第94話人間と神
神は繭から生まれこの世を制する王となった
禍々しい魔力から到底生まれたとは思えない程の神々しさ、そして白く綺麗な肌に銀髪の長い髪に華やかに純白の布を体に巻き着ていた
その姿は誰もが思い描いた神その者だった
黒く侵食された地は浄化され神によって吸収されそれと共にジェイクの拘束も解けた
「テメェ、一体なにしやがった」
「私は世と同化を果たした。私は神となり絶対的な存在となったのだ」
ライアードは土魔法を使って自分の下に木を生やし空高く登り始め地に向けて手を差しのべるように手を突き出した
「これからは十騎士などという神の真似事はいらん」
「何故なら私が神だからだ」
天を見上げながらいうと今までの戦いで相当な時間が経過したのか日が昇り始めていた
「弱き者を救う前に罪人殺しをしようか」
神が下にいるジェイクを見ると今まで以上のスピードでジェイクに近づき一瞬にして間合いを詰めた
ジェイクは剣を振るい神の身体を切り裂いたが刃が肉を切り裂くのと同時に身体が繋がり実質無傷となってしまった
「どうだ?現実を直視できないか?」
ジェイクは何度も何度も神を切り裂きその度に神はジェイクを見下し軽蔑し嘲笑う
「なに笑ってんだ!?」
「なんだ?無理に強気にならなくてもいいぞ?顔だけで分かる、お前は負け犬だ」
「神の真似事して楽しいか!?お前はもう負けだぜ!!」
「は?」
神の身にはなにも起きてはいない
それはただの強がりだった
聞くに耐えない大声でそう言うジェイクに神はもう興味が湧かない
「可哀想な子羊だな……全く」
神が手に魔力を集中させると透明魔法で背後にいたアストレアは小さい声で詠唱していたのか瞬時に魔法を発動させていた
「俺が意味なく大声で言うわけねえだろ」
「小賢しい馬鹿猿………!!」
次の瞬間爆発的な速度でアストレアが発動させた氷魔法は神を巻き込み広がり山のような莫大な大きさで神を氷の中に閉じ込めた
ジェイクは尻餅をついて倒れてしまい目の前には尖った氷が、そして自分のブーツの足先が少し氷に埋まっていた
「あ、あっぶねえな……なんつう魔法使うんだよ………」
ジェイクが足を手で引っ張って氷から引き剥がすと氷の中心部には神が閉じ込められていた
「あー、これで一件落着?」
「そんなわけないでしょ」
神は下にいるアストレアを睨み付け次第にバキバキと大きな音を立てながら氷に亀裂が入り始めた
「そんで作戦は?」
「エディが目を覚ますまで時間稼ぎ」
「マジかよ」
バンッ!!!!!!!
氷に大きく亀裂が入り氷が割れると瞬時に木っ端微塵になった
小さな氷が降り落ち日で照らされた神が神々しく見え始めた
「ほんと……神の真似した悪魔ね」
神はアストレアの目の前に現れると仕返しに氷魔法の喰らえば凍結の氷の弾丸を放ちジェイクがすかさずアストレアの前に現れ氷魔法を剣で叩き割った
「ジェイク、貴様より脅威なのはこの女だ」
「邪魔するな」
圧倒的な神の威圧にジェイクは圧倒されそうになったが神が取る次の攻撃を見る
2発目……?いや………!
神は一つだけではなく複数の氷の弾丸を放っており前とは桁違いに魔力量が増えていた
「大地よ!その怒りを槍に変えろ!」
「断罪の鉄槍!!」
バストラーゼが放った大槍がジェイクの足元に現れその大槍が盾となると氷の弾丸を防ぎその弾丸ごと神を吹き飛ばした
神は宙に押し上げられると空にいたチャカスが水魔法で作った雲の上から神に向けて手を突き立てた
「大海を統べる深淵の主よ、その怒りを我が腕に宿れ、奔れ、砕き、呑み尽くせ」
「滅びの奔流」
水の奔流は神に喰らいつき肉体を蝕み続ける
皮膚を突き破り肉を削ぎ骨まで喰らう水に神は再生し続け激痛を感じていながらも声一つあげなかった
そして神はその奔流を昇り始め上にいるチャカスの顎を殴り飛ばし左手を振り下ろした
ゴツッ!!!!!
神はチャカスの頭を殴り首を締め口の中に魔力を込め音魔法を発動させた
「あ゛あ゛あ゛!!!!!!」
咆哮はチャカスの鼓膜と目玉を潰すがチャカスは逆に神の両手首を掴み唱え始めた
「俺はめんどくさいしこうやって目も耳も潰されてしもうた……」
急になにを言い出すかと神は困惑する
「どうした、最後の言葉か?」
「俺に出来ることは一つだけや、お前に呪いを残すこと……」
「まあ精々俺が死んだあとでも頑張れや、神の真似事如きが」
アストレアはチャカスを逃がす為に土魔法で生み出された草の縄は神の口や腕を縛りほんの少しの間縛り封じたがチャカスは逃げずそのまま魔法を唱えた
「な、なにやってるのよ!」
「チャカス!やめなさい!」
「黒き水脈よ、肉を喰らい骨を侵し魂を腐らせよ」
「滴は毒となり波は呪縛と化すだろう!」
「呪詛の波!!!」
チャカスは治癒魔法が苦手であり耳と目が潰れても自分では治せない
こうなれば神に積極的に狙われているアストレアの手を貸すわけにはいかず自爆を選んだのだった
アストレアが驚いて呆然としている間にバストラーゼはその隙を絶対に逃すわけにはいかなく空高く飛び上がると神に向かって土魔法を唱えた
「太陽の光で力を得た」
神は太陽の光をヒントにコルテーチョに似た光魔法をバストラーゼに放とうとした
バストラーゼは対応したことない魔法に対して無茶に魔法を発動させるのではなく守りに入る
ジェイクとアストレアはバストラーゼが重傷を負おう前に神の背後に迫る
「ジェイク!あの魔法は大丈夫!」
ジェイクはコルテーチョと戦ったアストレアを信じ頷きジェイクは背後から剣を振るう
そしてアストレアは魔女の魔法で神の光を纏う手を抑えようと魔女の力を発動させた
その瞬間、手に纏う光はバストラーゼに触れる前に小爆発し眩しい閃光を放った
神はバストラーゼを攻撃するのではなく最初から全員を巻き込んだ目潰しを狙っていたのだった
五秒というかなり長い目潰しの時間に神はじっくりと考え少しで策を得た
我が血脈に宿る紅蓮、空を裂き大気を燃やせ。肉を焦がし、骨を砕き、魂を喰らえ
「血沸の焔!!」
神は血魔法を放ち3人は煮え立ち毒を持ち蝕むに触れかけた
物凄い空気が爆発するような音を立て物凄いスピードで近づいて来たイミシェルは神の顔を殴り奥歯とその前の歯を吹き飛ばした
そのパンチの衝撃波で血魔法はドロドロと形を捉えれず垂れ落ち3人はそのまま落下して着他し一命を取り留めた
そして殴り飛ばしたイミシェルは吹き飛ばされ城の壁を貫通し城下町へと落下していった神に向かって拳を向け飛んでいった
「覚悟決めとけよ!!」
そうしてフラフラと立ち上がる神の顔に向けて拳を振るって地面に叩きつけた




