た経緯を思い出す。
ここに来た経緯は小学校の頃、凛と一緒に…
突如気配が感じた。誰かに見られてる。1人だけじゃない、何人何十人に見られてる。遥はあたりを見回したがそこに誰もいない。暗いから見えないわけじゃない。目が慣れて遠くまで見ることができるようになった遥にとっては簡単なことだ。「誰?もしかして凛!凛でしょ!出てきて!」遥の右斜め正面からコツンっと石ころが落ちたような音がした。きゃっと声が漏れそっちに目を逸らすと今まで見た事ない程の大きい木があった。凛でしょ?絶対そうだと遥は恐る恐る近づいていくと、ギシッ、ギシッと音がする。「っ!きゃーーーーーー!」
そこには凛がいた。だがその大木に男性が首を吊っていた。どこからかドゴッと死角から鈍器で殴打され遥も倒れてしまった。子犬が目を覚まし、キャンキャンと遥を守ろうとしたが何もできる訳もなく…子犬は……
遥は後悔した。ここに来てしまったこと。凛と離れてしまったこと。そしてこれから始まることに…