第91話猛獣
5体の魔物のうち残り3体、魔術、頭脳、技術の魔物だけだった
大剣を構え三人の動きをよく観察し仕掛けるタイミングを見逃さない
魔術の魔物が魔法を唱え雷の短剣を二刀出現させると即座に技術の魔物がそれを手に取り地面に着地すると俺に向かって急接近してきた
そのスピードは剣術の魔物や武術の魔物と比べてかなり速く見切って大剣を振り下ろすと技術の魔物は躱しきれないと思ったのか短剣で大剣の軌道をそらし大剣は斜めに落ちていった
ズドッ!!!!!!
大剣は床にめり込みすぐさま引き上げようと動かすが技術の魔物は短剣を振っており屈んで避け追撃の攻撃も躱して隙が出来た瞬間突き刺さったままの大剣を掴み床から引き抜くと技術の魔物に向かって振るう
技術の魔物がまるで両手に大きなハンマーを持っている構えをすると雷の短剣から炎の大槌へと姿形を変え技術の魔物は大槌を振り下ろした
こいつが技術の魔物みたいだな
って事はあの座禅組んでる奴が頭脳の魔物?あいつは攻撃もなにも仕掛けてこない……
待て、頭脳の魔物が他の魔物と意志疎通をして戦術を教えているのか?だとしたら頭が悪い魔物が魔術の魔物と技術の魔物とのあの連携をするのも理解できる
なら今倒すのは………
咄嗟に振るおうとしていた大剣を止め守りに入りそのまま大槌を受け止めた
ゴンッ!!!!!!
鈍く鉄と鉄が激しくぶつかり合い耳を防いでしまうほどの強烈な音が鳴り響き大剣で大槌を押し返すと大剣をぶん投げ回転しながら襲いかかる大剣は頭脳の魔物の体を真っ二つに切り裂き
大剣は胸ぐらいの高さの柵に突き刺さって動かなくなってしまった
そして頭脳がいなくなった2体の魔物は単独行動を取るようになり魔術の魔物は大槌を消し手の内から煮えたぎるような熱々しい炎の塊を唱えて生成し始めた
一向技術の魔物は技こそはあるが使える脳がなくただ俺を見続け行動はしない
頭脳の魔物を倒した今現在大剣が離れた位置にある中、高威力を叩き出す魔術の魔物が最も警戒するべき敵である
まともな考えが浮かばない中、ある考えが脳裏に思い浮かんだ
やってみるか……?
「~~~~~」
時間はない
俺はすぐさま横へ走り出し技術の魔物の背後に入るように動いた
魔物が魔法を唱え終えると10メートル程離れているのに肌をこんがり焼かれているような強烈な熱風を放つ炎の魔法を放ち俺に向かって急接近してきた
「?」
技術の魔物の後ろに回り追尾する炎の魔法は技術の魔物にぶつかり技術の魔物は炎の塊を受け止めた
「!!」
うめき声から感じ取れるのは怒り、魔術の魔物は意図していない状況に戸惑い咄嗟に魔法を解いた
熱い炎で焼かれた技術の魔物は顔や体を大きく火傷をしていて鼻と口は爛れて塞がり呼吸は頬の穴から空気を取り込んでいた
「!!!」
技術の魔物は荒れ狂うように走り魔術の魔物に向かって拳を振り下ろした
近接戦闘では魔術の魔物は技術の魔物に敵わずボコボコに殴られ血反吐をそこらに吐き出す
技術の魔物が魔術の魔物を殺し穴から空気を吸って呼吸をしていた時だった
大剣を手に取った俺は背後から技術の魔物を突き刺し心臓を貫いた
技術の魔物は驚き貫かれ出ている大剣の一部を掴むがその後、ぐったりと倒れ死んでいった
「はあ………はあ………」
呼吸を整えただ呆然と立ち尽くし戦いっぷりを見ていたライアードは俺に向かって拍手をした
「素晴らしい。君程の実験材料は数十年見たことがない」
「次は実験2だ、頑張りたまえ」
ライアードの手の平から触手を伸ばすようになにか黒い液体が爛れ地面に着くとライアードが見えなくなるぐらいの量の魔物が出現した
次の瞬間、その魔物は強烈な電撃で消し飛び死体からの湯気で姿を現した
「久しぶりだな、エディ」
その声は懐かしいが鬱陶しい声
「ジェイク、なにしに来た?」
「お前とケツにいる奴を止めにな」
ジェイクが背後を振り向くのと同時に電撃を走らせ右腕をライアードに合わせると電撃を放出した
電撃を受け止めようとライアードは手を突き出し電撃を受け止めるがライアードの手は木っ端微塵に吹き飛び傷口は火傷で治癒魔法が困難になってしまった
「アストレア達は下にいる化けもん共を相手にしてる、助けに行くにはちょっと遅れるんだとさ」
「それで、この場を借りてエディに聞きたい」
「お前、こいつら殺してどうすんだ」
「俺は時期に王になる。魔術師と"俺達"を同じ土俵に立てるようにし犯罪もすべて同等に裁く」
「本当に出来んのかよ?魔法使えない奴らが魔術師を殺し始めるかもしれねえ、テメェみたいな規格外もいるしな」
「そんなことは起こさせない」
「武力を使うってか?俺にはお前が行うこの先が見える」
「お前は魔術師を迫害し始め武力を制して"俺達"を殺し始める。そうすれば十騎士みたいな奴らは二度と現れねえし惨劇を生むことは無くなる」
「今のお前はしなくてもこれから先のお前は必ずする」
「話の途中ですまないジェイク君、つまり君は私の味方なのかい?」
「なわけねえだろ、ドブネズミ」
「鉄の掟、集結せよ」
ジェイクが魔法を唱えると両腕を広げ背後にいる俺に向けて電撃を、真正面にいたライアードには鉄魔法を使い電気を帯びている傷口から刺々の鉄球を出現させ丸々一本腕を吹き飛ばした
「1対1対1だ!!」
「鉄の掟!集結せよ!」
ジェイクは剣を作り出し電撃を浴び筋肉が硬直している俺に向けて剣を振りかざした
その剣は服も切れないぐらい鈍くまるで木の枝で叩かれたみたいだった
この数年間でわかる違和感、この攻撃は喰らってはいけない攻撃だと本能で認識した
ジェイクが2撃目を喰らわせようとする瞬間、剣を弾き懐へ剣を振るう
止めれないだろ!!
ジェイクは即座に体を傾け上半身をほぼ水面に保ち攻撃を避けた
「ッ!!?」
ジェイクは体勢を立て直し横へ飛んでいきすぐ壁に背を向け俺とライアードとジェイクで三角形を作った
「あっぶねー!!」
ジェイクは冷や汗を出し半笑いで言う
そして数秒間ジェイクが動いたせいでこの場にいる全員が目に入り立ち止まる中、仕掛けたのは即座に腕治癒魔法で腕を生やし氷と炎を両手で作り出し適当な魔法だがほぼ必殺級の攻撃を繰り出した
俺は炎の攻撃を避け地面に着地するとライアードに向かって走り出す
それを狙っていたのか横からジェイクが剣を振るい俺は立ち止まって目の前の斬撃を躱した
「このッ……!!!」
言い合う暇もなくライアードが攻め俺には風魔法で吹き飛ばしジェイクには必ず殺すように水魔法で作り出した水の牢屋にジェイクを閉じ込めた
馬鹿にすんじゃねえよ!!
ジェイクは水の中から右腕に電撃を溜め始め水の牢屋にいる間、中にいるジェイクには誰も手を出せない
そして数秒の間、電撃を溜め続けるジェイクに俺とライアードは目を離さなかった
俺はその隙にライアードに向けて剣を振るいライアードは石魔法で武装した手を使って亀裂が走りながらも俺の大剣を受け止めた
そして水の牢屋から電撃が放射され俺は大剣を捨てて後方へ走り出し反応が遅れたライアードは強力で数発も発射できる電撃を浴び続け爆風が巻き上がり煙でライアードが視認できなくなった
案の定、大剣は空を飛びながら回転していて大剣を掴み取ると俺は背後からライアードに斬りかかり真正面から最後の1発の電撃を使っていないジェイクがライアードに右腕を向けて電撃を放射していた
強いな!2人共!!
ライアードは治癒魔法で全回復すると背後に迫る大剣を石魔法で武装した手で受け止め電撃は同じ性質を持つ雷魔法で打ち消した
そしてライアードは下がり俺とジェイクはそのまま斬り合いになった
何度も剣が交差しジェイクが俺の大剣を受け流し地面へ落とすと俺の首に向けて剣を振るった瞬間俺を自分の獲物だと言うような眼差しにジェイクと俺はライアードに視線を向けてしまい両方共後方へ下がった
「君達だけに教えよう、仲間にも明かしていない強者だけが知る私の力」
ライアードは自分の力を知られてはいけない2人に明かし始めた




